蔵やお酒の歴史に思いを馳せて…長期熟成の古酒を飲む

蔵やお酒の歴史に思いを馳せて…長期熟成の古酒を飲む

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明確な定義のない日本酒の古酒

焼酎や泡盛と同じく、日本酒にも古酒があるのを知っていますか? 古酒は絞りたての新酒と比べ、ブランデーのような香りや色、その複雑な味わいが魅力です。江戸時代までは日常的に飲まれていましたが、明治時代の重い酒税により古酒は廃れてしまいました。しかし、最近になって再び古酒を手掛ける蔵元も増え注目されています。

じつは、古酒にははっきりとした定義はありません。通常は、酒造年度(7月から翌年6月末)を基準に、その年度に造り、次の年度が始まる前までに出荷された酒を「新酒」、次の年度中に出荷されたものを「古酒」、さらに1年以上経過したものを「大古酒」と呼んでいます。古酒の製造メーカーによる「長期熟成酒研究会」では、「満3年以上蔵元で熟成させた、増醸酒を除く清酒」を「長期熟成酒」と定義しています。古酒をいただく際には酒造年度をチェックして、どのくらいの年月を経ているものなのか確認しながら、味わいをたのしみましょう。

また、古酒は熟成年月も重要ですが、熟成温度によっても味わいが変わってきます。たとえば、本醸造酒や純米酒を常温熟成した場合、熟成を重ねるにつれ、色や香り、味が変化し個性豊かな1本になります。吟醸酒や大吟醸酒を低温熟成した古酒は、元の吟醸酒のよさを残しながら、ほどよい苦味と香りのあるものになります。

貯蔵年月によって味わいが変わる古酒の魅力

一口に古酒といっても、先に紹介した「古酒」「大古酒」といった分け方から、「長期熟成酒」のようなものまで、さまざまな種類が存在します。「同じ銘柄の新酒と1年経ったものを飲み比べる」「3年以上で味わいが複雑になったものを飲み比べる」など、いろいろたのしめるのも古酒の魅力です。

色は、年月を経るにつれて、淡い黄金色から琥珀色、中にはルビー色にまで変化し、新酒の透明な色と比べると、はっきりと違いがわかります。味わいは、カカオやキャラメル、シナモンなどのような、甘さを含んだ味わいが際立ってきます。酸味、甘味などの調和が取れたその味わいは非常に深く、口に含んだ時のやわらかな広がりと、飲み込んだ後の余韻も豊か。ワイングラスなどで香りをたのしみながら飲むのもおすすめです。

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自分だけの古酒を育てる

古酒は手間と時間がかかっている分値段も上がりますが、自宅でも簡単に日本酒を熟成させることができます。まずは、どんな古酒に育てるかで日本酒を選びましょう。気品のある淡熟タイプなら大吟醸酒か吟醸酒を低温で。しっかりした濃熟タイプなら純米酒か本醸造酒を常温熟成がよいでしょう。劣化しやすい「生酒」や「生詰め」は避けてください。できれば無濾過タイプなど、多少甘口で酸度のあるものの方が味の変化をたのしめるでしょう。

重要なポイントが、日本酒の大敵、紫外線対策。日光を避けるために新聞紙でぐるぐる巻きにしましょう。新聞紙は遮光性、吸湿性に優れている上、仕込んだ日が分かって便利です。そのまま立てた状態で冷暗所に保存します。お子さんが生まれた年に仕込んで、20年後の成人する年に家族で封を開ける、そんな未来に向けての古酒造りもいいですね。

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