「タリスカー(talisker)」スカイ島の自然が育むシングルモルトウイスキーの魅力

「タリスカー(talisker)」スカイ島の自然が育むシングルモルトウイスキーの魅力
出典 : MHD モエ ヘネシー ディアジオ株式会社サイト

「タリスカー」は、スコットランドの6大ウイスキー産地のひとつアイランズの、スカイ島で造られているスコッチウイスキーのシングルモルト。今回は「タリスカー」の産地スカイ島の自然や、「タリスカー」の歴史、製法、似ている銘柄、飲み方、種類などについて紹介します。

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「タリスカー」の産地が含まれるアイランズの魅力とは?

タリスカーの産地が含まれるアイランズの魅力とは?

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「タリスカー」はスコッチウイスキーの6大産地のひとつ「アイランズ」で造られています。「ウイスキー王国」と称されるスコットランドの風土の特徴をおさらいしつつ、アイランズの魅力を探ります。

スコッチウイスキーを育むウイスキー王国、スコットランドの風土の特徴

「タリスカー」をはじめとしたアイランズ産スコッチウイスキーの魅力を語る前に、まずはスコッチウイスキーについてかんたんにおさらいします。

スコッチウイスキーは、スコットランドで造られているウイスキーの総称です。スコットランドやアイルランド、アメリカ、カナダ、日本産のウイスキーを「世界5大ウイスキー」といいますが、なかでもスコットランドが「ウイスキー王国」と呼ばれる大きな理由は、ウイスキー造りに適した風土にあります。

イギリス北部に位置するスコットランドは、ウイスキーの原料となる大麦の一大生産地。良質な水に恵まれ、スモーキーフレーバーのもととなるピート(泥炭)の湿原を有します。

年間を通じて冷涼な気候で、ウイスキーの熟成にも最適。あらゆる面でウイスキー造りに適しているスコットランドは、まさに「ウイスキー王国」というにふさわしい土地柄といえます。

ウイスキー市場の中心的な存在であるスコッチウイスキーは、しばしば「ウイスキーの代名詞」と呼ばれます。スコットランドの面積は北海道よりも少し狭い程度。

にもかかわらず、世界の全消費量の約5割近くを占めているというのだから驚きです。さほど広くはないスコットランドですが、地域ごとに自然環境が大きく異なり、その地域特性がスコッチウイスキーの多彩な個性につながっています。

スコッチウイスキーを育むウイスキー王国スコットランドの風土の特徴

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「タリスカー」の故郷スカイ島を含むアイランズの魅力

「タリスカー」は、かつて北欧の海上から欧州各地に遠征侵入していたバイキングの、力強さと荒々しさを感じさせるような強烈な海の香りが漂うシングルモルトウイスキーです。

蒸留所(蒸溜所)のあるスカイ島は、スコッチウイスキーの主要生産地のひとつアイランズに含まれます。

スコットランド全土の蒸留所の数は約130あるといわれ、それらは「ハイランド」「ローランド」「スペイサイド」「キャンベルタウン」「アイラ」、そして「アイランズ」の6つの地域に分類されています。

なかでも、とくに個性派のウイスキーが揃っているといわれるのがアイランズです。アイランズは、スコットランド北西に点在するインナー・ヘブリディーズ諸島にある島々で、スカイ島やオークニー諸島、ルイス島、マル島、ジュラ島、アラン島から成ります。

アイランズでは、島特有の気候の厳しさや、島ごとの風土の違いが影響して、個性あふれる香りや味わいのウイスキーが造られているのが特徴。スカイ島の「タリスカー」をはじめ、それぞれの島のウイスキーを飲み比べることで、まるで島々を巡るような感覚をたのしめるのが大きな魅力となっています。

「タリスカー」の荒々しい個性を育んだスカイ島の自然

タリスカーの荒々しい個性を育んだスカイ島の自然

出典: MHD モエ ヘネシー ディアジオ株式会社 「タリスカー」ブランドサイト

「タリスカー」の故郷スカイ島は、インナー・ヘブリディーズ諸島のなかでも最大の面積を持つ島です。

スカイ島という名前から「空=Sky」を思い浮かべるかもしれませんが、正しいつづりは「Skye」。古代ノース語(バイキングの言葉)で「翼の形をした島」という意味を持つそうで、その名のとおり、いくつもの入り江が切り込んだ複雑な海岸線をしているのが特徴です。

