「醸造アルコール」って何? なぜ使われているの? 【日本酒用語集】

「醸造アルコール」って何? なぜ使われているの? 【日本酒用語集】
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「醸造アルコール」という日本酒の副原料を知っていますか? 日本酒は、原材料に「醸造アルコール」を含むか否かによって「アルコール添加酒(アル添酒)」と「純米酒」に大別されます。製法上の役割や、日本酒の味わいにもたらす影響や魅力などを順に見ていきましょう。

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普通酒(一般酒)は、特定名称酒よりも「醸造アルコール」の比率を高くすることができます。具体的にいうと、「醸造アルコール」が米の重量の11%以上~50%以下のものは普通酒に分類されます。

普通酒の「アル添酒」には、糖類などで調味をしない「普通アル添酒」と、糖類・酸味料などを使用して味を整える「増醸酒」の2種類が存在します。通常は、「普通アル添酒」には原料米1トンに対して280リットルまで、「増醸酒」には原料米の半分の重量まで「醸造アルコール」が使用されています。

なお、これらの分類は過去の酒税法に基づくものですが、今もこの規定に従って造られている場合が多いようです。

「醸造アルコール」を使うのはなぜ?

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「醸造アルコール」で腐敗を防ぐ

日本酒造りで怖いのは、醪の腐敗です。江戸時代ころには、火落ち菌などの雑菌の混入による腐敗を防ぐためにアルコールを添加して度数を高め、酒質の安定がめざされていました。

しかし、ほとんどの雑菌は高アルコール下で死滅するものの、火落ち菌にはアルコール耐性があるため、アルコール添加だけで防ぐのは不十分であったといえます。

品質管理技術が向上した近年は、火入れの温度管理や道具の洗浄・殺菌、蔵人に衛生管理を徹底させることで、火落ち菌などを防いでいます。そのため、近年は腐敗防止を主目的として「醸造アルコール」を添加することは少なくなっているようです。

「醸造アルコール」で華やかな香りに

「醸造アルコール」を醪に添加することで、華やかな香りの日本酒に仕上がるといわれています。日本酒の香り成分は水よりもアルコールに溶けやすいため、米と米麹と水だけで造られる純米酒よりも「醸造アルコール」が添加された「アル添酒」のほうが香りを感じやすくなるようです。

香りも重要なチェックポイントとされる鑑評会用の日本酒に、アル添していない「純米大吟醸酒」ではなく、「醸造アルコール」が添加された大吟醸酒が多いのはこのためです。

「醸造アルコール」は味を軽やかにする

「醸造アルコール」は、アルコール度数約95度の純度の高い蒸溜酒。連続式蒸溜機で繰り返し蒸溜される過程で不純物のほとんどが取り除かれているため、味や匂いはほとんどありません。このほぼ無味無臭の「醸造アルコール」を添加することで、日本酒の味わいにキレが出て、すっきりとした軽やかな飲み口になるといわれています。

「醸造アルコール」は蒸溜したての高アルコールのまま添加されるわけではなく、水を加えて30度前後に度数調整してから使用されるのが一般的です。

「醸造アルコール」でコストを抑えながら質を求める

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