日本ワインの映画「Vin Japonais(ヴァン・ジャポネ)」NORIZO監督に取材しました

日本ワインの映画「Vin Japonais(ヴァン・ジャポネ)」NORIZO監督に取材しました

2022年秋に公開された日本ワインのドキュメンタリー映画『Vin Japonais~the story of NIHON WINE』。『日本ワイン.jp』編集長で、プロデューサー兼監督を務められた NORIZOさんに、この映画を撮るに至った経緯、そして日本ワインの現在地と将来の展望について伺いました。

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「まだあまり知られていませんが、ぜひ訪ねていただきたい産地とワイナリーがあります」。

ここからは、NORIZOさんに注目の産地を3つ、そこで営むワイナリーとともに紹介していただくことに。あえて山梨、長野、北海道といった有名産地以外でとお願いしたところ、東北、四国、九州を挙げていただきました。

復興に貢献している東北地方のワイナリー

南三陸の海岸近くでワインを醸す『神田葡萄園』。※日本ワイン.jpより転載。

――最初のエリアは東日本大震災で被災した東北地方ですね。壊滅的な被害を受けた太平洋沿いから。ちなみに内陸部になりますが、先日私も福島県の『ふくしま逢瀬ワイナリー』をレポートしています。

NORIZOさん はい。復興支援の意味を込めて、まずはこのエリア。北から順にワイナリーを挙げていきますね。岩手県大船渡市の『Three Peaks Winery(スリーピークスワイナリー)』は、首都圏で働いていた及川武宏氏が故郷に帰り、地元のために何かしたいと起こしたワイナリー。自然な味わいのワインとシードルを造っています。

同じく陸前高田市の『神田葡萄園』は、明治38(1905)年という長い歴史を誇るワイナリーですが、現在はアルバリーニョの高品質な白ワインで有名です。震災で潮を被ってしまった土地が、ブドウ品種に向いたのかも知れませんね。

宮城県南三陸町の『南三陸ワイナリー』は、『Three Peaks Winery』同様に復興のための新しい産業として2019年に設立。目の前に海を望むという絶好のロケーションでワインを試飲できるんですよ。

出身地の中四国地方にも実力派ワイナリーが

創立早々、国際的に評価の高いワインを造った『ヴィノーブルヴィンヤード&ワイナリー』の横町崇(よこまち・たかし)さん。※日本ワイン.jpより転載。

――続いてのおすすめは、中国・四国地方。NORIZOさんは、島根県のご出身なのですね。

NORIZOさん 大阪生まれの島根育ちなんですよ。とくに関東圏の方には、このエリアでワインを造っているというイメージは薄いと思うんですが、興味深いワイナリーが多数存在しています。

広島県三次市『ヴィノーブルヴィンヤード&ワイナリー』は、ファーストリリースしたソーヴィニヨンブランが『IWSC(インターナショナル・ワイン・スピリッツ・コンペティション)2022』で、ゴールドメダルを獲得。国内より先に海外で評価された実力派で、ニュージーランド産と間違えるほどパワフルなワインは、ぜひ味わっていただきたいですね。

この辺りには他にも有名な『広島三次ワイナリー』、北の島根県には『島根ワイナリー』、鳥取県には1856年にルーツをもつ『北条ワイン醸造所』と、じつはワイナリーの宝庫。四国地方で注目なのが『大三島(おおみしま)みんなのワイナリー』ですね。みかん産地でブドウを育てているんですよ。海が絶景の『しまなみ海道』が通っているので、観光旅行のついでに訪れてみてはいかがでしょうか。

台風と闘いながらワインを醸す九州のワイナリー

寒暖差の大きい盆地の気候を利用して、ブドウを育てる『安心院葡萄酒工房』。※日本ワイン.jpより転載。

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