<J-CRAFT SAKE蔵元探訪その⑤>京都府京都市・増田徳兵衛商店 “にごり酒”と“古酒”の元祖

<J-CRAFT SAKE蔵元探訪その⑤>京都府京都市・増田徳兵衛商店 “にごり酒”と“古酒”の元祖

2018年春に誕生、飲食店で料理とともにたのしめる“生酒(なまざけ)”ブランド『J-CRAFT SAKE』。発泡タイプでフルーティーな特別純米酒をエントリーした「増田徳兵衛商店」を、フードジャーナリストの里井真由美さんとともに訪ねました。

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造り蔵の屋根裏では、磁器の甕(かめ)の中で日本酒が眠っていました。

造り蔵の屋根裏では、磁器の甕(かめ)の中で日本酒が眠っていました。

「にごり酒」と並んで、増田徳兵衛商店の顔と呼べるのが「古酒」。蔵の屋根裏に上がり、甕がぎっしりと積まれた様子に見入る里井さんの姿に、社長も「「にごり酒」の販売を始めた頃から大切に寝かせてきましたから、いちばん古いものは半世紀以上になりますね」とどこか感慨深げ。

ちなみに「古酒」を仕込むきっかけとなったのが、先に紹介した『本朝食鑑』だそう。この歴史的文献に「古酒」の文字を見つけた先代が、その仕込みにチャレンジ。現在では、十年秘蔵純米大吟醸古酒『琥珀光(こはくひかり)・特別酒』などで、芳醇な味わいに触れることができるのです。

左から3行目上部に「諸白古酒」の文字が。「諸泊」とは、麹と掛米ともに白米を用いる製法です。

左から3行目上部に「諸白古酒」の文字が。「諸泊」とは、麹と掛米ともに白米を用いる製法です。

10年ものの『琥珀光・特別酒』。シェリーのような芳香があり、まろやかな味わい。

10年ものの『琥珀光・特別酒』。シェリーのような芳香があり、まろやかな味わい。

『J-CRAFT SAKE 桔梗(ききょう)てんぐ』

京都のパワースポット鞍馬山は、天狗伝説で知られています。

京都のパワースポット鞍馬山は、天狗伝説で知られています。

増田徳兵衛商店が仕込んだ『J-CRAFT SAKE 桔梗てんぐ』は、もちろん発泡タイプの「にごり酒」です。近年は米作りから手がけるようになった社長が、原料に選んだのは『京の輝き』。地元で育成した京都オリジナル品種100%の酒造用原料米で、仕込んだお酒は、香りが高くまろやかな味わいになるのが特徴です。

精米歩合60%の特別純米酒ですが、吟醸酒造りに用いるタイプの酵母を使用。スパークリングならではの心地よい発泡感とほのかな甘さに、「酵母由来のフルーティーな香りも加わって、非常にエレガントですね」と里井さん。「喉越しも良くてついつい進んでしまいそう」と続けてコメント。全体として優しい味わいが感じられるタイプと表現できそうです。

愛おしそうに、発酵の様子を見守る14代目。

愛おしそうに、発酵の様子を見守る14代目。

さて、『桔梗てんぐ』に合わせるとしたら、どんな料理がおすすめなのでしょうか? 「ほんのり甘口。アルコール分もしっかりあるので、味付けのどっしりとした料理にも負けないですね。和食もいいのですが、洋食と合わせてみたいです」と里井さん。

その言葉を聞いて社長は満足そう。さらに「しゅわしゅわしているため、スパイスの効いた料理の辛さを丸く包み込んでしまうんです。中国料理の麻婆豆腐とかと相性が良いですよ。四川地方の辛いタイプがおすすめですね(笑)」。なるほど洋食や中国料理とのマリアージュ。ぜひ試してみたい組み合わせです。

『桔梗てんぐ』

『桔梗てんぐ』
■特別純米 無濾過生酒
■使用米/京の輝き
■精米歩合/60%
■アルコール度数/17度

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