ウイスキーの原点?熟成前の原液【ニューポット(ニューメイク)】とは

ウイスキーの原点?熟成前の原液【ニューポット(ニューメイク)】とは
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「ニューポット(ニューメイク)」とは、まだ熟成や調整を施す前の、蒸溜したてのウイスキーの原液のこと。瓶詰めされた琥珀色のウイスキーとは異なり、無色透明で、香りや口当たりも荒々しいものの、試飲や商品としてたのしめる機会もあります。近年、日本でも注目を浴びつつあるニューポットについて紹介します。

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「ニューポット」とは、蒸溜を終えたばかりのウイスキーの原液

「ニューポット」とは、蒸溜を終えたばかりのウイスキーの原液

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「ニューポット(ニューメイク)」とは蒸溜直後の液体のこと

「ニューポット」とは、ウイスキー製造工程における「蒸溜」を終えた直後の液体のことで「ニューメイク・スピリッツ(ニューメイク)」とも呼ばれます。
モルトウイスキーの製造工程では、蒸溜は単式蒸溜器(ポットスチル)で2回行われるのが一般的で、1回目を「初溜」、2回目を「再溜」と呼びますが、この再溜で出てくる蒸溜液がニューポットです。

ニューポットは、まだ琥珀色ではない、無色透明の原液

ニューポットの段階では、私たちが思い浮かべる琥珀色のウイスキーとは違って、無色透明をしています。
このニューポットに加水してアルコール度数を調整し、樽に詰めて数年間、熟成させることで、徐々に琥珀色に変わっていき、私たちがよく見るウイスキーへと変化していきます。
瓶詰め前の樽に貯蔵されたウイスキーのことを「原酒」と呼びますが、ニューポットは、さらにその原型となる、ウイスキーの「原点」と言えるかもしれません。

「ニューポット」はそのままでも飲める?

「ニューポット」はそのままでも飲める?

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ニューポットの荒々しい刺激を味わうには?

ニューポットは、加水による調整や、樽での熟成を経ていないため、風味や口当たりも“若さ”や“荒々しさ”を感じさせる刺激的な味わいです。アルコール度数も65~70%と高く、一般的には商品として提供されることはありません。
しかし近年では、ニューポットの荒々しさを味わってみたいという声も多く、蒸溜所見学などで試飲できる場合もあります。

ニューポットを味わうなら「トワイスアップ」がオススメ

ニューポットは、そのまま飲むことも可能ですが、アルコール度数の高さに注意が必要です。
刺激が強いと感じる場合は、同量の水で割る「トワイスアップ」で飲むのがオススメ。若く荒々しい口当たりのなかにも、香りや甘味など、これから造られるウイスキーの片鱗を感じることができるでしょう。

ニューポットをそのまま商品化するケースも!

ニューポットを試飲で提供するだけでなく、そのまま瓶詰めして商品化しようとする動きも、近年、見られるようになってきました。
ウイスキーの樽熟成には、短くとも数年の歳月を要するため、新しい蒸溜所が誕生しても、ウイスキーが販売されるのは数年後になります。ニューポットを商品化することで、ウイスキーファンはこれから世に出てくるウイスキーの姿を想像してたのしむことができ、造り手は熟成期間中の運転資金を得ることができます。
一方、歴史ある蒸溜所がニューポットを販売する場合は、熟成を経たウイスキーと飲み比べてみたいというニーズに応える意味があるようです。

「ニューポット」の商品化は日本でも

「ニューポット」の商品化は日本でも

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日本のニューポット商品の代表格、「長濱ニューメイク」

ニューポットを商品化した例は、日本の蒸溜所でも見られます。滋賀県長浜の「長濱蒸溜所」は、2016年にウイスキーの蒸溜を開始。その商品化第1号として発売されたのが「長濱ニューメイク59°」です。
全国のウイスキーファンから注目を浴び、熟成後のウイスキーを樽単位で購入できる「カスクオーナー」を発表したところ、2017年度分はまたたく間に完売となりました。

ニューポット商品化の動きは鹿児島にも

さらに最近では、「小鶴」ブランドで知られる鹿児島県の焼酎メーカー、小正醸造が、2017年に立ち上げた「嘉之助蒸溜所」から「KANOSUKE NEWPOT(カノスケニューポット)」を数量限定で販売。世界的なウイスキー品評会「ワールドウイスキーアワード2019」で「ベストジャパニーズニューメイク」を受賞しました。

製造元:小正醸造株式会社 嘉之助蒸溜所
公式サイトはこちら

ニューポットを味わうことで、これから熟成されるウイスキーの「未来」を感じることができます。若い蒸溜所の将来を想像したり、すでに評価されているウイスキーの原点をたのしんだりと、今までとは違ったウイスキーのたのしみ方を提案してくれるでしょう。

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