宮崎の老舗蔵元・京屋酒造の伝統的技法を使った焼酎造りへのこだわり【焼酎用語集】

宮崎の老舗蔵元・京屋酒造の伝統的技法を使った焼酎造りへのこだわり【焼酎用語集】
出典 : 京屋酒造

自然豊かな宮崎県日南市油津に蔵を構える京屋酒造は、天保5年(1834年)創業の老舗蔵。180年以上の歴史を誇る蔵元で、昔ながらの技術で醸しています。今回は京屋酒造の焼酎造りへの想いや伝統的手法、代表銘柄などについて紹介します。

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京屋酒造はとにかく原料を大切にしている

京屋酒造はとにかく原料を大切にしている

出典:京屋酒造サイト

手間暇かけた農作業から始まる、京屋酒造の焼酎造り

京屋酒造が目指しているのは、「自然で環境にやさしい焼酎造り」。一部の商品の原料を、子会社の農園で、農薬を使わずに有機肥料を使って栽培しています。栽培している原料は、「甘藷」や「あいがも米」、「蕎麦」などです。

土との対話から始まる一連の工程は、手間と労力を要するものですが、京屋酒造が目指す焼酎造りを実現するために欠かすことのできないものなのです。

京屋酒造では仕込み水に、ミネラル豊富な天然水を使用

京屋酒造の蔵の裏手には、高さ30メートル以上の「飫肥杉(おびすぎ)」が茂る山が広がっています。その山の奥に湧き出る天然水を、焼酎の仕込み水に使用しています。

芋や米と同じように、水も焼酎造りを左右する大きな要素。適度なミネラルを含む天然水が、製造過程で麹や酵母の働きを活性化させるのです。自然の恵みであるその土地の、清澄な水を生かして、こだわりの焼酎が造られています。

京屋酒造がこだわる伝統的手法

京屋酒造がこだわる伝統的手法

出典:京屋酒造

蔵に代々受け継がれている「大甕仕込み(おおがめじこみ)」

「大甕仕込み」とは、焼酎造りのすべての工程を、土に埋められた大甕の中で行う伝統的な製法です。京屋酒造では創業以来、この伝統製法で焼酎を醸してきました。伝承の大甕は日本産の陶器製で、容量は約800リットルと現代では小さめのサイズです。

一つひとつ形や重さが異なる大甕の個性や、酒造りに必要な微生物の働きを熟知する蔵人が、熟練の技術で酒を仕込みます。このたまご型の大甕で仕込むと、甕内で対流が生まれ、自然な発酵が促されるといいます。この伝統的な大甕仕込みが、京屋酒造の焼酎に、ほかにはない個性を与えているのです。

昭和初期から伝わる「コルニッシュボイラー」の役割

京屋酒造が使用しているもうひとつの伝統的技術が、今ではあまり見られなくなった「コルニッシュボイラー」による蒸しの工程です。おもに芋や米を蒸し上げるのに使われるもので、蔵の敷地には、昭和初期から使われてきた貴重な設備があります。

赤いレンガ造りの「コルニッシュボイラー」の煙突は、蔵のシンボルとなっており、地元・油津の名所「赤レンガ館」を思い起こさせます。

このボイラーを使うと、蔵にある小型の蒸溜器との相乗効果で、焼酎に独特で深みのある風味が生まれるそう。そのため、京屋酒造では、とても古い設備でも手間暇かけてメンテナンスしながら、愛着を持って使い続けているのです。こういったところにも、伝統を大切にする京屋酒造の姿勢が現れているといえます。

京屋酒造の焼酎ラインナップを紹介

京屋酒造の焼酎ラインナップを紹介

出典:京屋酒造サイト

「甕雫(かめしずく)」

京屋酒造を代表する芋焼酎。フルーティーで華やかな香味を持つ、上品な焼酎で、和食やフレンチなど幅広いジャンルの料理と合います。焼酎は、京屋酒造を象徴するような甕に入っていて、柄杓(ひしゃく)もセットになっています。賑やかなパーティーシーンにもおすすめの商品です。

「かんろ」

京屋酒造のレギュラー芋焼酎。バランスのよい味わいで、やわらかく丸みのある印象ながら、しっかりとした芋の味と香りを感じられます。「かんろ」は、昭和49年度全国酒類調味食品品評会で、最高峰のダイヤモンド賞を受賞した銘柄です。焼酎部門では全国初となる快挙で、当時の焼酎界を賑わせました。

「かね京」

こちらも京屋酒造の代表的芋焼酎シリーズです。豊潤でやさしい味わいが特徴の「かね京かんろ」、黒麹仕込みと白麹仕込みの2つの原酒をブレンドした、まろやかな味わいの「かね京 黒」、2種類の白麹高温蒸溜原酒をブレンドした、ワインのような香りの「かね京 紫」などがあります。それぞれに違った魅力を持つので、飲み比べるのもたのしそうです。

伝統的手法を大切に守り続ける、京屋酒造。古き良きものを大切にする酒造りへの姿勢が、焼酎ファンからの支持を集めています。実直な蔵元が造る焼酎を、さまざまな飲み方で味わってみてはいかがでしょう。

「甕雫(かめしずく)」は180年以上の歴史を持つ老舗焼酎蔵が造る本格芋焼酎

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