テネシーウイスキーの魅力と代表銘柄を語ろう!

テネシーウイスキーの魅力と代表銘柄を語ろう!
出典 : Joe Hendrickson / Shutterstock.com

テネシーウイスキーは、アメリカンウイスキーの主流とされるバーボンウイスキーのなかでも、とくにテネシー州で造られるウイスキーを指します。テネシーウイスキーが持つ独自の魅力と、「ジャック ダニエル」をはじめとする代表銘柄を紹介します。

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テネシーウイスキーを生んだ風土と歴史

テネシーウイスキーを生んだ風土と歴史

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テネシーウイスキーの故郷、テネシー州

テネシーウイスキーを生んだテネシー州は、アメリカ合衆国の南東部に位置しています。
テネシー州は、東のアパラチア山脈、西のミシシッピ川に囲まれた内陸部にあるため、東西南北で8つもの州と接しています。なかでもすぐ北にあるケンタッキー州は、バーボンウイスキーの発祥として知られています。

テネシー州の北、ケンタッキー州は“バーボンの聖地”

アメリカンウイスキーの生産量の半分を占めると言われるバーボンウイスキーは、ケンタッキー州を発祥とします。
18世紀後半、建国間もないアメリカ政府が税収確保のために設けたウイスキー税を避けるべく、多くの人が、まだアメリカ領ではなかったこの地に移住。名産品であるトウモロコシでウイスキー造りを始めたことが、バーボンの起源とされています。

テネシー州とケンタッキー州の因縁深い歴史とは?

ケンタッキーで始まったバーボンウイスキー造りは、すぐ南のテネシーにも伝わり、ともにバーボン文化を育んできました。
しかし、1860年代の南北戦争では敵味方に分かれ、敗れた南軍に属していたテネシーは壊滅的な被害を受けます。そこからケンタッキーへの強烈な対抗意識が芽生えます。
戦後、ケンタッキーの象徴となったバーボンに対抗するように、この地の蒸溜技術者たちの手で“テネシーならではのウイスキー”が発展。今でもテネシーの造り手たちは「バーボンではない、あくまでテネシーウイスキーだ」と強いこだわりを持っているのです。

テネシーウイスキーの豊かな味わい

テネシーウイスキーの豊かな味わい

Nopkamon Tanayakorn / Shutterstock.com

テネシーウイスキーとバーボンウイスキーの定義

テネシーウイスキーとバーボンには、どのような違いがあるのでしょうか?
両者はいずれもアメリカの法律で定義されています。まず、バーボンウイスキーの定義としては、次の4つの条件を満たす必要があります。
(1)アメリカ合衆国内で造られている
(2)原料となるトウモロコシの比率が51%以上
(3)アルコール度数は蒸溜時で80%以下、瓶詰め時で40%以上
(4)中身を焦がした新品のオーク樽で2年以上熟成

条件(1)を見てもわかるように、定義としては「バーボン=ケンタッキー州産」ではありません。とはいえ、実際にはバーボンの約9割がケンタッキー州で生産されています。

テネシー産のウイスキーだけが「テネシーウイスキー」

テネシーウイスキーの定義は、上記に2つの条件が加わります。
(5)テネシー州内で造られている
(6)「チャコール・メローイング製法」で造られている

まず、重要なのが産地。州名を冠しているだけに、この地で造られたものだけが「テネシーウイスキー」を名乗れます。
もうひとつの条件である「チャコール・メローイング製法」とは、蒸溜した原酒をサトウカエデの炭でろ過する製法のこと。これにより、雑味が取り除かれるとともに、サトウカエデ由来のまろやかな風味が加わり、テネシーウイスキー独自の個性を生み出しているのです。

テネシーウイスキーの代表銘柄(1) 「ジャック ダニエル」

テネシーウイスキーの代表銘柄(1) 「ジャック ダニエル」

出典:アサヒビールサイト

テネシーウイスキーと言えば「ジャック ダニエル」

テネシーウイスキーの銘柄として、まず名前が挙がるのが、世界で最も売れているアメリカンウイスキー「ジャック ダニエル」です。
「ジャック ダニエル」がテネシーウイスキーの“象徴”であり、“代名詞”とも呼ばれるのは、その知名度だけではありません。そもそも、「ジャック ダニエル」を生んだジャスパー・ニュートン・ダニエル、通称ジャック・ダニエル氏こそ、テネシーウイスキーの歴史を開いた人物にほかならないからです。

