「おりがらみ」とはどんな日本酒? にごり酒とどう違う?

「おりがらみ」とはどんな日本酒? にごり酒とどう違う?
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「おりがらみ」とは、もろみを搾ったあとの日本酒に浮いている「おり」を取り除かずに出荷されるお酒のことです。「おりがらみ」には、一般的な日本酒とは一味違う魅力があります。今回は、「おりがらみ」の特徴やにごり酒との違い、おすすめの飲み方や銘柄などを紹介します。

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「おりがらみ」は「おり」を残したお酒

「おりがらみ」は「おり」を残したお酒

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「おりがらみ」の特徴

「おりがらみ」の「おり」とは、もろみを搾ったあとのお酒に残っている、ごく細かい米や酵母といった固形物のことです。酒造りの工程では、通常、搾りのあとに貯蔵タンクのなかで「おり」を沈殿させる「おり引き」や「ろ過」を行って「おり」が取り除かれますが、「おりがらみ」ではこれらの工程は行われず、「おり」を残したまま出荷されます。

「おりがらみ」は薄くにごっていて、米や酵母由来のコクのある味わいを存分にたのしめるのが特徴です。「火入れ」と呼ばれる加熱処理を一度も行わずに出荷される生酒の場合、微発泡が感じられるものもあります。

「おりがらみ」は「澱酒(おりざけ)」「かすみ酒」とも呼ばれ、多くは新酒が出回る晩秋から冬にかけて出荷されます。

「おりがらみ」とにごり酒の違い

白くにごったお酒というと、にごり酒を思い浮かべる人も多いことでしょう。白濁しているという共通点から「おりがらみ」もにごり酒の一種と見なされることもあります。

とはいえ、「おりがらみ」とにごり酒では搾り方が異なります。「おりがらみ」では通常どおりに搾りますが、にごり酒では、もろみを搾る際にわざと目の粗い袋やフィルターを使用して「おり」を残します。そのため、「おりがらみ」とにごり酒は違うものとして分類されることもあるようです。

「おりがらみ」のように、にごりのあるお酒

にごり酒には、「おりがらみ」のほかにもさまざまな種類があります。違いを覚えておくと、選ぶときに役立つでしょう。代表的なにごり酒を2つ紹介します。

◇活性にごり酒
目の粗い袋やフィルターを使用してもろみを搾ったあと、火入れをせず、酵母を生かしたまま瓶詰めしたもの。シュワッとした発泡性の刺激があり、さわやかなのどごしをたのしめます。冷蔵が必須で、開栓時には注意が必要です。

◇うすにごり・ささにごり
にごり酒のなかでもにごりの薄いものを指します。比較的あっさりとした味わいで飲みやすいのが特徴です。


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「おりがらみ」と併せて知りたい用語

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「しぼりたて」はフレッシュなお酒

「おりがらみ」と同様、新酒が出回る季節に見かける名前のひとつに「しぼりたて」があります。「しぼりたて」は、一度も火入れ(加熱処理)が行われずに生酒として出荷される場合が多いです。明確な定義があるわけではありませんが、一般的には晩秋から冬に出荷される生酒を「しぼりたて」と呼びます。

「しぼりたて」は、ほとんど貯蔵期間が設けられず、多くは火入れをされないで出荷されるため、その名前からもイメージされるように、フレッシュでキレのある味わいが特徴です。

「あらばしり」は搾り工程で最初に出てくる希少なお酒

「あらばしり」も、新酒の季節によく見かける名前です。「あらばしり」とは、もろみを搾る際に最初に出てくるお酒のこと。圧力をかける前に自然に出てくるお酒なので、少量しか取れず、希少なお酒といえます。

なお、「あらばしり」を取ったあとに、もろみに圧力をかけて搾った中間部分のお酒を「中取り(なかどり)」、さらに圧力を強めて搾り出したお酒を「責め」と呼びます。「あらばしり」「中取り」「責め」には、それぞれ以下のような特徴があります。

◇あらばしり
「おり」が混ざりやすく、やや白濁した見た目をしています。アルコール度数は低めで、荒々しくもフレッシュな味わいが魅力です。

◇中取り
透明感があり、まろやかな味わいです。香りと味わいのバランスがよく、もっとも品質のよい部分ともいわれます。「中垂れ(なかだれ)」「中汲み(なかぐみ)」とも呼ばれます。

◇責め
雑味が多くなる傾向がありますが、アルコール度数が高く濃厚な力強い味わいが特徴です。「押し切り」と呼ばれることもあります。


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「おりがらみ」の飲み方とおすすめ銘柄

「おりがらみ」の飲み方とおすすめ銘柄

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「おりがらみ」の飲み方

「おりがらみ」は、米本来の濃厚な香りや旨味が魅力のお酒です。特性を踏まえて適した飲み方でたのしめば、その魅力を存分に味わうことができるでしょう。

【「おりがらみ」に適した温度】

冷酒や冷や(常温)で飲むのが一般的です。そのまま飲むのはもちろん、炭酸などで割ってもおいしく味わえます。一方、燗をつけるとコクが増し、より濃厚な味わいとなるため、冬などはお燗にするのもおすすめです。

【「おりがらみ」の「おり」の飲み方】

「おりがらみ」は、瓶のなかで「おり」が沈殿し、「おり」の溜まった部分と上澄みの部分に分かれるという特徴があります。上澄みの部分だけを飲めばすっきりとクリアな味わいがたのしめるでしょう。沈殿した「おり」を混ぜ合わせれば、とろりとした口当たりに変化します。「おり」ごと飲むか「おり」と分けて別々に飲むか、2とおりの味わい方ができるのも「おりがらみ」の魅力といえるでしょう。

「おりがらみ」のおすすめ銘柄

「おりがらみ」は全国各地の蔵元で造られていて、冬は期間限定の商品も多く出回ります。ここでは、人気銘柄2つを紹介します。

【豊醇無盡(ほうじゅんむじん)たかちよ 扁平(へんぺい)精米おりがらみ しぼりたて生原酒 (緑ラベル)】

「豊醇無盡たかちよ 扁平精米おりがらみ しぼりたて生原酒 (緑ラベル)」は、新潟県の蔵元、髙千代酒造が醸す冬限定のお酒です。「おりがらみ」ならではの濃厚な味わいとともに感じられる、グレープフルーツのようなフルーティーさが魅力です。

製造元:髙千代酒造株式会社
公式サイトはこちら

【豊能梅(とよのうめ) 純米吟醸 おりがらみ生酒】

高知県の蔵元、高木酒造が醸す「豊能梅 純米吟醸 おりがらみ生酒」は、搾りたての純米吟醸に「おり」を絡めたお酒。フルーティーな香りと生酒ならではのフレッシュな味わいが魅力です。さわやかな炭酸感があり、少し冷やして飲むのがおすすめです。

製造元:高木酒造株式会社
公式サイトはこちら

「おりがらみ」やにごり酒は、米本来の濃厚な香りや旨味が感じられるお酒です。冬は期間限定の「おりがらみ」も多く出回るため、ぜひチェックしたいですね。

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