蔵に湧き出る北アルプスの名水で“マボタキ”を醸す、富山・皇国晴酒造

蔵に湧き出る北アルプスの名水で“マボタキ”を醸す、富山・皇国晴酒造

日本の名水百選の水が蔵の敷地内に湧き出る国内唯一の酒蔵、皇国晴酒造。豊富で良質な水の恩恵を受け、清らかで透明感あふれる酒を醸し続けています。富山県産の酒米のみを使用し、地産地消を意識した酒造りを行う岩瀬社長にお話しを伺ってきました。

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目次

  • 「黒部川扇状地湧水群 岩瀬家の清水」が蔵の敷地内に
  • 創業は江戸時代後期
  • 地元に愛され続ける「豪華 生一本」
  • 酒蔵を継ぐと決め徹底的に日本酒と向き合う
  • いっさい手を加えていない天然の湧水を仕込み水に
  • 100%富山県産米を使用
  • シンプルで、飲み手に寄り添う酒を目指して
  • 富山湾の魚介に合う“マボタキ”
  • “従来の枠”を超えた挑戦を

いっさい手を加えていない天然の湧水を仕込み水に

皇国晴酒造の酒造りを語るうえで、欠くことができないのはやはり「水」。
岩瀬社長も、「この地に酒蔵があることは本当にありがたく、先祖に感謝している」と語ります。
黒部峡谷を抜けて流れる豊富な水は、地中でミネラルを含んだ伏流水となり、敷地内の井戸から滾々と湧き出ていて、仕込み水から蔵内の掃除にまで贅沢に使用できるほど。

黒部峡谷の伏流水は、日本酒の発酵に必要なミネラル分が程よく含まれていながら、鉄や亜鉛、銅など日本酒造りにマイナスとなる成分が極めて少ないのが特長。他の酒蔵の仕込み水のほとんどは浄水、濾過などの過程を経て使用されていますが、皇国晴酒造の仕込み水は、一切手を加えていない天然の湧水。保健所からも使用が認められています。

「うちの水は、とにかく“軽い”んです。この軽さから生まれる透明感のある滑らかな味わいを生かして、酒のほとんどを「吟醸造り」にしています。スーッと喉を通る飲み口を大切にしていきたいんです」と岩瀬社長。

酒の仕込み水

酒の仕込み水は、一般には解放せず蔵でしっかりと管理している井戸のものを使用。地下50mから自噴している軟水の天然水です。

100%富山県産米を使用

黒部の水の恩恵によって酒造りを行うなかで、やはり“地元の米”にもこだわりたいと語る岩瀬社長。「地産地消」を大切にして使用する酒米はすべて富山県産。一部は契約農家の栽培による酒米を使用し、農家との情報交換によって把握した米の状態を見極めながら酒造りを行っています。

「富山のお米は、素直で実直。まるで富山県人の気質を表しているようです(笑)。地味ですが、秘めた意思の強さがあるような気がしています。お酒がひと夏を越して秋口になるとよい味がのってくるんです。酒蔵はお米の持つポテンシャルを引き出すのが力量だと思っているので、1年1年、しっかりと向き合っています」。

酵母もほとんどの酒に、北陸生まれの「きょうかい14号酵母(金沢酵母)」を使用。欲しいところにキレを出してくれる信頼感があると、岩瀬社長は語ります。

シンプルで、飲み手に寄り添う酒を目指して

「軽やかな仕込み水によって、重たい飲み口のお酒にはなりにくい」と岩瀬社長。あえて“水の姿”を否定せず、黒部の水の特長を生かした酒造りを目指しています。

「うちの酒は、今のトレンドの華やかなお酒に比べると、派手さやインパクトがあまりないかもしれません。ですが、大学時代からさまざまなタイプの酒を飲み続け、酒のおいしさを追求しつくしてきた自分が出した答えは、“シンプルで、飲んでいて疲れないお酒が一番おいしい”なんです。もちろん、香り高く旨味も強い酒もおいしいですが、香りはやがてストレスになって長く飲み続けられないですし、料理とのバランスが難しい部分もある。たくさんの蔵元が集まる試飲イベントで、会場をひと回りして戻ってきたお客さんが「ホッとする味わい」といいながら飲んでくださる姿をよく目にします(笑)。地味な酒ならではの心地よさってあると思うんです。シンプルだけど飲み続けても飽きない、どのおかずにも合う『食卓の白いご飯』のような存在でありたい」と岩瀬社長。

「幻の瀧 名水乃蔵 特別純米」

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富山湾の魚介に合う“マボタキ”

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