旨い酒処に、旨い肴あり 日本まるごと 地酒×地肴
第8回 熊本県・堤酒造

第8回 熊本県・堤酒造 隠れ里での幸せな出会い。酒を巡る旅、その喜びを存分に味わう。

1月21日に熊本テレビで放送された『日本まるごと 地酒×地肴~熊本県 堤酒造篇~』はこちらでご覧いただけます。

人吉観光のハイライトのひとつ、日本三大急流である球磨川(くまがわ)を下るアクティビティ。冬場はこたつに入りながら楽しめる。「迫力もあるけれどくつろげるしなぜか癒される。楽しい時間でした」(東さん)

タレントの東美樹(ひがしみき)さんと巡る地酒×地肴の旅。その魅力をより多くの方に伝えるべく、今回の旅はテレビ番組でも放映された。舞台は司馬遼太郎が「日本でいちばん豊かなかくれ里」と表現したという、人吉市。豊かな自然と歴史、文化が息づくこの町の地酒といえば「球磨焼酎」。この旅を通して東さんが感じたのは、酒とその場所の風土や文化との切っても切れない関係と、それを求めて人々が酒×旅に駆り立てられる理由だった。

まずは人吉駅を出発して、「青井阿蘇神社」、「球磨川下り」など人吉の観光スポットを回る。

人吉の町をたっぷり散策し、町の空気を存分に吸った東さん。地酒を知るならやはりその土地を知らなければ。それが鹿児島、島根、秋田、水戸と 4回の地酒×地肴の旅 を通じて体感した東さんの素敵な流儀。球磨川と青井阿蘇神社で感じた自然の豊かさと町の文化。出会った人たちからもらった温かさ。文章で「豊富な水資源と激しい寒暖差が良質な原材料と酒造りの環境を生み出す」、と読んでもすぐにはピンと来ないかもしれないけれど、こうして町を歩いて、水の上で時間を過ごし、空気に触れればそれが自然に感じられる。「だから、お酒を、お酒が生まれた場所で楽しむことは幸せなんです」と東さん。

人吉市内から、堤酒造のあるあさぎり町へは、くま川鉄道の観光列車「田園シンフォニー」に乗車。願いが叶う駅として人気上昇中の「おかどめ幸福」駅で下車し、いよいよ酒蔵へ。

人吉 球磨といえばやはり球磨焼酎。球磨の米、球磨川の地下水、そして球磨の酒蔵。厳しい条件を満たしてつくられる焼酎は、スコッチやシャンパーニュのように、産地呼称が世界的に認められた酒のひとつ。まさにその土地でしか造ることのできないお酒だ。その担い手である 堤酒造 を訪ねる。

伝統と熟練の技を土台にさらなる挑戦へ。頑固さと柔軟さが共存するのが堤酒造のお酒。

恵まれた球磨地方の風土、そこに熟練の技が加わり生まれる堤酒造の逸品たち。その酒蔵の様子は放映された動画でゆっくりとご覧いただきたい。ここでは杜氏の星原さんが東さんに語った言葉を紹介しよう。
「伝統は伝統として、その中でマーケットから求められるものにも積極的に挑戦していきたいんです。できないとあきらめるのも嫌ですしね。確かにさまざまな種類のお酒を造ることは大変なことではあるんですけど、でも、それがまた楽しいんですよ」
スペインから大量に取り寄せたシェリー樽での熟成、自家農園で栽培されたジョイホワイト芋を使った新しいテイストの焼酎への挑戦、晩白柚(ばんぺいゆ)、トマトといった熊本ならではの素材を使った新しいお酒など、発想を次々と形に変えていく気概。
「人吉 球磨らしさを守りながらも、地元の人が自らの手で新しいことに挑戦されていることに感激しました。やっぱり現地にくるといろいろ伝わってくることがありますね。星原さんの温かいお人柄、その中で燃える職人魂を通して、球磨焼酎がぐっと身近になりました」

