ウイスキー好きなら知っておきたい! スコッチとバーボンの違い

ウイスキー好きなら知っておきたい! スコッチとバーボンの違い
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ウイスキー初心者が抱く疑問のひとつに、「スコッチとバーボンの違い」があります。どちらもウイスキーですが、はたしてこの2つにはどんな違いがあるのでしょうか。今回はスコッチとバーボンの違いについて、詳しく見ていきましょう。

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ウイスキーのスコッチとバーボンの違いを改めて確認!

ウイスキーのスコッチとバーボンの違いを改めて確認!

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そもそもウイスキーってどんなお酒?

スコッチとバーボンの違いを知る前に、改めてウイスキーの概要を確認しましょう。

ウイスキーとは、穀物を原料として、糖化、発酵、蒸溜を行い、木製の樽で貯蔵熟成させたお酒のことです。カテゴリーとしては焼酎や泡盛、ブランデーなどと同じ「蒸溜酒」に分類されます。

ウイスキーのおもな産地は、アイルランド、スコットランド、日本、アメリカ、カナダの5か国で、「世界の5大ウイスキー」と呼ばれています。原料や製法、熟成年数などは、国によって異なる定義が定められています。

それでは、スコッチとバーボンについて見ていきましょう。

スコッチとは? 特徴と定義を確認

スコッチとは、スコットランドで造られるウイスキーのこと。スコットランドには、「6大産地」と呼ばれるウイスキー造りの盛んな地域があり、それぞれで個性豊かなウイスキーが生産されています。
共通する大きな特徴は、スコッチにはスモーキーフレーバーのある銘柄が多いこと。スコッチの製造工程には、「ピート」と呼ばれる泥炭で原料を燻す工程があるため、ウイスキーに独特の香りがついているのです。

なお、スコッチは、イギリスの法律によって以下のような条件が規定されています。

◇スコットランド国内で製造
◇穀類を原料として、酵母によって発酵させる
◇アルコール分94.8%未満で蒸溜
◇容量700リットル以下のオーク樽で最低3年以上熟成させる
◇瓶詰めするアルコール度数は40度以上

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バーボンとは? 特徴と定義を確認

バーボンとは、かんたんにいえばとうもろこしを主原料としたアメリカ産のウイスキーです。バーボンという名称は、アメリカのケンタッキー州バーボン郡で生まれたことに由来しているといわれています。

バーボンは、アメリカの法律によって以下のような条件が定められています。

◇アメリカ国内で製造
◇原料となる穀物のうち、とうもろこしの比率が51%以上
◇アルコール度数は、蒸溜時で80%以下、瓶詰め時で40%以上
◇内側を焦がした新品のオーク樽で2年以上熟成させる

なお、バーボンはアメリカンウイスキーの代名詞とも呼べる存在ですが、「バーボン=アメリカンウイスキー」ではないため注意が必要です。アメリカではバーボン以外にも、さまざまなウイスキーが造られています。

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同じウイスキーでも、スコッチとバーボンの原料・製法は異なる

同じウイスキーでも、スコッチとバーボンの原料・製法は異なる

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スコッチとバーボンの違い1「原料」の条件

スコッチの主原料は大麦麦芽(モルト)です。スコッチには、大きく分けて、大麦麦芽だけで造られる「モルトウイスキー」と、とうもろこしなどの穀物を主原料とする「グレーンウイスキー」の2種類がありますが、グレーンウイスキーにも一定の割合で大麦麦芽を使用することが義務づけられています。

これに対して、バーボンの主原料はとうもろこしです。原料のうちの51%以上をとうもろこしが占めることと定められています。

スコッチとバーボンの違い2「製法」

スコッチのモルトウイスキーは、通常「単式蒸溜機」を使用して2~3回蒸溜を繰り返すことで造られます。単式蒸溜機は、1回ずつ蒸溜するタイプの蒸溜機で、原料の風味が強く残りやすいのが特徴です。
一方、おもにブレンドに用いられるグレーンウイスキーの製造には、「連続式蒸溜機」が使われます。連続式蒸溜機は、連続的に蒸溜できる効率のよい蒸溜機で、単式蒸溜機よりもアルコール度数が高く、すっきりクリアな味わいに仕上がるのが特徴です。蒸溜時のグレーンウイスキーのアルコール度数は90度以上。ただし、イギリスの法律により、アルコール分94.8%以下で蒸溜することと定められています。

