「カスク」がウイスキー造りの決め手とされる理由は? 【ウイスキー用語集】

「カスク」がウイスキー造りの決め手とされる理由は? 【ウイスキー用語集】
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「カスク」はウイスキー用語としてよく登場する言葉。「ウイスキーの香りや味わいの鍵」などと言われる「カスク」ですが、そもそもカスクとは何で、ウイスキー造りでどう使われるのでしょう? ウイスキー初心者にもわかりやすく紹介していきます。

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「カスク」はウイスキーを熟成させる木樽のこと

「カスク」はウイスキーを熟成させる木樽のこと

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カスクがウイスキーの琥珀色をもたらす

「カスク」とは、ウイスキーの原酒を貯蔵し、熟成させる木樽のこと。
ウイスキー造りにおいて、カスクでの熟成には大きな意味があります。香りや味わいを左右するのはもちろん、ウイスキーの大きな特徴である琥珀色も、カスクによってもたらされます。
ウイスキーは、原料となる穀物を糖化・発酵させ、さらに蒸溜させて造りますが、蒸溜仕立てのウイスキーは無色透明。これをカスクで貯蔵・熟成させることで、独特の色合いが生まれるのです。

カスクでの熟成は偶然から始まった

カスクでの貯蔵は、もともとはウイスキーを保管・運搬するためのもので、熟成が目的ではありませんでした。
18世紀のスコットランドで、ウイスキーを樽のまま放置していたところ、芳醇な香りと味わいを持つ、琥珀色のウイスキーとなっていたため、そこから「熟成」という工程が生まれたのだとか。現在のような味わいのウイスキーは、こうした偶然から生まれたものなのです。

「カスク」にはどんな種類がある?

「カスク」にはどんな種類がある?

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カスクは、材料となる木や、貯蔵していたお酒で分類される

カスクの材料となる木は「オーク」、日本語で言えばナラ(楢)の木です。オークは、全世界に300種類以上ありますが、カスクに使われるのは、おもにホワイトオークやヨーロピアンオークです。日本ではミズナラ製のオークが使われることもあります。
また、ウイスキーを熟成させるカスクには「シェリー樽」や「バーボン樽」など、ほかのお酒を貯蔵していた樽を用いることがあります。樽そのものの香りと、貯蔵していたお酒の風味が樽内の原酒に溶け出し、複雑な味わいのウイスキーが仕上がります。

【シェリー樽】

ウイスキーが樽熟成されるきっかけとなったカスクが、シェリー酒の貯蔵に使われたシェリー樽です。シェリー樽で熟成すると、香り高いウイスキーが生まれると言われていますが、近年では入手が難しくなっています。

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【バーボン樽】

バーボンウイスキーの熟成は、ホワイトオークの「新樽」で行うのがルール。そこで、1回限りで“使い捨て”にされるバーボン樽は、スコッチウイスキーなどの熟成に再利用されるようになりました。バーボン樽で熟成することで、独特のフレーバーが生まれます。

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【ミズナラ樽】

ジャパニーズウイスキーのカスクとして知られているのが「ミズナラ樽」。ミズナラ樽で長期熟成させると、白檀(ビャクダン)や伽羅(キャラ)など香木のような独特の香りが生まれます。

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「カスクストレングス」「シングルカスク」など「カスク」にまつわる用語を知ろう

「カスクストレングス」「シングルカスク」など「カスク」にまつわる用語を知ろう

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カスクにまつわるさまざまなウイスキー用語

カスクはウイスキーの熟成に欠かせない存在だけに、ウイスキー用語には「シングルカスク」や「カスクストレングス」など、カスクにまつわる用語が多々あります。それぞれの意味をカンタンに説明しましょう。

【シングルカスク】

「シングル(単一)のカスク」という言葉どおり、単一のカスクで熟成されたウイスキー原酒のみをボトリングした商品のこと。
ウイスキーは、品質や味わいを調整するため、複数のカスクで熟成させた原酒をブレンドするのが一般的ですが、「シングルカスク」はそうした調整を一切していません。造り手が選りすぐった“最高の一樽”をダイレクトにたのしめる、稀少な1本です。
「シングルカスク」とよく似たウイスキー用語に「シングルバレル」があります。「バレル」も「カスク」と同じく「樽」を意味していますが、「シングルカスク」はスコッチ、「シングルバレル」はバーボンの用語として使われることが多いようです。

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【カスクストレングス】

ウイスキー用語で「カスクストレングス」には2つの意味があります。もともとは、樽のなかで熟成のピークを迎え、瓶詰めされる際のアルコール度数のこと。そこから転じて、樽から出されたままのアルコール度数で、加水されずに出荷されるウイスキーのことも「カスクストレングス」と呼びます。

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ウイスキー造りにおいて重要な役割を果たす「カスク」。そのはたらきや種類を知ると、ウイスキーをさらに味わい深くたのしめるかも。

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