たのしいお酒.jp

我らお酒にひと言あり 六酒仙、かく語りき

太田光代の、今月のマリアージュ。

ゆっくりおうちでワインや日本酒を楽しむ幸せは、他の何ものにも代えがたい。おうちで、自分のペースで飲むお酒だから、自分好みの音楽に合わせて、自分好みの映画とともに、自分好みの飲み方で、楽しめるのがいいところ。そんなくつろぎ時間のお酒の楽しみ方を、太田光代さんがナビゲート。さて太田さん、今月は、何に合わせて頂きましょう?

  • facebook
  • twitter
秋の夜長に、じっくり楽しむ赤ワイン

秋がどんどん深まっていく10月。陽が落ちるのも日毎に早まって夜が長くなる分、腰を据えてじっくりとお酒を楽しむことができる季節ですね。また、朝晩は冷えてくるからか、食事もこってりとした味付けのものや温かいものが欲しくなる。そうなると合わせたいのはやっぱり赤ワイン。今回は10月にふさわしい赤ワインと私なりの「秋の夜長」の過ごし方についてお話ししたいと思います。

▲ 秋はやっぱりワインの季節。

まずおすすめしたいのが《シャトー・オー・ブリオン》。これは5大シャトーの1つで、決してお手頃な銘柄ではありません。でもあえてここでおすすめする理由は、皆さんにちょっと贅沢な気分を味わってほしいから。秋の連休に友人同士で旅行の計画を立てている方も多いと思いますが、今年は少し目先を変えて皆でお金を出し合って高級ワインを買い、自宅でワイワイ言いながら極上の一杯をのんびり楽しんでみるというのはいかがでしょうか。

5大シャトーを飲み比べると《シャトー・オー・ブリオン》は味の軽やかさが評価されることが多いと思うのですが、私の印象では決して味が軽いわけではなく、他の銘柄と比べるとメルローの比率が高いので、渋みが少なく味に柔らかさを感じるような気がします。《シャトー・オー・ブリオン》で面白いのは5大シャトーの中で唯一、白《シャトー・オー・ブリオン・ブラン》があること。これは赤以上に生産量が少なく値が張る銘柄ですが、レモネードのような爽やかさが口いっぱいに広がって、いろいろな白ワインがある中でもかなり独特な味わいが楽しめるんです。

最初に家でワインを楽しむ会の提案をしましたけど、秋から冬にかけてはホームパーティーにぴったりの季節ですよね。長い冬が明けた春には、お外に出てお花見をしたり新緑を全身で感じたりしたくなっちゃうし、夏は海辺や高原に出かけたくなる。でも今の時期って皆と一緒でも家で過ごすのが心地いいじゃないですか。もし家で少し贅沢に少人数のワインパーティーを開くなら、まずはシャブリから入って、次に《シャトー・オー・ブリオン・ブラン》を。最後に何かお手頃な赤ワインと一緒にメインの食事を楽しむ。こういう感じでのんびり過ごすのがいいんじゃないかしら。ここではあえてビールなど他のお酒を入れずに、純粋にワインを飲む。ワインはやっぱり秋が一番おしいしいですから。

▲ チリワイン「ルイス・フェリペ・エドワーズ」。しっかりとしたコクが秋の夜長を楽しむにぴったり。

いま、密かに注目しているのがチリワインの《ルイス・フェリペ・エドワーズ》。しっかりとしたコクが感じられて、凄く丁寧に作られているのがわかるし、価格的にも普段飲みに最適。チリワインはここ数年いい銘柄が出てきているので、機会があったら色々と飲み比べてみたいと思っています。全体的な印象としては、良くなってきてはいるけどまだ平均点どまりのものが多いのかな。そんな中で、《ルイス・フェリペ・エドワーズ》のように、これからもっとアッと驚くような銘柄が出てくることを期待しています。

▲ 左奥のオルゴールからお気に入りの曲を流して音楽とワインのマリアージュを楽しむ。

以前、秋に飲みたくなるお酒についてのアンケートでワインが断トツの1位というのを目にしたのですが、「ワイン=秋」というイメージって私の中では結構以前からあるんです。そのイメージを形作ったのが昔、小田和正さんがヴォーカルを務めていたオフコースの『ワインの匂い』という曲。これは小田さんが荒井(現・松任谷)由実さんをイメージして書いた曲だと聞いたことがあるんですけど、メロディーも歌詞も凄く秋っぽくて好きなんです。小田さんの曲は彼特有の女性の心情に寄り添った歌詞が、特に秋から冬に聴くと心にしみるんですよ。

この曲のイメージがあるからか、秋に飲むワインは特に、音楽とも相性がいい気がするんです。
小田さんやオフコースの曲はもちろん、クラシックもいいですよね。今、このオルゴールで流しているショパンの《別れの曲》なんかも秋に聴きたくなる曲だし、ワインにも合うと思います。

▲ ゆったりと流れていく時間を味わうのも秋の楽しみ。

改めて考えてみると、何かと慌ただしく過ぎ去っていく春から夏にかけての季節に比べると、秋は一度立ち止まって色んな物事を振り返ることが出来る時期。スピード感を緩めたいタイミングで一番マッチするお酒が赤ワインなんでしょうね。夏に溜まった疲れを整えつつ、抗酸化作用がある赤ワインをのんびり楽しむ。秋の赤ワインはカラダのためにもいいお酒なんです。

私の場合は仕事柄、秋になったからと言ってなかなかのんびり過ごすことは出来ないのですが、少し時間ができた時に小料理屋さんに行って肩の力を抜くのが最近の楽しみ。新鮮なお刺身を切ってもらって、ワインと一緒に味わう。赤ワインは肉料理と合わせるイメージがあるけど、血合いの多いカツオやブリといった魚にも凄く合うんです。

あと、最近は和食処でも普通にいいワインがありますからね。それも白だけじゃなく赤やシャンパンの銘柄もしっかり揃っているお店が多くて嬉しくなっちゃいます。夏はビールにシャンパン、次に白ワインという感じでオーダーするパターンが多いと思いますが、この時期はまずシャンパンで喉を潤して、次に小皿料理と一緒に白ワインを。そしてメインのお料理と一緒に赤ワイン。こういう飲み方がしっくり来るんじゃないでしょうか。

  • ルイス・フェリペ・エドワーズ

    LFE900

    750ml

    海抜800mの土地でゆっくりと成長させた葡萄を使用。手摘みでの収穫や
    フレンチオーク樽、アメリカンオーク樽で熟成させるまで凝縮感のある味わいが実現しました。

    詳細はこちら
  • facebook
  • twitter
太田光代

おおた・みつよ 東京都出身。芸能事務所『タイタン』社長、タレント。雑誌モデルを経て、タレントとして活動。90年、爆笑問題の太田光さんと結婚。93年、芸能事務所『タイタン』を設立し、社長に就任、爆笑問題ほか、多数の芸人、タレントをマネージメントする傍ら、自身もTV出演、ワインや日本酒のプロデュース、店舗経営、著書執筆など幅広い領域で活躍する。主な著書に、『私が「にんぎょひめ」だったころ』(集英社インターナショナル)、『独走』(KINOBOOKS)など。