新潟ワインコースト探訪その① 新潟ワインコーストの歩み&カーブドッチワイナリー

新潟ワインコースト探訪その①        新潟ワインコーストの歩み&カーブドッチワイナリー

日本のワイン産地と聞けばどんなエリアが思い浮かびますか? 山梨、長野、山形、北海道あたりが有名どころですが、最近注目され始めているのが新潟。とくに新潟砂丘の一角にあたる角田浜(かくたはま)周辺は、生産者によって“新潟ワインコースト”と名付けられ、ワイン愛好家たちが足繁く通う産地となりつつあるのです。

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パイオニアであるカーブドッチワイナリーのワイン造り

ワイナリーはテイスティング可能なショップを備えています。

ここからはカーブドッチワイナリーについて紹介しましょう。まずブドウの栽培についてお聞きすると、「日本海から1㎞ほどしか離れていない土地らしく、昼は海風、夜は陸風が吹きます。こうした風は湿度を下げる効果があり、ブドウを病気から守ってくれるので、農薬の使用を抑えることができるのです」。減農薬や微生物の使用で病気を抑えるほか、稀有な砂質土壌を活かすために、積極的に草を生やす「草生栽培」など、多彩な栽培方法を試しているそうです。

海が近いという立地は、健全なブドウを育むのに適しています。

海が近いという立地は、健全なブドウを育むのに適しています。

砂と風のもと育ったブドウは、華やかな香りと繊細な味わいが身上。醸造においては、まずはその特性を活かすこと。さらに、品種と生産年の個性が反映できるようなワインを目指しているそう。「私たちが造りたいのは、“最高のワイン”ではなく、“ここの風土を表した唯一のワイン”なんです」。

わが子のように、日々ワインの表情を確かめています。

わが子のように、日々ワインの表情を確かめています。

新潟で育てられた欧州系品種の味わいは?

新潟で育てられた欧州系品種の味わいは?

試させていただいたのは、こちらの2本。

場所をワイナリーショップに移して、お待ちかねのテイスティング。こちらでは200円~というリーズナブルなお値段で、数多くのワインを試すことができます。
※試飲できるアイテムは在庫状況などによって変わります

いただいたのは、フランス・ブルゴーニュ地方で有名なピノ・ノワール。やわらかな味わいで日本人にファンが多い品種です。こちらは砂地育ちらしく、とても華やかな香り。紅茶のようなフレーバーもあって、味わいには上品な旨味も。とてもチャーミングなワインでした。

優しい色合いは、いかにもピノ・ノワール。

優しい色合いは、いかにもピノ・ノワール。

続いてアルバリーニョ。実はまだ生産量が限られていて貴重な存在。取材当日はオンメニューされていなかったのですが、どうしても試したくなり無理をお願いしてしまいました。

水を飲んでリセットしてからグラスに鼻を近づけます。こちらもやはり華やかでエレガントな香りですが、「スペインのアルバリーニョはミネラル感が強くて硬めなのですが、こちらはやわらか」。確かに優しい味わいで、和食と好相性という印象。貝柱のダシが利いた新潟県の郷土料理「のっぺ」と、合わせてみたいですね。

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