微生物にも蔵人にも、心地よい環境を整え続ける「高野酒造」

微生物にも蔵人にも、心地よい環境を整え続ける「高野酒造」

一年を通して水鳥が飛び交う自然環境に恵まれた街で、明治時代から酒を醸し続ける高野酒造。蔵人にとって働きやすい職場であることを大切に考えたうえで、少人数で効率のよい酒造りを行う様子や、早くも30年前から海外で飲まれていたお酒の話などを伺ってきました。

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しかし、機械に頼るのではなく、蔵人の目でしっかり確認する部分も大切であると話す高野社長。酒造りを行ううえでは、装置化できるところと人間の目で状態を見極める部分をしっかりと分け、ていねいな酒造りを行っています。

「小人数で造りをするには、それぞれが担当する工程において、しっかりと責任を果たすことやチームワークが重要です。石川博規杜氏(酒造りの最高責任者)を中心としたチームは、歳も近く、うまく連携してよいものを生み出してくれるので安心して任せられる」と、信頼を寄せていました。現在43歳の石川さんが杜氏に就任したのは35歳の時。当時は、新潟県内で一番若い杜氏だったそうです。平均年齢40歳のメンバーで、丹念な酒造りに励んでいます。

平均年齢40歳の4人のメンバーで

左から蔵人の戸川さん、石川博規杜氏、酒井さん、佐藤さん。

平均年齢40歳の4人のメンバーで

目で見て肌で感じる感覚を大切に、微生物の様子を見守っています。

地元の契約農家から提供される安全・安心な酒米

酒造りに使用する酒米は、「越後酒米研究会」を発足させて7軒の地元農家と直接取り引きを行っています。現在、製造している日本酒に使用する約7割の酒米は、契約している農家によって栽培されたもの。「おかげさまで、みなさんにはこちらの希望に叶った米を作っていただいています。米作りから携わることで、生産者を特定できるトレーサビリティ管理のもと、安心できる原料で酒造りができるのは酒蔵にとってもありがたいことです」と高野社長。

また、契約農家との直接取り引きによって、原料米の調達のコストが抑えられることから、その分を価格に反映させ、消費者が購入しやすい値段設定に。「うちは、千円台で買える大吟醸など、価格はできるだけお客様に手に取ってもらえる値段にしています。高く売れるのはもちろんうれしいですが、それよりも、気軽に購入してもらえる方がうれしいですから」。肥沃な大地で育まれた上質な酒米で造られた日本酒は、地元の方の晩酌に欠かせない酒として愛され続けています。

20年前から自社酵母を使用

日本酒の製造過程で、アルコール発酵をする際に必要な「酵母」は、酒の味わいとなる、さまざまな酸やアミノ酸、香りの成分を作る役割をしており、酒造りにとって非常に重要な役割を果たしています。

一般的に酒蔵では、日本醸造協会によって提供される「きょうかい酵母」を使用することが多いですが、高野酒造では、自家製のオリジナル酵母(自社酵母)を使用し、現在はすべての醸造に使用しています。技術顧問である元新潟県醸造試験場長の廣井忠夫さんの指導によって約20年前から取り組んでおり、数種類の培養した酵母を目的とする酒質に合わせて使い分け、高野酒造にしか醸し出せない味わいを生み出しています。

20年前から自社酵母を使用

香りが感じられる酵母や、旨味を感じやすい酵母など、約7種類の自社培養酵母で醸しています。

越路吹雪 五百万石大吟醸

越路吹雪 五百万石大吟醸

人気の「雪」シリーズの一つ、「越路吹雪」。新潟県産五百万石を100%使用した大吟醸。香りとコク、キレのバランスが絶妙。キリッとした骨格のなかに米の味わいが広がります。

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