テネシーウイスキーの歴史を開いた「ジャック ダニエル」

ジャック・ダニエル氏が、育ての親である牧師から蒸溜所を譲り受け、ウイスキー造りを始めたのは、まだ10代の少年だった頃のこと。彼は、ケープ・スプリングと呼ばれる洞窟から湧き出る名水を用いて、上質なウイスキー造りの製法を確立。
彼の名を冠した「ジャック・ダニエル蒸溜所」では、誕生から150年を経た今もなお、変わらずその製法を守り続けています。

テネシーウイスキーを象徴する「ジャック ダニエル」の味わい

「ジャック ダニエル」の味わいの特徴は、テネシーウイスキーそのものの特徴でもあります。
チャコール・メローイング製法による、甘くてフルーティな味わいと芳醇な香り。クセがなく、まろやかな飲み口から、ウイスキー初心者からも人気を集めています。

国内輸入元:アサヒビール株式会社
公式サイトはこちら

テネシーウイスキーの代表銘柄(2) 「ジョージ・ディッケル」

テネシーウイスキーの代表銘柄(2) 「ジョージ・ディッケル」

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テネシーウイスキーのなかでも高い知名度を持つ「ジョージ・ディッケル」

テネシーウイスキーの代表銘柄として、「ジャック ダニエル」に次ぐ知名度を持つのが、同様に創業者の名を冠した「ジョージ・ディッケル」でしょう。
1870年にドイツ系移民のジョージ・ディッケル氏が立ち上げた蒸溜所は、彼の死後、1920年から施行された禁酒法の影響を受けて、一時はウイスキー造りを中止しました。1958年に再建された後も、1999年に再び閉鎖。さらに2003年に復活するなど、波乱の歴史を歩んでいます。

テネシーウイスキー「ジョージ・ディッケル」の魅力

「ジョージ・ディッケル」は、当然ながら、テネシーウイスキーの条件である「チャコール・メローイング製法」を用いていますが、そこに一工夫を加えています。
サトウカエデの炭の上に、羊毛の毛布を敷いてろ過する、独自の「チルド・メープル・メローイング製法」を用いるとともに、トウモロコシの比率を84%まで高めたことによる強い甘味が特徴。
「ジャック ダニエル」では少しもの足りないという人は、一度試してみてはいかがでしょう。

テネシーウイスキーの代表銘柄(3) 「ロリンズ・テネシーウイスキー」

テネシーウイスキーの代表銘柄(3) 「ロリンズ・テネシーウイスキー」

Richard Wilson Photo / Shutterstock.com

テネシーウイスキーの知る人ぞ知る1本

テネシーウイスキーのうち、日本で流通している銘柄は「ジャック ダニエル」がほとんどですが、「ジョージ・ディッケル」と同様、専門店やバーなどで入手できる銘柄のひとつが「ロリンズ・テネシーウイスキー」です。
製造元のテネシー・ディスティリング社は、1904年の創業以来、テネシーの伝統的な製法を、かたくなに守り続ける造り手として知られています。

「ロリンズ・テネシーウイスキー」の味わい

「ロリンズ・テネシーウイスキー」の味わいを特徴づけるのが、樽貯蔵へのこだわりです。
地元・テネシー州か、隣接するケンタッキー州、ミズーリ産のアメリカンホワイトオーク樽のみを使用することで、スパイスやナッツ、バニラのような香りと、雑味が少なくてスムースな飲み口に仕上げています。

「テネシーウイスキー」は、地名を冠しているだけあって、テネシー州の風土と歴史、伝統を背景とした、まさにテネシーの地ウイスキー。テネシーウイスキーを味わうことで、その造り手の郷土への誇りが伝わってくるでしょう。

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