<都心から日帰りできるワイナリー> 埼玉・秩父「兎田ワイナリー」/見学後は郷土料理とのペアリングも

<都心から日帰りできるワイナリー> 埼玉・秩父「兎田ワイナリー」/見学後は郷土料理とのペアリングも

都心からほど近く、日帰り可能な秩父にある『兎田(うさぎだ)ワイナリー』。自家畑と契約農家が育てたブドウを用いてワインを醸しています。代表で醸造責任者の深田和彦(ふかた・かずひこ)さんにワイン造りについて取材した後は、郷土料理『秩父名物わらじかつ』とのペアリングもたのしむことができました。

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ひと品目は秩父名物のわらじかつを載せた丼。ワインとの相性を高めるためにフレッシュトマトを添えています。
「かつにかけるタレは、赤ワインとバルサミコ酢を効かせていて、さっぱり目に仕上げています」と中村さん。

ワインは秩父市収穫のマスカット・ベーリーA100%の赤。
「優しい甘さを感じられる程度で発酵を止め無濾過で瓶詰めすることで、フルーティなワインに仕上がっています。さら2019年は若々し過ぎず少し落ち着いた味わいで、お料理にもよく合うんですよ」。

タレの甘辛さとワインの優しい甘さが絶妙に重なっているという感想。トマトの酸味が口の中を整え、次のワインと料理を呼んで食事が進むという組み合わせでもありました。

『2019秩父ルージュ 秩父市収穫 にごり無濾過ワイン』(120㎖/700円)。

ホエーうどん×秩父ロゼ&秩父ブラン

『秩父やまなみチーズ工房のホエーうどん』(980円)。

続いては創作料理。
「食堂の向かいにある『秩父やまなみチーズ工房』さんから、新鮮なホエーを届けていただけるからできるオリジナル料理です」。
出汁をチーズ作りの際にできるホエーで割っているため、ちょっと酸味がありクセになってしまう味わいです。

この一風変わったうどんに合わせるのは、皮が薄く傷みやすいため秩父以外にはほとんど出回らない生食用ブドウ・ちちぶ山ルビーを醸したワイン。
「ちちぶ山ルビーをそのまま齧ったようなフレッシュな甘酸っぱさが特徴」で、確かに出汁とワインが酸味でつながる感覚を体感することができました。

『秩父ロゼ ちちぶ山ルビー 秩父収穫』(120㎖/800円)。

うどんを平らげようとした瞬間、中村さんからストップのサインが。そうこのペアリングにはまだ続きがありました。続いてグラスに注がれたのは白ワインなのですが、かなり琥珀色を帯びていて、香りもスモーキーで個性的です。

「ウイスキーの熟成に使った樽をワインの熟成に使った「ウイスキー樽熟成」と、独特な香りを出すためにミズナラのオークチップをローストして漬け込んだ「ミズナラオークチップ浸漬」をブレンドした白ワインです」。さらに、
「ウイスキーの香りと余韻をたのしむことができる兎田ワイナリーならではのワイン。ホエーうどんと合わせると不思議とまろやかな味になり、お互いの酸味と甘みをバランスよく引き出してくれると思いますよ」とペアリングのポイントも。食後酒にチーズを合わせるような不思議な感覚の組み合わせで、幸せな気持ちになれました。

※料理とワインの価格は取材時のもの(税込み)。
※今回登場したワインの在庫には限りがあります。もし販売終了になっていても新しいペアリングを提案してくれるので、相談してみてください。

『2019秩父ブラン 秩父市収穫 プレミアムキュベ』(120㎖/900円)。香りをよりたのしめるようにと大ぶりのグラスで供されました。

都心からちょっと足をのばせば見学できるワイナリーはいかがでしたか? 兎田ワイナリー付近は“フルーツ街道”と呼ばれていて、ブドウ以外のフルーツを醸したワインも美味。秩父はライン下りで有名な長瀞など見所も多いエリアなので、観光もかねて訪れてみるのがおすすめです。

兎田ワイナリー
埼玉県秩父市下吉田3720
※直売所は下記『秩父うさぎだ食堂』併設
TEL/0494-26-7173
営業時間/9:00~17:00(直売所は10:00~)
定休日/月
アクセス/西武鉄道西武秩父駅よりタクシーで25分、またはバスで40分。

兎田ワイナリーの詳細はこちら

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