芋、米…原料によって作り方が異なる、焼酎の製法

芋、米…原料によって作り方が異なる、焼酎の製法

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焼酎とはどんな酒か?

そもそも酒とは、糖分を含む液体に酵母を加え、発酵させて生み出されるアルコールのこと。その製造方法により、酒は3つに分類されます。日本酒やワイン、ビールなど発酵させた液体をろ過などを経てそのまま飲むものは「醸造酒」。

この「醸造酒」を熱し、水より沸点の低いアルコールを先に気化させ、冷やして液体に戻したものが「蒸留酒」。ウイスキー、ブランデー、ウォッカと並び、焼酎もこの「蒸留酒」にあたります。

ちなみに「醸造酒」や「蒸留酒」に薬草や果汁、香料などを加えた酒は、「混成酒」という分類になります。カルーアなどのリキュールや梅酒などです。

また、アルコール度数20~30度の焼酎ですが、5~15度のビールや日本酒、ワインのように、食中に味わえる世界でも稀有な蒸留酒です。その味わい方もストレートやロックだけでなく、水割り、お湯割りと様々。水を加えることでアルコール度数が調整できるだけでなく、冷やしてキレ味、温めて香りと甘味を際立たせるなど、温度による風味の変化がたのしめるのも、焼酎のよさです。

とれたて&選別が命の芋焼酎

ここで焼酎の製造方法を知っておきましょう。まずは日本酒造りと同様に「製麹」を行い、その次に「仕込み」が行われます。

九州以北ではまず、麹と酵母と水での一次仕込みが行われ、その後、主原料(芋、麦、米)を加えてもろみを造る「二次仕込み」方式が主流です。そして、できたもろみを蒸留器に入れ、高温の蒸気を当てて沸騰させ、アルコールを含んだ蒸気を冷却する「蒸留」作業へ。

できた原酒の酒質を安定させ、まろやかにするためにステンレスタンクや和甕(わがめ)などで「貯蔵・熟成」します。そして出荷前にアルコール度数を調整する「割水などの仕上げ」を行い、完成となります。この流れは、どの主原料でもほぼ同じですが、特に芋焼酎の場合には、「仕込み」の前段階がとても重要。

サツマイモは、ジャガイモに比べると痛みが早い芋。そのため、芋焼酎に使用するものは前日または当日の朝に収穫して、泥付きのまま焼酎の製造所へ。到着後、速やかに泥や汚れを洗いながら芋の両端を切り落とし、さらに傷んでいるものや変色、虫食い部分などを手作業で削り取ります。芋は傷ついた部分があると、そこから抗菌性のある物質を分泌し、焼酎の劣化臭である芋傷み臭の原因に。大変ですが、おいしい芋焼酎には欠かせない大事な作業なのです。また、近年には宮崎県産の焼酎用サツマイモ「ジョイホワイト」のように病害虫に強い品種も登場。虫が付きにくいだけでなく、フルーティーで爽快な味わいを生むと評判です。

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米の磨き方、品種が決め手の米焼酎

お米を主原料に造られる「米焼酎」。古くは煮た玄米を日本酒造りに使う「黄麹」を加えて仕込んでいたそうですが、大正時代以降、日本酒造りと同じ精米したお米で仕込まれています。

日本酒の場合は、一般的な精米歩合は60~70%ほど。これは外側にある脂質やタンパク質を雑味の原因と捉えているためです。しかし、米焼酎にとって、脂質やタンパク質部分は「甘味と旨味のもと」になる大事な部分。精米歩合85~90%で、ちょうど家庭で使う炊飯用の米と同じくらいです。またその品種も、九州を中心に西日本で広く栽培される「ヒノヒカリ」をはじめ、「コシヒカリ」や「あきたこまち」など、おいしいと評判の米が使われています。

中には「山田錦」や「五百万米」など、日本酒用の品種で仕込む蔵元も。いずれも日本特有のジャポニカ米ですが、同じ米焼酎でも沖縄の泡盛は、一般的にタイ米とも呼ばれる「インディカ米」を使用。泡盛ならではのバニラのような香りも、インディカ米によるもの。米の品種以外にも発酵に黒麹を使ったり、一度に発酵させる全麹仕込み方法を用いたりするなど、泡盛は九州以北の米焼酎とは異なる、独自の製法で造られています。

一口に米焼酎と言っても米の品種や製法は地域によって様々で、その違いがそのまま味わいや香りに現れます。気になる方はぜひ、いろいろ試してみてください。

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