さあ、杜氏の星原さんとの地酒×地肴のたのしい時間が開幕。まずは本格米焼酎『吟球磨 堤』から。

『吟球磨 堤』をロックで楽しみながら、球磨川の名物料理である鮎の塩焼きをいただく。やはりおいしいのは丸ごとがぶりといく食べ方。「ロックでいただくと、すっーと爽やかに風味が抜けた後に旨みが残ります。日本酒の吟醸酵母が使われているので、お魚料理にすごく合いますね。止まらないです(笑)」(東さん)

球磨川の美しい急流の恵みである鮎と、球磨の山の恵みである猪の鍋(写真右)。今日の席は、こうした名物郷土料理がいただける「しらさぎ荘」さんで。鮎のせごし、うるかなどの名物も動画で紹介。

猪鍋にあわせたのはワイン酵母とジョイホワイト芋を使った『蔵八 ジョイホワイト芋』。ワイングラスに氷を入れて、じっくりとテイスティング。「肉の甘みと芋の甘みがいい相性です。華やかな感じもしますし、上品な香りが印象的。ソーダで割っても美味しそうです」(東さん)

この日いただいた2本と。

球磨焼酎というブランドに甘えることなく、挑戦を続ける堤酒造。日本酒の吟醸酵母をあわせて、よりすっきり、エレガントな米焼酎の世界を開いた『吟球磨 堤』と、さつま芋の中でも最もフルーティといわれるジョイホワイト芋をワイン酵母とあわせて新たなファン拡大を狙った『蔵八 ジョイホワイト芋』という2つのお酒を通して東さんが感じたのは「たのしさ」。「新しい挑戦といっても、ちゃんと郷土料理に合いますし、やはり伝統は大切にされている。その中でたのしいお酒を造っていこう、提供していこうというお気持ちが素敵だと思いました」。

鹿児島生まれ、福岡育ちの東さんだが、その間に位置する人吉へは初めての訪問。町を歩き、川を下り、酒蔵を訪れ、地のものを食べ、酒を酌み交わす。その間にすっかりこの地に魅了されたようだ。東さんはしみじみと語る。
「かくれ里と聞いていましたが、とてもお洒落で洗練された町並で、明るくて美しい場所ですね。700年もの長い時代、ひとつの藩が統治していたと聞いて驚きました。そして、その歴史をただ守るだけではなく、今、人吉で生きていらっしゃる方が、伝統を生かしながらもいろいろな努力をされている。それがお酒にも表れていて…。やっぱりお酒の旅はいいですねぇ」
かくれ里は、実は広く世界に開かれた場所だった。地酒と地肴のたのしい旅。さて、次回は何処へ。

人吉は温泉の街。人の温かさと湯の温かさとで心もほぐれていく。

かくれ里の名物ケーキ屋さん「ラッキーブランチ」では名物のチーズケーキをいただく。洗練された味わいと優しい雰囲気の店内へ。スイーツを楽しむ午後もまた、心落ち着く癒しの時間。

人吉の名物のひとつ、うなぎを「うなぎの松田」でいただきながら米焼酎。酒蔵訪問への期待感が高まる瞬間だった。

堤酒造

吟球磨 堤
720ml

500年の伝統を持つ球磨焼酎の「王道」を守りつつ、黄麹と吟醸酵母を用いて醸し、なめらかな味わいと華やかな香りをたのしめます。熊をモチーフにした
かわいらしいボトルも印象的です。

堤酒造

蔵八 ジョイホワイト芋
720ml

自家農園で栽培されたジョイホワイト芋をワイン酵母で仕込んだ、芋焼酎。 柑橘果実を感じさせる香りと芋のフルーティな甘みが広がりつつ、 スキッとした余韻と喉越しが味わえます。

今回の旅人 東美樹

ひがし・みき 福岡県出身のタレント、WOWOW「WOWOWぷらすと」などのエンターテイメント番組をはじめ、旅番組などへの出演でも活躍中。海外への留学経験から英語も堪能で、海外ミュージシャンへのインタビューも難なくこなす。オーガニック料理ソムリエの資格を有し、ヨガや乗馬、ダイビングを愛するスポーツ好きの一面も。BSフジ「スーパーフォーミュラ」2017年ピットレポーター。レギュラー出演中※第1戦~第7戦まで生中継。