スカイ島では、メキシコ湾流の影響で冬でも気温が下がりにくく、雪が積もることはまれですが、冬には沿岸の岩肌に荒々しい波が打ち寄せます。「タリスカー」の個性である力強く荒々しい潮の香りや味わいは、こうした自然のなかで育まれています。

また、スカイ島は天候が変わりやすく、しばしば雨が降って濃霧に覆われることから「霧の島(ミストアイランド)」とも呼ばれています。

「タリスカー」では、雨水から生まれた湧き水を、蒸留所そばのホークヒルの地下水源から取水し、仕込み水に使用しています。島に広がるピート(泥炭)も、「タリスカー」のスモーキーフレーバーには欠かせません。

「タリスカー」は、まさにスカイ島の自然から生まれるスコッチウイスキーといえます。

タリスカー蒸留所の歴史と製法へのこだわり

創業以来の製法を忠実に守り続けるタリスカー蒸留所

出典:MHD モエ ヘネシー ディアジオ株式会社 「タリスカー」ブランドサイト

タリスカー蒸留所では、創業以来の製法を忠実に守って、独自の味わいを生み出してきました。その歴史と製法の特徴を紹介します。

タリスカー蒸留所の歴史

タリスカー蒸留所が、創業者のマカスキル兄弟によってスカイ島・カーボストに設立されたのは1830年のことです。日本の歴史でいえば江戸時代の終わりころにあたります。

「タリスカー(talisker)」は、古代ノース語で「傾いた大岩」の意味。これは、エッグ島出身のマカスキル兄弟が、蒸留所の建設中に滞在していた「タリスカー・ハウス」に由来しているといわれます。

タリスカー蒸留所が設立された当時、スカイ島では数十もの蒸留所が稼働していましたが、1920~40年代に起こった世界恐慌や世界大戦の影響を受けて、ほとんどの蒸留所が閉鎖。不遇の時代を乗り切って、唯一残ったのが、タリスカー蒸留所でした。

スカイ島でもっとも歴史のある蒸留所として、スカイ島ならではのウイスキー造りを続けてきたタリスカー蒸留所。「タリスカー」がウイスキー愛好家から「孤高のシングルモルト」と呼ばれるのは、その強烈な個性に加えて、こうした歴史的な背景があるからかもしれません。

タリスカー蒸留所の歴史と製法へのこだわり

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タリスカー蒸留所の製法へのこだわり

「タリスカー」の個性は、タリスカー蒸留所に受け継がれてきた伝統製法へのこだわりによって生み出されています。

発酵工程では、ステンレス製のウォッシュバック(発酵槽)を使うのが一般的ですが、タリスカー蒸留所では、昔ながらのオレゴンパイン(オレゴン松)製のウォッシュバックを使用。発酵時間にもこだわりがあり、通常約50時間のところ約70時間かけて発酵させることで、フルーティーな香りや味わいを生み出しています。

また、タリスカー蒸留所では、蒸留装置にもこだわっています。1回目の蒸留に使用する初留釜に、風味に影響を与えるといわれる精留器を設置して、クリアな初留液を得ているほか、冷却器には昔ながらのワームタブを使用して、蒸気をゆっくりと冷却して液化しています。こうしたこだわりから、「タリスカー」独特のキャラクターが生まれています。

「タリスカー」はどんな味わい? アイラモルトとは似ている?

タリスカーはどんな味わい? アイラモルトとは似ている?

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「タリスカー」は、アイラ島のモルトウイスキーに似ているといわれることがあります。「タリスカー」の味わいの特徴や、アイラモルトとの共通点、似ているシングルモルトウイスキーの銘柄を確認していきます。

「タリスカー」の味わいの特徴

「タリスカー」の味わいを表現する際に、よく使われるのが「舌の上で爆発するような潮の香り」というもの。まさに、スカイ島周辺の荒れ狂う海や濃い霧を象徴するような、強烈な潮のフレーバーこそ、「タリスカー」の最大の特徴です。

だからといって、それだけが「タリスカー」の魅力ではありません。美しい金色のなかには、潮の香りに加えて、豊かなピートがもたらすスモーキーさと黒胡椒の風味、さらには麦やドライフルーツの甘さが一体となって溶け合っています。自然の持つ荒々しさと、芸術品のようなエレガンスさを同時に味わうことができるのが、「タリスカー」の魅力なのです。

