生協で限定販売の「林檎学校シードル B組」は、廃校校舎で造られるシードル。残渣もりんごレザーの原料に

生協で限定販売の「林檎学校シードル B組」は、廃校校舎で造られるシードル。残渣もりんごレザーの原料に

長野県上水内郡飯綱町の「林檎学校醸造所」は、廃校した小学校の元職員室でシードルを製造しています。シードル製造時に発生するりんごの残渣を有効活用するために、りんごレザーの原料として地元企業に提供。このたび、長野県産のりんごを使用して廃校醸造所で造られたシードルが生協で数量限定発売されます。

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地元長野のりんごと廃校を活用した地域活性化プロジェクトで生まれた「林檎学校醸造所」

林檎学校醸造所

林檎学校醸造所とは

林檎学校醸造所は、北信五岳シードルリー株式会社(代表取締役 CEO 小野司氏)が運営するシードル醸造専門の醸造所です。

林檎学校醸造所が廃校した小学校に醸造所を構えた理由

地方では児童数が減少し廃校になる学校も少なくありません。

北信五岳シードルリー株式会社代表の小野さんたちが、シードル造りを始めようと考えていた時に、地域に目を向けると廃校になった小学校が目に入り、廃校でありながら人を引き寄せる不思議な魅力があることに気づかされ、廃校活用に名乗りを上げたのが始まりだそうです。

林檎学校醸造所がある廃校になった旧三水第二小学校

林檎学校醸造所がある廃校になった旧三水第二小学校

“子供たちがいなくなった廃校の一部を活用して醸造所を設け、手作りのりんご酒「クラフト・シードル」を造ることで、新たに大人たちにも学校にきてもらおうという新しい取組みです。”

林檎学校醸造所がある廃校になった旧 三水第二小学校

*画像はイメージです。 keyphoto/ PIXTA(ピクスタ)

“子供たちが去った校舎に賑わいを取り戻し、30代、40代を中心に人気がある、りんごのお酒「シードル」で話題を創り、地域の特産品になることも目指しています。”

廃校を活用したシードル醸造所は日本で初めてであり、世界的にも大変珍しい取組みだそうです。

また、小野さんたちの事業はシードルを醸造・販売するだけではありません。

“将来的に自らのブランドのシードルを持ちたいと考えている、たとえばりんご農家の次代の担い手には、私たちのシードル醸造に積極的に関わっていただき、造りを学んでもらいたいとも考えています。”

“林檎学校醸造所の事業は、「造り」だけではなく、「育む」も同時に進めていき、シードル文化を広げ、りんご産地の新たな未来を創っていくことも視野に入れています。”

りんご市場活性化への取組み

シードルの原料 りんご

*画像はイメージです。ikeda_a/ PIXTA(ピクスタ)

“果実の中で2番目に生産量の多いりんごは、日本の食文化には欠かせない果物です。しかし、現実を見ると、年齢が若くになるにつれて、りんごの消費量の低下が顕著になっています。”

さらに農家の高齢化で農業をやめる方々が増え、りんご畑は毎年1%ずつ減少しているそうです。

このような状況を放置していると、りんご農家を継ごうという若手がいなくなるのではと危惧されます。

“一方、「シードル」の市場はというと、日本のシードル市場はここ数年で確実に成長しています。欧米では日本以上の高い成長率を見せ、シードルは日常的なアルコール飲料として定着しています。りんごを原料とするこのシードルを、日本の食文化にしっかりと定着させることで、りんごに新たな付加価値が生まれます。”

シードルに適したりんごを育て、日本や世界各地にシードルを販売することで、長野のこの地域の味覚と観光的魅力を伝えていきたいといいます。

りんご残渣を有効活用したりんごレザー®とは

林檎学校醸造所の小野さんとりんご残渣

林檎学校醸造所の小野さんとりんご残渣(左下)

りんごレザー®とは

りんごを原料としたジュースやシードルを製造する際に、最終的にりんごの搾りかすが残ります。

これまで、りんごの搾りかすは、飼料や肥料原料として処理されてきましたが、長野県長野市の株式会社SORENA(代表取締役 伊藤優里氏)は、りんご残渣を地域や環境のために何かできることはないかと考え、合成皮革の「りんごレザー®」という素材を日本で初めて開発し、財布やバッグなどを製造販売する取組みを進めています。

