熱い人と、冷たいビールの物語 クラフトビール物語

Vol.7 「この土地で造る」というプライドを探る 宮崎の恵み、宮崎の誇り。ビールを通して広がる笑顔の輪をもっと強く、もっとたのしく。

今や全国で作られるようになったクラフトビール。マイクロブルワリーと呼ばれる小さな醸造所から、コンビニにも商品が並ぶ大手まで、その一つ一つにビール造りの哲学があり、ビールに込めた愛がある。一杯のビールの味わいに詰めこまれた、造り手たちの熱い、熱い情熱の物語を追いかけて、日本各地のブルワリーをめぐります。

行縢(むかばき)山の自然の中で育まれた、「オール宮崎」のビール。原料はもちろん、機器までを含めての取組みに唸らされた藤原さん。午前中の大瀬川の清らかな流れを思い出しながら、いよいよテイスティングの時間へ。

▲大瀬川の鮎やな。あの水を思い出しつつ。

藤原さん:さあ、それではまずは、『J-CRAFT 日向夏の風』からご紹介いただきましょう。
梶川さん:宮崎の特産物である日向夏の果汁をビールと一緒に熟成させた、いわゆるフルーツビールというカテゴリーのものになります。エールタイプです。日向夏はオレンジの一種。特徴的なのは、白い綿の部分が分厚いんですが、そこが甘くて美味しいんです。果汁も綿の部分も使っています。
藤原さん:では早速いただきましょうか。まずは乾杯!

▲乾杯後、じっくり色もチェック

藤原さん:お? 美味しいね。柑橘の感じがはっきりわかりますね。香りからもふわっと優しく、柑橘の爽やかさが伝わってきますし、口の中でも同じように広がっていく。

梶川さん:日向夏というオレンジ自体、優しい柑橘系の香りがする果物で、それが色濃く反映されていると思います。ビール初心者の方でもすーっと入りやすいのではないでしょうか。
藤原さん:とても爽やかでフレッシュ! 甘みも抑えられてスイスイ飲めますね。それでもうまみもしっかりある。(また一口飲んで)おいしいです!ただ、普段はラガータイプを中心に作られているので、フルーツビール、エールタイプと、また違うビール造りとなる部分で苦労があったのではないですか?
梶原さん:はい。フルーツの香り、優しさと、ビールとしての美味さ。そのバランスについてはかなり意識しました。どちらかだけが前に出てもいけない。
藤原さん:見事なバランスだと思いますよ。食前に飲むのもいい。魚介類、サラダ、チキン、ポークもいいですね。フルーツを使ったデザートまでいけそうですよ。

▲『月のダークラガー』もテイスティング。コーヒーやダークチョコレートを感じるアロマ、ロースト感もしっかり。
すーっと喉を通っていくスムーズな感覚が気持ちいい。

梶川さん:それでは「オール宮崎」を味わっていただきましょう。宮崎産の大麦を100%使った
『YAHAZU』です。
藤原さん:原料ばかりではなく、機材まで「オール宮崎」。楽しみにしていましたよ。
※「オール宮崎」については前編をご覧ください。

藤原さん:純白で、決め細やかな泡ですね。大麦の成分に含まれるたんぱく質がしっかりある証。宮崎の大麦、いいですね。乾杯! はぁ…美味しい。苦味も最後にふわっとくる。宮崎の結晶ですね。

▲ 待望の『YAHAZU』を飲んで納得の表情の藤原さん。

梶川さん:ビールは外国産の原料を使わないとできない、という考え方があって。社内でも宮崎産でやろうというのは反対もありました。しかし、一番メジャーに流通しているけれども一番難しいジャーマンピルスナーというスタイルで美味しいものを作りたい。きちんと完璧に作りたい。その気持ちは強く、地元で麦芽栽培まで成功させました。そういったチャレンジャー精神が、ということが『YAHAZU』の根本にはあります。

▲ 「オール宮崎」について熱く語る梶川さん。

藤原さん:そしてもうひとつおもしろいのが、『YAHAZU』は宮崎県内の飲食店でしか飲めないということですね。営業的にはいろいろ外に出したほうがいいんでしょうけれど、美味しいものを飲むために足を運ぶのもまたいい。
梶川さん:原料、機材も宮崎のものを使うことで経済の活性化を図りたい。これと同じで、県外から来た観光客の皆さんが、このビールを飲むために宮崎に来てくださって、そして県内の飲食店でたのしんでいただくことで経済の活性化に貢献したいと考えています。
藤原さん:皆さん、このビールを飲みに、ぜひ、宮崎にいらっしゃってください。足を運ぶ価値、ありですよ!

▲最後にもう1杯。宮崎でしか飲めない。それがまた、いい。

世界に通用するビール造りの匠と、宮崎産の原料、宮崎のモノづくり、そして宮崎への思いが融合する。それがひでじビールならではのクラフト魂。飲む人の笑顔が、地元の人々の幸せになる。地元の人々の頑張りが、飲む人の「美味しい」になる。ビールがつなぐ物語。日向夏の香りを感じながら、ビールのうまみを味わいながら、たのしみたい。


前編と後編を合わせてご覧になりたい方はこちらから

ひでじビール

『J-CRAFT 日向夏の風』

330ml

生産量日本一を誇る宮崎県産「日向夏」の果汁を、ビールとともに熟成。爽やかで 優しい柑橘の風味とビールとしての味わい、ほろ苦さの抜群のバランスが特徴。 飲みやすく、食事にもあわせやすいエールタイプです。

ひでじビール

『J-CRAFT 華ほの香 日向夏の風 HYUGA NOBEOKA』

330ml

柑橘特有のほろ苦さがあり、日向夏らしい爽やかな香りと甘みが弾ける、キレの良い味わいです。

ひでじビール

『月のダークラガー』

330ml

チョコレート、ロースト、カラメルと3つのモルトを使用。穏やかな苦味と大人の甘
みが絡み合いながら、すっきりとした喉ごしもたのしめるダークラガーです。
スモーキーな炙り料理との相性もおすすめです。

ひでじビール

『YAHAZU』

330ml

宮崎県内飲食店限定アイテム。矢筈の滝から流れる地下水、自家培養酵母、宮崎県産大麦、モルトを100%使用。ひでじビールが掲げる「オール宮崎」に徹底してこだわった、
香り高く、味わい深い、ジャーマンピルスナースタイルのビールです。

藤原ヒロユキ

今回の旅人 藤原ヒロユキ

ふじわら・ひろゆき ビアジャーナリスト、ビール評論家、イラストレーター。1958年生まれ。大阪教育大学卒業後、中学教員を経てフリーのイラストレーターに。ビールを中心とした食文化に造詣が深く、一般社団法人 日本ビアジャーナリスト協会代表として各種メディアで活躍中。季刊「ビール王国」編集主幹。ビールに関する各種資格を取得、ワールドビアカップをはじめ欧米の国際ビアコンテストの審査員を務める。日本外国特派員協会会員。ビールにまつわる著書多数。主な著書に「知識ゼロからのビール入門」(幻冬舎)、「BEER HAND BOOK」(ステレオサウンド)など。