辛口で人気の日本酒銘柄はコレ!

辛口で人気の日本酒銘柄はコレ!
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「辛口」の日本酒は、「甘口」の日本酒が増えつつある現在でも根強い人気があり、多くの日本酒ファンを魅了しています。「辛口」の日本酒には、どんな魅力があるのか、なぜ多くの人々を惹きつるのか、辛口で人気の銘柄も交えて紹介します。

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人気が高い辛口の日本酒、その魅力とは?

人気が高い辛口の日本酒、その魅力とは?

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「辛口」の日本酒が人気の理由

「辛口」の日本酒は、スッキリした味わいと、料理との相性のよさで、多くの愛飲家に支持されています。じつは、辛口の日本酒が好まれるようになったのは、日本酒の長い歴史のなかで考えると最近のこと。戦後までは、むしろ甘口の芳醇な日本酒が好まれていました。
辛口の日本酒が支持されるきっかけとなったのが、1980年代の地酒ブームです。各地で造られていた良質な地酒が全国区となるなか、その人気を牽引したのが、新潟県を代表する「淡麗辛口」の酒。キリッと引き締まった味わいで、日本酒業界に新たな潮流を生み出したのです。

「辛口」とは、どんな味わいの日本酒のこと?

日本酒の味わいは、「辛口」と「甘口」に大別されますが、その基準はどこにあるのでしょう?
ひとつの指針とされているのが「日本酒度」。数値が高いほど糖度が低く、甘さが少ない「辛口」とされますが、実際には、日本酒の味わいは「甘味」だけでなく「酸味」「苦味」「うま味」などのバランスによって決まるもの。「日本酒度」の数値と、飲んだときの印象がイコールになるとは限りません。
なにをもって「辛口」とするかは難しく、辛口の日本酒飲み比べのイベントなど、数値だけでは測れない味の違いを体験する機会も増えています。

日本酒の甘口辛口は数値にできる?!

辛口で人気の日本酒(1) “超辛口”のパイオニア「春鹿(はるしか)」

辛口で人気の日本酒(1) “超辛口”のパイオニア「春鹿(はるしか)」

出典:春鹿公式通販サイト

奈良の伝統技法が生み出す、キレのある辛口

“辛口の酒”として地酒ファンに知られる「春鹿」は、清酒発祥の地とされる奈良県奈良市に蔵を構える老舗、今西清兵衛(いまにしせえべえ)商店の代表銘柄です。
室町時代に確立された「南都諸白(なんともろはく)」と呼ばれる伝統技法が、「春鹿」の軽快かつ華やかなキレのよさを生み出しています。

“超辛口”のパイオニア的存在

もともと辛口で知られていた「春鹿」ブランドに、1985年にラインナップされたのが「春鹿 純米 超辛口」。日本酒業界で初めて「超辛口」を商品名に冠した、パイオニア的な存在です。
穏やかな香りと、まろやかな口当たり、凛としたキレ味のよさは、冷やせば軽快な、お燗にすればキリッとした旨味が広がります。魚介類との相性が抜群で、今や世界10数カ国で愛飲されるほどの人気です。

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辛口で人気の日本酒(2) 「麒麟山(きりんざん)・伝統辛口」

辛口で人気の日本酒(2) 「麒麟山(きりんざん)・伝統辛口」

出典:麒麟山酒造サイト

飲み飽きない「淡麗辛口」を追求

辛口ブームを牽引した新潟の地酒のなかでも、代表格とされる銘柄が「麒麟山」です。造り手は、新潟県阿賀町に200年近く続く老舗蔵、麒麟山酒造。5代目当主の「酒とは辛いもの」という信念を今も受け継ぎ、現在は7代名当主が、飲み飽きせず、季節の料理と合わせてたのしめる日本酒を造り続けています。

地域で長く愛される「伝統辛口」

辛口の日本酒を一途に追求し続ける、「麒麟山」の原点とも言えるのが、地酒ファンから「でんから」の愛称で親しまれる「麒麟山・伝統辛口」です。スッキリとしたなかに、あとをひく旨味と、スッとキレる軽快な飲み口は、冷やしても温めてもおいしいと評判です。

新潟の日本酒【麒麟山(きりんざん)】飲み飽きしない辛口の酒

辛口で人気の日本酒(3) 「剣菱(けんびし)」

辛口で人気の日本酒(3) 「剣菱(けんびし)」

出典:剣菱酒造サイト

500年の歴史を背負う辛口の酒

兵庫県の「灘五郷」を代表する蔵元のひとつとして、圧倒的な知名度を持つ剣菱酒造ですが、その歴史は1505年(永正5年)に、現在の兵庫県・伊丹(いたみ)の地ではじまりました。
500年以上も受け継がれてきた伝統が生み出す「剣菱」の魅力は、辛味と旨味が調和した、やわらかな味わい。燗にすると、さらに旨みが引き立ち、きりりと引き締まった抜群のキレ味がたのしめる辛口です。

辛口で味わい深い「剣菱」の特徴

「剣菱」は、キレのある辛口に定評がありますが、もうひとつの際立った特徴が、黄色がかった見た目。熟成酒は別として、日本酒といえば無色透明が主流ですが、透明にするためろ過し過ぎると、色と一緒に旨味まで抜けてしまうことも。「剣菱」の色合いは、日本酒本来の味を損なわないよう調整した証なのです。

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辛口で人気の日本酒(4) 「くどき上手 吟醸酒 超辛口 ばくれん」

辛口で人気の日本酒(4) 「くどき上手 吟醸酒 超辛口 ばくれん」

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吟醸蔵が生み出す“辛口の極み”

「吟醸王国」として知られる山形の日本酒で、ひときわ辛口で有名なのが「ばくれん」。代表銘柄の「くどき上手」で知られる亀の井酒造が、“辛口の極み”をめざして醸したお酒です。
「ばくれん」とは、「すれっからし」とか「親の言うことを聞かずに好き勝手している」という意味で、おもに女性に使われる言葉。“普通”の枠に収まらない、挑戦的な辛口の日本酒にピッタリの名前ではないでしょうか。

辛口を追求し、日本酒度の限界に挑戦

「ばくれん」がめざした“辛口の極み”は、数値にも表れています。多くの日本酒の日本酒度の数値はプラス20~マイナス20程度ですが、「ばくれん」は辛さの限界値とも言える「プラス20」。
糖分が少ないということは、それだけ糖がアルコールになったということ。通常の日本酒よりもアルコール度数が高く、飲んだ時に舌がピリピリするほどですが、米の旨味がしっかり感じられ、飲みごたえのある味わいになっています。

山形の日本酒【ばくれん】「すれっからしの女=ばくれん」の名が象徴する辛口の酒

辛口で人気の日本酒を紹介してきましたが、気になる銘柄はありましたか? 一口に「辛口」と言っても、さまざまなタイプの辛口があります。いろいろ飲み比べて、お気に入りの一本を見つけてみましょう。

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