産地によって違う、こだわりあふれる焼酎の酒器

産地によって違う、こだわりあふれる焼酎の酒器

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球磨地方の「ガラ」と「チョク」

焼酎は、その土地で収穫された原材料で作られる土地に根づいた酒です。飲み方や飲むときの温度にもこだわりがあります。同じように、酒器にも各地で独特のこだわりがあります。

熊本県球磨地方には「ガラ」と「チョク」と呼ばれる酒器があります。これはこの地方で古くから使われている磁器製の酒器で、直火にかけることができます。「ガラ」は胴体の部分がふっくら楕円で細長い首と注ぎ口がついている徳利です。

焼酎を受ける「チョク」は小さめ。30~40度とアルコール度数の高い球磨地方の焼酎を温めたとき、鼻にツンとしないように少し小さめにしてあります。酒好きの地方で注いだり注がれたりを繰り返しても酔わないように小さくした、という説もあります。

泡盛なら「カラカラ」で飲もう

沖縄の酒好きなお坊さんが、鏡餅のように倒れることのない徳利を作りたいと考案した、といわれている「カラカラ」。思いのほかこの形が評判よく、「貸せ貸せ(沖縄の方言でカラカラ)」と声がかかったことからこの名がついたとの説と、酒が残っている酒器をふったときに「カラカラ」音がすることでこの名になったとの2説があります。

この「カラカラ」が九州へと伝わり、熊本で「ガラ」に変化したといわれています。「ガラ」と違い「カラカラ」は耐熱性がないので直火は厳禁です。誤って火にかけると割れてしまいます。

沖縄には、このほかに「抱瓶(だちびん)」という酒器もあります。琉球時代の豪農が使っていた酒器で、当時は紐を肩にかけて携帯していました。肩にかけたときに腰に沿うように、横長の酒器が湾曲していて上から見ると三日月のような形になっているのが特徴です。

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前割りにぴったりの「ヂョカ」

「前割り」とは、前もって水で焼酎を割っておいて一晩寝かせておくこと。一晩(もしくはそれ以上)寝かせることによって焼酎と水が馴染み、まろやかな味わいになります。これを酒器に入れて弱火で温めて飲みます。

「ヂョカ」とは、鹿児島の代表的な伝統酒器。ひらべったい急須のような形をしています。昔は、このヂョカに前割りした焼酎を入れ、各家庭の火鉢や囲炉裏に直火でかけ、ひと肌に温めていたそうです。

ヂョカの興味深いところは、焼酎を注ぎ終わった後に水や洗剤で洗わないこと。飲んだ後はそのままの状態で保管します。使い込めば使い込むほど、焼酎の味がヂョカに移って「水だけ温めても焼酎の味がする」までにするのがよいといわれています。

ヂョカで前割りするときは、一般的に焼酎と水の割合は6:4が目安。何回か飲んでいるうちに、自分好みの濃さに調整していきましょう。

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いろいろな酒器で飲みたい焼酎!

ストレートやロックといったシンプルな飲み方から、水や炭酸で割る方法、前割りのように水と馴染ませてから温める方法と焼酎の飲み方は様々。飲み方にあった酒器を選べば、さらにたのしめます。

ガラスのグラスだけでなく、各地の伝統的な陶器や磁器の酒器があるので、その土地の焼酎にはその土地の酒器を使ってみましょう。

ちなみに、陶器は吸水性があるため、長く使っていると入れたものの色が染みこんでしまいます。それを防ぐために、使い始めには煮沸するのがおすすめです。煮沸した酒器をさまし、サッと水洗いしたらしっかり乾かします。

好きな焼酎を見つけるのと同じように、好きなマイ酒器を集めて焼酎をたのしみましょう。

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