酒類鑑定官出身の蔵元が醸す、個性が光る美酒「下越酒造」

酒類鑑定官出身の蔵元が醸す、個性が光る美酒「下越酒造」

新潟県内でも有数の自然豊かな銘醸地で酒を醸す下越酒造は、親子二代で国税局酒類鑑定官出身者が当主を務める醸造技術のベテランの蔵。新潟清酒をベースに、さまざまな切り口で個性あるお酒を生み出す酒蔵に伺い、お話を聞いてきました。

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麒麟大吟醸の香味のバランスを崩さないように、低温で5年以上貯蔵した熟成酒。シェリーがかった熟成香と穏やかな吟醸香に滑らかな旨味が調和したお酒です。
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麒麟 時醸酒

麒麟 時醸酒

「時が醸す酒」の文字通り、熟成した味わいをたのしめるお酒。長期の熟成に耐える濃醇な旨味を求めて、原料から仕込みまでこだわっています。

ロンドンでの試飲会がひとつの転機に

日本酒の輸出に興味を持つ蔵元が集結して、約20年前に設立された、SEA(日本酒輸出協会)に参加した下越酒造は、海外での試飲会などにも積極的に参加して啓蒙普及を行ってきました。そんななか、2001年にロンドンでの試飲会に参加した佐藤社長は、その時の外国人の反応に胸をつかれる思いをしたそうです。「全国の酒蔵が来ていたなかで、新潟のお酒への評価があまり得られなかったのです。反応を見ていると、『飲みやすいけれど、つまらない』というリアクションでした。飲みやすさが新潟の酒のよいところなのですが、外国人に親しんでもらうには、もう少し香りを引き立たせるなどのインパクトのあるお酒じゃないといけないのだと思いました」。

早くから日本酒の海外市場での可能性を重要視していた佐藤社長にとって、外国人に味わってもらえるお酒を商品ラインナップに加えることは必須と考え、当時、少しずつ広まり始めていた、華やかな香りを生み出す「高香気生成酵母(1801号酵母)」を使用した酒造りに取り組みました。

銘柄名は「蒲原」と名付け、「一口目からおいしい」をキャッチフレーズに、新ブランドを展開。その後、国内外に順調にファンが増え、現在は、登録店限定のお酒として販売している人気のシリーズのお酒となりました。

日本はもとより、世界でも飲まれるお酒に

国内外問わず日本酒の素晴らしさを伝えていくために品質と個性を磨く下越酒造

国内外問わず日本酒の素晴らしさを伝えていくために品質と個性を磨く下越酒造

現在、下越酒造で製造したお酒の15%は海外へ輸出していますが、佐藤社長は「今後は30%まで伸ばしたい」と意欲的。「輸出業者に任せるだけじゃなく、自分たちでも営業に向かい、外国の方たちと一緒に日本酒を飲み交わしたりしていますが、日本酒への反応はよいですね。今後も人気は高まっていくと思います」。

20年前にNYのバーで、一升瓶をテーブルに置いて日本酒を飲む外国人を見て、日本酒が世界で飲まれていく未来を確信したと話す佐藤社長。今後も自ら、機会があれば積極的に足を運んで啓蒙していきたいと語ります。

日本国内にとどまらず、世界中の方たちに、日本酒の持つさまざまな素晴らしさを伝えていくために、下越酒造ではこれからも、品質を第一に個性ある酒造りを目指していきます。

下越酒造株式会社
新潟県東蒲原郡阿賀町津川3644番地
TEL 0254-92-3211
http://www.sake-kirin.com/

ライタープロフィール

阿部ちあき

日本酒サービス研究会・酒匠研究会連合会認定 きき酒師 日本酒・焼酎ナビゲーター公認講師
全日本ソムリエ連盟認定 ワインコーディネーター

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