微生物にも蔵人にも、心地よい環境を整え続ける「高野酒造」

微生物にも蔵人にも、心地よい環境を整え続ける「高野酒造」

一年を通して水鳥が飛び交う自然環境に恵まれた街で、明治時代から酒を醸し続ける高野酒造。蔵人にとって働きやすい職場であることを大切に考えたうえで、少人数で効率のよい酒造りを行う様子や、早くも30年前から海外で飲まれていたお酒の話などを伺ってきました。

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水の都 柳都 吟醸

水の都 柳都 吟醸

新潟でしか味わえない、新潟県内限定販売の吟醸酒。「柳都」はかつての新潟旧市街地の呼称。ソフトな喉越しとすっきりとしたキレのある味わいが特徴です。
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外国人にも長く愛されているお酒

ここ数年、日本酒の輸出量が増加し、今では世界中のさまざまな国でたのしまれるようになりましたが、高野酒造のお酒が最初に海外へ渡ったのは、業界のなかでは早く、今から30年前。ニューヨーク、ロサンゼルスなどアメリカ国内の主要都市で提供され、以来、途絶えることなく親しまれ続けています。この30年間、不動の人気を誇るのは「越乃冬雪花 純米吟醸」。流行のサイクルが早い街として知られるニューヨークの飲食店で、30年間ずっと変わらずメニューにオンリストし続けているのは、普通では考えられないことだと現地の人にも驚かれたそうです。

また、このお酒はシンガポールの超有名ホテル内の日本食レストランでも長く提供されていたのですが、一時、店側の都合で取り扱いがなくなったところ、常連客から「あのお酒をまた飲みたい」との声が多く挙がり、半年後にグランドメニューに復活したというエピソードも。

日本酒業界にとって、今後海外販路は主要な市場となっていくと話す高野社長は、「垣根を作らず、世界のどこでも、売れるところには売っていきたい」と、意欲的に語ってくれました。

越乃 冬雪花 純米吟醸

越乃 冬雪花 純米吟醸

冬に雪の下で咲いている幻想の花をイメージした、上品で奥ゆかしさを感じる香りと、まろやかな旨味が味わえる純米吟醸。ニューヨーカーに30年愛されており、「冬雪花は外国人の口に合う酒質のようです」と高野社長。
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目指すは助演男優賞のような酒

今後の高野酒造の酒造りについて高野社長に伺ったところ、「理想は『助演男優賞のようなお酒』なんです」との答えが。「食中酒として飲まれる日本酒は、「料理」という絶対的な存在には勝てません。一歩引いて、そっと寄り添うような存在でありたいですね。主役が料理なら、日本酒は脇役。なので、助演男優賞を獲れるようなお酒を造り続けていきたいです」。

派手さはなくても、飲み終ったあとに「あの酒、おいしかったな」と、さりげなく印象に残るような酒を目指したいと高野社長。「みなさんに飲んでいただけるだけでありがたい、という謙虚な気持ちを忘れずに取り組んでいきたい。私たちの仕事は、微生物を心地よく働かせてあげるための環境づくりをすること。自然界の偉大な力には、我々人間はかなわないですから、その存在に感謝しながらていねいに酒を醸していきたいです。」と穏やかに語りました。

豊かな自然環境のなかで、少人数で力を合わせ、細かなところにまで目を行き届かせながら大切に醸された高野酒造のお酒は、これからもずっと、飲み手の心に寄り添ってくれる存在であり続けるでしょう。

高野酒造株式会社

新潟県新潟市西区木山24番1号
TEL 025-239-2046
https://www.takano-shuzo.co.jp/

ライタープロフィール

阿部ちあき

日本酒サービス研究会・酒匠研究会連合会認定 きき酒師 日本酒・焼酎ナビゲーター公認講師
全日本ソムリエ連盟認定 ワインコーディネーター

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