「タリスカー」とアイラモルトの共通点はピート由来のスモーキーさと潮気

「タリスカー」とアイラモルト(アイラ島で造られているシングルモルトウイスキー)の風味には共通点があります。

アイラ島はピートや水に恵まれた土地で、蒸留所のほとんどが海岸沿いに立っています。アイラ島で生産されているシングルモルトウイスキーの多くは、スモーキーで潮っぽさがあるのが特徴。アイラ島のピートには、海風が運んできた海藻類が含まれていて、これを焚きしめた大麦麦芽(モルト)を原料に使うことで、ウイスキーにスモーキーなピート香や潮の香りがもたらされています。

一方、スカイ島にあるタリスカー蒸留所も海の近くにあり、大麦麦芽をピートで焚きしめているので、「タリスカー」は、スモーキーなピート香や黒胡椒のようなスパイシーさ、かつ潮気のある風味が特徴。

類似しているロケーションによる潮気と、ピート由来のスモーキーさから、タリスカーとアイラモルトが似ていると感じる人もいるようです。

タリスカーとアイラモルトの共通点はピート由来のスモーキーさと潮気

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「タリスカー」に似ているといわれるアイラモルトの銘柄

アイラモルトのなかでも「タリスカー」に似ているといわれるものは、「ボウモア」や「カリラ」「ラフロイグ」などが挙げられます。

特徴的なスモーキーさは、「ppm」という単位を使ったフェノール値の数値で表され、これを見れば、ひとつの判断基準として活用することができます。なお、スモーキーさの強弱は、ピートを焚きしめる時間や量によって違ってきます。

「タリスカー」のフェノール値は約18~22ppm。「ボウモア」は約25~30ppmと「タリスカー」に近い値です。「ボウモア」はバランスのよい味わいで、「タリスカー」のようなスパイシーさはありませんが、ライトなスモーキーさに、似た印象を持つ人もいます。

フェノール値約34~88ppmの「カリラ」も、軽やかなスモーキーさのあるスコッチウイスキー。「タリスカー」よりもフェノール値は高いものの、フルーティーでフローラルな風味と調和されているので、スモーキーさはそれほど強く感じられません。また、「タリスカー」にもフルーティーな甘味があるので、似ていると思われるようです。

「ラフロイグ」のフェノール値は40~45ppmで、「タリスカー」よりもスモーキーさは強め。とはいえ、潮っぽさやピリッとしたスパイシーさ、そして甘味のある個性的な味わいは、「タリスカー」に通じるものがあります。

タリスカーを「KING OF DRINKS」と評した文豪・スティーブンソン

タリスカーを「KING OF DRINKS」と評したイギリスの文豪スティーブンソン

出典:MHD モエ ヘネシー ディアジオ株式会社 「タリスカー」ブランドサイト

「タリスカー」独特の味わいに魅了されたウイスキー愛好家は数知れませんが、なかでも著名なのが、スコットランド生まれの文豪、ロバート・ルイス・スティーブンソン氏(1850~1894年)です。「タリスカー」をこよなく愛した彼は、「酒の王者として思いつくのはタリスカー」と語り、「KING OF DRINKS」と賞賛しました。

スティーブンソン氏の代表作『宝島』は、今も世界中で読み継がれていますが、そのおもしろさの核となる「海への憧れ」と「冒険心」は、まさに「タリスカー」の魅力そのものといえます。

かつて『宝島』を読んで胸躍らせた人が「タリスカー」を飲めば、潮の香りとともにワクワクするような高揚感がよみがえってくるかもしれません。

「タリスカー」の飲み方

タリスカーのおすすめの飲み方スパイシーハイボール

出典:MHD モエ ヘネシー ディアジオ株式会社 「タリスカー」ブランドサイト

「タリスカー」の個性を存分に満喫できる、おすすめの飲み方を紹介します。

「タリスカー」の荒々しさはストレートでこそ味わえる

スカイ島の荒々しい環境が育んだ「タリスカー」の味わいの魅力は、強烈な潮の香りやスモーキーさ、そして「爆発的」とまでいわれる黒胡椒のような香味。その力強い個性は、ストレートでこそたのしめます。

初めて飲む人は、強烈なフレーバーに驚かされるかもしれませんが、少しずつ飲み進めると、スパイシーな刺激とドライフルーツのような甘さが溶け合って、口のなかに心地よい後味が残るのがわかります。鼻に抜けるような潮風の香りが感じ取れるようになるころには、その魅力にハマっているはず。

