「チューハイ(酎ハイ)」とはどんなお酒? ベースは焼酎? 基本情報からサワーとの違いまで徹底調査

「チューハイ(酎ハイ)」とはどんなお酒? ベースは焼酎? 基本情報からサワーとの違いまで徹底調査
出典 : kai / PIXTA(ピクスタ)

「チューハイ」とは、甲類焼酎をはじめとする無色透明なスピリッツを炭酸で割り、果汁などを加えたお酒です。ここでは、チューハイの意味や語源などの基本情報から、ハイボールやサワーとの違い、チューハイの歴史や愛される理由までを紹介します。

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チューハイとはどんなお酒なのか、さまざまな角度から確認していきます。

「チューハイ」とは? 意味や名前の由来などの基本情報を確認

チューハイの基本情報

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「チューハイ」とはどんな飲み物なのか、まずは基本情報からみていきましょう。

「チューハイ」は、もともとは「焼酎ハイボール」だった!?

「チューハイ」とは、スピリッツを炭酸で割って果汁などを加えた飲み物のこと。明確な定義はなく、また基本的なレシピも存在しないことから、自由度の高いお酒として広く親しまれています。

「酎ハイ」とも表記される「チューハイ」は、焼酎の「酎」とハイボールの「ハイ」を組み合わせた造語。つまり、焼酎ハイボールの略称といわれています。もともとは焼酎の炭酸割りを指していましたが、現在では焼酎以外のスピリッツをベースに使用したり、炭酸以外のソフトドリンクを割り材に用いたりする場合もあります。また、割り材によっては、果汁を加えずに飲むケースもあるようです。

「チューハイ」のベースは焼酎やウォッカ(ウオツカ)などの蒸溜酒

「チューハイ」は焼酎ハイボールから派生したことから、焼酎をベースに作られるというイメージがあるかもしれませんが、前述したように、ウォッカなど焼酎以外のスピリッツがベースに使われることもあります。

ここでいうスピリッツとは広義のスピリッツ、つまり、焼酎を含む蒸溜酒全般を表す言葉です。蒸溜酒というと、ウイスキーやブランデーなども視野に入りますが、「チューハイ」のベースにはおもに無色透明で香りのないものが適しているといわれています。

焼酎は、連続式蒸溜機で繰り返し蒸溜される連続式蒸溜焼酎(甲類焼酎)と、単式蒸溜機で1〜2度だけ蒸溜される単式蒸溜焼酎(乙類焼酎)に大別されますが、「チューハイ」のベースにはおもにクセの少ない甲類焼酎が使われます。

ウォッカにも、フルーツやハーブなどで香りづけをしたフレーバードウォッカや原料や製法にこだわったプレミアムウォッカなどさまざまな種類が存在しますが、「チューハイ」のベースには、「ピュアウォッカ」と呼ばれるクセの少ないウォッカが好まれます。

また、近年ではこだわり素材を使った香りのよいスピリッツをベースに使った缶チューハイなども注目を集めています。

「チューハイ」とハイボールの違いは?

チューハイとハイボールの違い

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日本ではおもにウイスキーを炭酸(ソーダ)で割った飲み物を「ハイボール」、焼酎を炭酸で割ったものを「焼酎ハイボール」と呼びますが、広義のハイボールは、スピリッツ(蒸溜酒)を炭酸水やジンジャーエール、トニックウォーターなどのノンアルコール飲料で割ったカクテルの一種を指します。フレッシュジュースなど炭酸を含まない飲料で割った場合も「ハイボール」と呼ばれることがあります。

「チューハイ」も広義のハイボールの一種ですが、おもに焼酎をはじめとした無色透明のスピリッツがベースに使われるという点がハイボールとは異なります。

もっとも、お店によっては焼酎ハイボールを「ハイボール」や「ボール」と表記していたりして、明確な区別はないようです。

「チューハイ」と「サワー」の違いは?