バーボンも、スコッチのグレーンウイスキーと同様に、連続式蒸溜機が使用されています。ただし、アメリカの法律に従って、アルコール度数が80%以下になるように蒸溜する必要がある点が異なります。

スコッチとバーボンの違い3「熟成樽」

スコッチとバーボンは、熟成する樽にも違いがあります。

スコッチを熟成させる際は、シェリーやワイン、バーボンなどの貯蔵に使用された古樽を使います。使用済の樽を使うことで、ウイスキーの香りや味わいに複雑さが生まれるのがスコッチの特徴です。

一方、バーボンでは基本的に新品の樽を使いますが、樽の内側をバーナーで焦がしてから使用するのが一般的です。この工程が、バーボン特有の野性味あふれる味わいを造り出しています。

なお、熟成期間はバーボンよりスコッチのほうが長めです。

スコッチとバーボン、味わいの違いとたのしみ方

スコッチとバーボン、味わいの違いとたのしみ方

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スコッチとバーボン、味わいの違い

同じウイスキーでありながら、いろいろな違いがあるスコッチとバーボン。当然ながら、味わいもそれぞれ異なります。

スコッチは一度使用された古樽を使うため、樽の影響を受けにくいのが特徴。また、熟成がゆっくり進むため、ほのかな甘味のまろやかな味わいに仕上がります。スコッチの甘味は、上品な甘さ、複雑な甘さとも表現されます。

一方のバーボンは、焦がした樽の影響を受けて、はっきりした味わいになります。樽由来のバニラのような甘味や香ばしさ、力強さを、よりダイレクトに感じられるのが特徴です。

日本のウイスキーはスコッチとバーボンのどちらに近いの?

それぞれ違う特徴を持ったスコッチとバーボン。ところで、日本のウイスキーはどちらに近いのでしょうか。

一般的に、ジャパニーズウイスキーは、スコッチの流れを汲んで独自の発展を遂げたといわれています。ジャパニーズウイスキーを語るうえで欠かせないのが、ニッカウヰスキーの創業者・竹鶴政孝氏と、サントリーの創業者・鳥井信治郎氏です。最後に、スコッチとの関係をかんたんに紹介しましょう。

【ニッカウヰスキーの創業者・竹鶴政孝氏とスコッチ】

ニッカウヰスキーの創業地である余市蒸溜所は、スコットランドを彷彿とさせる寒冷な土地にあります。ウイスキー造りに必要な条件をそろえた「理想郷」ともいえる地で、力強いモルト原酒が造られ続けています。また竹鶴氏がこだわったのが、今も宮城峡蒸溜所で稼働を続けている「カフェ式連続式蒸溜機」です。日本で初めて導入後、念願の日本産ブレンデッドウイスキー「スーパーニッカ」が誕生しました。

ジャパニーズウイスキーの味わいを造った竹鶴政孝氏
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【サントリーの創業者・鳥井信治郎氏とスコッチ】

鳥井信治郎氏の挑戦により本格国産ウイスキー第1号として誕生した「白札」や、翌年開発された「赤札」にも、スコッチウイスキーの影響が色濃く表われています。世代を超えて愛されるサントリーの「角瓶」には、鳥井氏の「スコッチに負けないウイスキーを日本で造り出したい」という情熱が込められています。

鳥井信治郎氏が日本ウイスキー史に果たした役割とは? 【ウイスキー用語集】

同じウイスキーであっても、スコッチとバーボンはそれぞれ違う魅力を持っています。違いを知るには、スコッチとバーボンを飲み比べてみるのがいちばん。それぞれの違いを意識しながら、じっくりと味わってみてはいかがでしょう。

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