*りんごレザーは、株式会社SORENAの登録商標です。

りんごレザー

出典:株式会社SORENA

“このりんごレザーに使用しているのは、飯綱町にあるシードル醸造所「林檎学校醸造所」などから提供された、りんごの搾りかすです。”

“地域の循環型環境配慮事業として、長野県産のりんごの搾りかすを使用しているりんごレザーは、りんご残渣を粉末化し、合皮材料に混合して作る新しい素材です。”

「RINGO LEATHER SUPPLIER」とは

“林檎学校醸造所のシードルの裏ラベルには、「RINGO LEATHER SUPPLIER」という印字があります。”

林檎学校醸造所のシードル

“これは「シードルの製造工程ででた残渣がりんごレザー®になっています」という意味が込められています。”

りんごレザーの特徴

“りんごレザーは、植物由来であるにもかかわらず、従来の合皮に劣らず耐久性や耐水性が強いのも特徴です。”

りんごレザー お財布

“特にお財布は毎日使うもの。長時間の使用にもしっかり耐えられる素材です。りんごレザーは環境や人に配慮しながらも、抜群の機能性が魅力となっています。”

“汚れに強いだけでなく、加水分解が起こりにくいため、表面がひび割れたりボロボロになることの少ない、とても扱いやすいレザーなんです。”

“飯綱町で収穫されるりんごの生産量は全国の約1%で、とても美味しいりんごが生産されています。飯綱町で育ったりんごが、飯綱町のシードル醸造所で搾りかすとなり、りんごレザーに生まれ変わります。新たな社会問題解決への道筋のひとつとして、次世代につながる取組みになっています。”

りんごレザーの取組みはこちらから
https://voix.jp/life/feature-release/11277/

今回、生協で限定販売されるシードルは、コープデリの宅配と店舗で購入できます

今回限定発売されるシードルの特徴

林檎学校シードル B組

生協で限定発売される林檎学校醸造所のシードルの商品名は、「林檎学校シードル B組」です。

原料のりんごは、林檎学校醸造所がある長野県飯綱町で収穫された「ふじ」と「グラニースミス」を使って製造されています。

「ふじ」の特徴は、果汁が豊富で味のバランスが良く、甘味と香りがしっかりとしています。
「グラニースミス」は、豊かな酸味としっかりした歯ごたえのある青りんごです。

長野県飯綱町 グラニースミス ふじ

*画像はイメージです。 White Clover/ PIXTA(ピクスタ)

この二つの原料を使い、「林檎学校シードル B組」は醸造されています。
醸造されたシードルの味わいは、甘さが抑えられた辛口タイプです。

「林檎学校シードル B組」を購入するには

この「林檎学校シードル B組」は、販売本数が1,200本限定で、生活協同組合のコープデリの宅配チラシと取取扱いのある店舗限定発売になります。
*お取り扱いのない店舗もありますので、ご了承ください。

林檎学校シードル B組

「林檎学校シードル B組」商品概要

商品名:林檎学校シードル B組
原材料名:りんご/ふじ、グラニースミス(長野県飯綱町産)
品目:果実酒(発泡性)①
アルコール分:7%
容量:330ml
販売価格:980円(税別)
製造者:北信五岳シードルリー株式会社
    https://5gaku.com/
製造所:林檎学校醸造所


※今回お届けした情報は記事執筆時点のものです。ご利用の際は状況が異なる場合がありますのでご注意ください。
※緑色の箇所は以下の出典から引用しています

出典:
林檎学校醸造所について
CF信州「リンゴ産地の廃校からシードル文化を発信したい!日本初の廃校活用型シードル醸造所」
りんごレザー取組について
株式会社PRTIMES「長野県飯綱発・日本で初めてのりんごレザーを使った財布を12月22日期間限定販売開始!」(株式会社SORENAプレスリリース 2022年12月21日)

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