ビールの世界シェアはどうなっている?

ビールの世界シェアはどうなっている?
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ビールの世界シェアでトップの座を占めているのは、どの国の、どのメーカーでしょう? また、日本の大手ビールメーカーはどの程度のランクでしょうか? 今回は、ビールの世界シェアに関するさまざまな疑問にお答えすべく、現在の最新データを調べてみました。

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ビールの世界シェアをめぐる動向

ビールの世界シェアをめぐる動向

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世界のビールシェアはTOP3が生産量の約半分を占める

世界のビールシェアについて調べてみると、2020年1月現在、確認できた最新のデータは2017年末時点でのもの(※)です。
このデータによると、ビールの世界シェア(生産量ベース)をめぐる争いは、1位がベルギーの「アンハイザー・ブッシュ・インベブ」、2位にオランダの「ハイネケン」、3位に中国の「華潤雪花(China Resources Snow Breweries)」と続き、このTOP3だけで世界のビール生産量の約50パーセントを占めています。とくに、「アンハイザー・ブッシュ・インベブ」は他を大きく引き離し、単独で31.4パーセントものシェアを誇っています。
ちなみに、4位にはデンマークの「カールスバーグ」、5位にはアメリカの「モルソン・クアーズ」が続いています。

※ドイツのホップメーカー、Barth Hass Groupの発表ならびに各企業の決算データをもとに算出

世界シェアにおける日本のビール会社のランキングは?

世界のビールシェアにおいて、日本のビールメーカーのなかでは、7位に「アサヒビール」が、10位に「キリンビール」がランキング入りしています。とはいえ、両者のシェアはそれぞれ3.0%と1.5%。グローバルなシェア競争では出遅れた感があります。
国内市場が人口減少などによって縮小傾向にあるなか、今後は日本のビールメーカーも、グローバル市場への進出を積極化していくものと見られています。

ビールの世界シェアTOP3(1)アンハイザー・ブッシュ・インベブ

ビールの世界シェアTOP3(1)アンハイザー・ブッシュ・インベブ

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世界シェアトップのビール会社「アンハイザー・ブッシュ・インベブ」とは

ビールの世界シェアで断トツの1位を誇る「アンハイザー・ブッシュ・インベブ」は、ベルギーのルーヴェンを本拠とする酒類メーカーで、世界50カ国以上もの国々に製造拠点を持つグローバル企業です。
代表的なビール銘柄としては「ステラ・アルトワ」が有名ですが、現在では「バドワイザー」や「コロナビール」など、世界各国の有名ブランドを束ねる、まさに世界No.1のビールメーカーです。

相次ぐM&Aで世界シェアNo.1の座に

同社は、2008年に当時、世界シェアNo.2だったベルギーの「インベブ」が、世界シェアNo.3だったアメリカの「アンハイザー・ブッシュ」を買収したことで誕生。当時、ビールメーカーとしては過去最大規模の買収額で話題となりました。
これにより一挙にシェアN.o.1の座を獲得した後も、2016年にイギリスの「SABミラー」を買収するなど、積極的にM&Aを繰り返すことで、現在も他の追随を許さない高いシェアを維持しています。

ビールの世界シェアTOP3(2)ハイネケン

ビールの世界シェアTOP3(2)ハイネケン

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ビールの世界シェアで2位の「ハイネケン」は、1863年創立のオランダを本拠とする老舗のビールメーカー。現在では、世界100カ国以上に製造拠点を持つグローバル企業となっています。
その主力ブランドの「ハイネケン」は、世界170カ国以上の国で販売されており、日本でも海外ビールの定番としてすっかりおなじみとなっています。

積極的な広告展開で世界的な知名度を獲得

「ハイネケン」もまた、2008年にデンマークの「カールスバーグ」と共同でイギリスのビール大手「スコティッシュ・アンド・ニューカッスル」を買収するなど、1位の「アンハイザー・ブッシュ・インベブ」と同様、積極的なM&A戦略でシェアを拡大してきました。
また、「ハイネケン」は、F1やUEFAチャンピオンズリーグ、ラグビーワールドカップなど、世界的なビッグイベントのスポンサーを務めるなど、グローバルな広告展開で認知度を高め、世界市場における存在感を高めています。

ビールの世界シェアTOP3(3)華潤雪花

ビールの世界シェアTOP3(3)華潤雪花

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中国最大のビールメーカー「華潤雪花」

ビールの世界シェアで3位にランキングされる「華潤雪花(China Resources Snow Breweries)」は、「雪花ビール(スノービール)」のブランドで知られる中国最大のビールメーカーです。
日本ではあまりなじみがありませんが、中国では「青島ビール」と並んで親しまれているビールで、その味わいに加えて、価格の安さからも多くの人々に親しまれているビールです。

中国の巨大マーケットを背景に成長

現在、中国はビールの消費量が世界ナンバーワン。巨大な人口と急激な経済成長を背景に、中国国内のビール市場は大きく成長しています。
そのため、「華潤雪花」以外にも「青島ビール」が6位、「燕京ビール」が8位にランクされていて、その巨大市場に世界が注目しています。

ビールの世界シェアをめぐる争いは、ますます激しさを増し、あっと驚くような買収劇によって大きく変化します。そんな環境のなか日本のビールメーカーの健闘も期待されます。今後の推移を見守りましょう。

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