ストレートは、初心者にとっては少しハードルが高い飲み方かも知れませんが、天然水などのチェイサーを用意して、ぜひ個性的な味わいをたのしんでみてください。

スパイシーハイボールもおすすめ

「タリスカー」の個性をじっくり堪能するならストレートがイチオシですが、「タリスカー」の個性を活かしたスパイシーハイボールもぜひ味わってほしいもの。

「タリスカー」がおすすめするスパイシーハイボールは、ハイボールにひと工夫加えた大人な飲み方。「タリスカー10年」で作ったハイボールに、粗挽きの黒胡椒をひと振りして仕上げます。黒胡椒のスパイシーさとともに、「タリスカー」の奥深い味わいを存分にたのしめ、食中酒としても最適。燻製やBBQ料理、牡蠣などによく合います。

「タリスカー」ブランドサイト
ハイボールに黒胡椒?タリスカー スパイシーハイボールの作り方

「タリスカー」の種類

タリスカーのおもなラインナップ

出典:MHD モエ ヘネシー ディアジオ株式会社 「タリスカー」ブランドサイト

「タリスカー」と一言でいってもバリエーションは豊富。ここでは、おもなラインナップを紹介します。

定番は「タリスカー 10年」

タリスカー 10年

出典:MHD モエ ヘネシー ディアジオ株式会社 「タリスカー」ブランドサイト

1988年にリリースされた10年熟成もの。熟成はアメリカンオークの樽で行っています。「タリスカー」の特徴をバランスよく表現していると評価され、「ワールド・ウイスキー・アワード(WWA)」をはじめとした世界的なコンペティションで数々の受賞歴を誇ります。

「タリスカー10年」はアイランズモルトの代表格で、前述の「宝島」の著者スティーブンソン氏が絶賛したのもこの1本。今も「タリスカー」を代表する商品として世界中で愛飲されています。また、バーなどで「タリスカー」を注文すると、基本的には「タリスカー10年」が出てくるはずです。

リッチな18年、25年、30年も魅力的

「タリスカー」には、長期熟成のリッチなボトルもラインナップに並んでいます。入手困難な商品も多く、バーなどで見かけたらぜひ味わいたい逸品揃いです。

タリスカー 18年

タリスカー 18年

出典:MHD モエ ヘネシー ディアジオ株式会社 「タリスカー」ブランドサイト

ヨーロピアンオークのシェリー樽で熟成させた原酒を使用している18年は、2007年開催のWWAで世界一に輝いた、まさに究極の1本。年間数量限定リリース商品です。

タリスカー 25年

タリスカー 25年

出典:MHD モエ ヘネシー ディアジオ株式会社 「タリスカー」ブランドサイト

アメリカンオークの樽で長期熟成させたコアなファンに人気の25年。かつて不定期でリリースされていましたが、今は年1回ボトリングされています。長熟ならではのやわらかい香りと、「タリスカー」らしい力強い味わいをたのしめます。

タリスカー 30年

タリスカー 30年

出典:MHD モエ ヘネシー ディアジオ株式会社 「タリスカー」ブランドサイト

現行商品のなかで、もっとも長熟の「タリスカー」。極めて希少な原酒は、年に1回のみボトリングされます。「タリスカー」らしさがありながら、エレガントな香りをまとった、リッチな味わいが魅力です。

「タリスカー ストーム」など、新たな魅力が次々と登場

「タリスカー」の味わいに新たな魅力を加えた商品も注目されています。

タリスカー ストーム

タリスカー ストーム

出典:MHD モエ ヘネシー ディアジオ株式会社 「タリスカー」ブランドサイト

その名のとおり、嵐のような荒々しいフレーバーを際立たせた商品。「タリスカー」愛好家の間では「もっともタリスカーらしいタリスカー」として人気を集めています。

タリスカー ポートリー

タリスカー ポートリー

出典:MHD モエ ヘネシー ディアジオ株式会社 「タリスカー」ブランドサイト

ポートワインの樽で追加熟成することで、完熟した果実の甘味を加えた商品。「タリスカー」らしい風味に甘い香りが融合していて、最高のコントラスをたのしめます。

タリスカー ディスティラーズ エディション

タリスカー ディスティラーズ エディション

出典:MHD モエ ヘネシー ディアジオ株式会社 「タリスカー」ブランドサイト

シェリーの一種アモロソの樽で二段熟成した商品。ピートの効いた黒胡椒のフレーバーに、リッチでフルーティーな甘味が絶妙にマッチしています。まろやかな口当たりも特長。

「タリスカー」は、潮気とスモーキーなピート香を持つ、個性的なシングルモルトウイスキー。スカイ島の自然のなかで生まれた力強い味わいを、ストレートやスパイシーハイボールで、心ゆくまで堪能してみてくださいね。

製造元:MHD モエ ヘネシー ディアジオ株式会社
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