チューハイとサワーの違い

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「チューハイ」は、前述のように、焼酎などの蒸溜酒を炭酸などのノンアルコールドリンクで割った飲み物のこと。これに対して英語の「sour:酸っぱい」を語源とする「サワー」は、蒸溜酒に柑橘系など酸味のあるドリンクと、シロップなどの甘味成分を加えたカクテルを指します。

ただし、サワーも「チューハイ」と同様に明確な定義がなく、日本の居酒屋さんでは蒸溜酒に炭酸を加えたものを「サワー」と呼ぶケースもあり、「サワー」と「チューハイ」の垣根はあいまいなのが現状のようです。

「チューハイ」の歴史を振り返る

チューハイとサワーの違い

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居酒屋さんの人気メニューとしてはもちろんのこと、缶入りのお酒としてもすっかりおなじみの「チューハイ」ですが、いつどのようなきっかけで誕生し、飲まれるようになったのでしょうか。

焼酎にシロップを加える飲み方は戦前からあったようですが、炭酸水で割る焼酎ハイボール、いわゆる「酎ハイ」が飲まれるようになったのは、昭和20年代のことです。当時、東京下町の居酒屋さんで人気を博した元祖「酎ハイ」は、焼酎の炭酸割りに、店ごとに異なる秘伝のエキスを加えたもので、「ボール」などの愛称で親しまれていました。

下町を中心に普及した「酎ハイ」が広く飲まれるようになった背景には、博水社が販売する「ハイサワー」、そのほか多くの小規模製造業者が造る「割り材(バイス、ホイスなど、以前はたくさんの銘柄があった)」、ホッピービバレッジの「ホッピー」など、焼酎と相性のよい割り材の存在がありました。

「チューハイ」の一大ブームが巻き起こったのは、1980年代前半のこと。1982年ごろからの居酒屋ブームに続き、1983年には東洋醸造から日本初の瓶入りチューハイ「ハイリッキー」(現在はアサヒビールから「ハイリキ」として発売)が登場。続く1984年には宝酒造の「タカラcanチューハイ」が発売され、チューハイの認知度は一気に上がりました。

「チューハイ」が愛される理由

チューハイで乾杯

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「チューハイ」が庶民のお酒として根強い人気を誇る理由を探ります。

「チューハイ」の種類は無限大! アルコール度数も自在に調整できる

「チューハイ」の魅力のひとつに、材料の無限の組み合わせが挙げられます。ベースとなる蒸溜酒はもちろんのこと、割り材も多種多様。炭酸水だけではなく、コーラやサイダー、ジンジャーエールといった甘味のある炭酸飲料、緑茶やウーロン茶などのお茶飲料、フルーツジュース、乳飲料と自由に選択でき、レモンやライム、かぼすなどの果汁を加えれば、甘味だけでなく酸味の調整も自在。好みやおつまみ、シチュエーションに合わせて味わいを選べるのも大きなメリットといえるでしょう。

また、自宅で作る場合は、アルコール度数も調整自在。缶チューハイも3〜12度程度と幅広い選択肢があります。もちろん飲食店でも「薄めにしてください」といった注文に対応してもらえるケースが多いので、お酒初心者やアルコールに強くない人でも安心してたのしめそうですね。

なお、「チューハイ」の呼び名は割り材や風味づけに使用した果汁によって変化するのが一般的。レモン風味なら「レモンハイ」、グレープフルーツ味なら「グレープフルーツハイ」、ウーロン茶で割ったものなら「ウーロンハイ」、緑茶で割ったものなら「緑茶ハイ」などがその一例です。お店やメーカーによっても異なりますが、ネーミングから想像できる場合が多いので、その日の気分や料理に合わせてチョイスしてみてください。

居酒屋のチューハイ

mapo / PIXTA(ピクスタ)

「チューハイ」はコスパ満点

リーズナブルな価格設定も大きな魅力です。居酒屋さんで飲む「チューハイ」はもちろんですが、小売店の酒類売り場にズラリと並ぶ缶入り「チューハイ」もコストパフォーマンスの高さでは群を抜いています。

缶入りの「チューハイ」、いわゆる「缶チューハイ」の安さの秘密は、お酒の税率にあります。2023年6月現在、ビールの税率は1キロリットル当たり200,000円、対して「チューハイ」は「発泡性酒類」のなかではもっとも安い80,000円(※)。350ミリリットル缶に換算すると、ビールは70円、「チューハイ」たったの28円です。

※同年10月1日から発泡性酒類の税率が一部変わりますが、チューハイの税率は据え置きです。

なかには、ノンアルコールドリンクにも引けをとらない高コスパの缶チューハイもあります。

「チューハイ」は甲類焼酎をはじめとするスピリッツを炭酸で割って甘味や酸味を加えた飲みやすいお酒。自宅でも手軽に作れるので、いろいろ試して、とっておきのレシピを見つけてみてください。

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