アメリカのワインをブドウから紐解く

アメリカのワインをブドウから紐解く

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アメリカのカベルネ・ソーヴィニヨン

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1976年にパリで行われたブラインドテイスティングで、大方の予想に反し、カリフォルニアワインがフランスの著名なワインを抑えてトップに立った「パリスの審判」。この一件の影響もあり、カリフォルニア州では世界中から参入した醸造家が持ち込んだ伝統技術とアメリカの資本、そして最新技術が融合した、ヨーロッパのワインとは一線を画す解りやすい味わいのワインが確立しました。

カリフォルニア州が位置する西海岸、オレゴン州ワシントン州を含む北西部、そしてニューヨーク州を含む北東部の3つの地域を主なワイン産地として有するアメリカ。中でもワイン生産量の90%を占めるのがカリフォルニア州であり、とくに銘醸地として名高いナパ・ヴァレーでは、「オーパスワン」のような少量のみ生産される超高級ワインも存在します。

このオーパスワンのように、1990年代以降カリフォルニア州では収穫量を極限まで落として凝縮感を高めた濃厚な赤ワインが競って造られるようになり、ワイン評論家のロバート・パーカー氏が高く評価したワインは、驚くほどの高値がつけられ、また、熱狂的なファンを持つことから「カルトワイン」と呼ばれるようになりました。

カリフォルニア州では、とくにフランスのボルドーを意識したようなワインが造られていますが、ボルドータイプのワイン造りで忘れてはならないのが、カベルネ・ソーヴィニヨン。日照量の多いカリフォルニア州のカベルネ・ソーヴィニヨンから造られるワインは、アルコール度数が高く酸味が少ない果実味たっぷりなワインに仕上がり、フランスのものとは別個性で、パワフルな味わいは焼き肉など力強い料理ともぴったりです。

カリフォルニア代表ジンファンデル

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カベルネ・ソーヴィニヨンと同様に有名なブドウ品種にジンファンデルがあります。
ジンファンデルはカリフォルニア州で広く栽培され、長い間カリフォルニア州原産と考えられていましたが、90年代にイタリアの黒ブドウであるプリミティーヴォと同種であることが判明しました。プリミティーヴォはイタリア語で「最初の」といった意味があり、その名前のとおり、この品種は比較的早く熟します。
雨に弱く乾燥に非常に強い品種であり、濃い色調でアルコールが高めのしっかりしたボディのワインが多いので長期熟成に向いていますが、早飲みでも十分においしくいただけます。

また、ホワイト・ジンファンデルと呼ばれる明るいピンク色のロゼワインはミュスカやリースリングで香りを付け、ジンファンデルの黒い果皮を取り除き白ワインの製法を応用したもので、ジンファンデルが力強い味わいのワインであるのに対し、ホワイト・ジンファンデルは柔らかな味わいのやや甘口のワインです。

果実味豊かなシャルドネ

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世界中のワイン産地で栽培されており、白ワイン用ブドウ品種の女王と呼ばれているシャルドネ。栽培地域の気候や土壌、熟成方法がワインに与える影響は大きく、テロワールや造り手の個性を色濃く反映するユニークな品種です。

カリフォルニア州は、フランスに次ぐシャルドネの生産地で、日照時間が長く温暖な気候であるため、太陽の恵みを受けたトロピカルフルーツの様な果実味や、ナッツやバニラのニュアンスを持った芳醇で香りに深みのあるワインが造られます。

従来は樽香をしっかりとつけた重い味わいに仕上げることが多かったのですが、最近では繊細さと酸味を持ち合わせた複雑な味わいを重視する生産者も増えています。

禁酒法の時代があったために他の国よりも遅くワイン造りが発展することになったアメリカですが、その恵まれた気候と土地の広さから様々なタイプのワインが造られています。パワフルでわかりやすいものから繊細で複雑なものまで、その魅力は無限大です。

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