「にごり酒」はどんな日本酒? 改めて定義を知ろう【日本酒用語集】

「にごり酒」はどんな日本酒? 改めて定義を知ろう【日本酒用語集】
出典 : Shaiith / Shutterstock.com

「にごり酒」とは「濁り酒」の文字どおり、白く濁ったお酒のこと。ただし、濁ったお酒がすべて「にごり酒」というわけではありません。にごり酒とはどんなお酒か、その定義や魅力を日本酒ビギナーにもわかりやすく解説していきます。

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「にごり酒」の定義は、見た目でなく製法にあり

「にごり酒」の定義は、見た目でなく製法にあり

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「にごり酒」とはどんな日本酒?

「にごり酒(濁り酒)」とは、白く濁った日本酒のこと。なぜ白濁しているかと言うと、発酵させた醪(もろみ)をろ過する際に、粗い布などで濾すことで、あえて澱(おり)を残しているためです。
この澱は、酵母や溶け残った細かい米麹などで、にごり酒ならではの芳醇な香りと味わい、食感などのもとになります。

濁っていても「にごり酒」ではないお酒も

「にごり酒」と聞いて、「どぶろく」や「甘酒」を思い浮かべる人もいるでしょう。では、これらも「にごり酒」の一種かと言うと、酒税法上はそうではありません。
酒税法では、日本酒(清酒)を「米、米麹および水を原料として発酵させて、濾したもの」と定義していますが、「どぶろく」は醪を濾さずにそのまま飲むもの。酒税法上「日本酒」には含まれません。
また、「甘酒」はアルコールを含んでないので(正確にはアルコール度数1パーセント未満)、そもそもお酒ではありません。

「どぶろく」は日本酒じゃない!? 「どぶろく」とは何か【日本酒用語集】

「にごり酒」の日本酒いろいろ

「にごり酒」の日本酒いろいろ

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「にごり酒」にはいろいろなタイプがある

「にごり酒」と一口に言っても、さまざまな種類があります。
生きたままの酵母を残して瓶内で発酵させる活性タイプもあれば、「火入れ」と呼ばれる加熱処理で酵母のはたらきを止めたタイプもあります。また、濁りの度合いによって呼び方を変える場合もあります。
ここでは代表的なにごり酒の種類と、その特徴を紹介しましょう。

【活性にごり酒】

醪を濾したあと、火入れをせずに瓶詰したもの。酵母が生きたまま瓶詰めされるため、シュワシュワとした活性感があり、爽快なのどごしがたのしめます。当然ながら要冷蔵。

【うすにごり・ささにごり】

にごり酒のなかでも、白濁の度合いが少ないものを指しますが、明確な定義はありません。にごりが少ない分だけ、あっさりと飲みやすい、初心者向けのにごり酒と言えるでしょう。

【澱酒(おりざけ)・おりがらみ】

醪を搾った後、しばらく静置して澱を沈殿させることを「澱引き」と言いますが、清んだ上澄みだけでなく、あえて澱も一緒に瓶詰したものを言います。
製造法が異なるため、にごり酒の一種ではなく、違う分類とされる場合もあります。

「にごり酒」のオススメ銘柄

「にごり酒」のオススメ銘柄

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「にごり酒」のさまざまな味わいをたのしもう!

にごり酒は、しっかりと濾した日本酒とはまた異なる味わいから、近年、注目度を増していて、さまざまな蔵元が独自の工夫を凝らしたにごり酒を造っています。なかでも代表的な銘柄を紹介しましょう。

【白川郷(しらかわごう)純米にごり酒:三輪酒造(岐阜県)】

“にごり酒の蔵”として、全国的な知名度を持つのが岐阜県の三輪酒造です。代表銘柄である「白川郷 純米にごり酒」は、約1300年前からこの地の神事でふるまわれていた「どぶろく」を源流に、広く世界に広めるために開発されたものです。

「酒は濁れど想いは一点のにごりなし」、にごり酒文化を発信し続ける、岐阜・三輪酒造

【八海山(はっかいさん)発泡にごり酒:八海山酒造(新潟県)】

全国屈指の米処・魚沼を代表する地酒として知られる「八海山」の発泡にごり酒。ここちよい発泡感と、さわやかな酸味がたのしめる、すっきりした味わいが魅力です。

新潟の日本酒【八海山(はっかいさん)】質と量をともに追求した酒

【花垣(はながき) 純米 にごり:南部酒造場(福井県)】

純米酒ならではの米の旨味が濃厚なにごり酒。ほのかな甘みとやわらかな酸味のバランスが絶妙。ロックからぬる燗まで、さまざまな飲み方でたのしめます。

福井の日本酒【花垣(はながき)】造り手の顔が見える酒

「にごり酒」には幅広いタイプがありますが、初心者には、うすにごりの活性タイプが飲みやすいかもしれません。あれこれ飲んで、自分好みのにごり酒を見つけてみましょう。

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