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我らお酒にひと言あり 六酒仙、かく語りき

中林美和の、あらためて、日本酒入門

Vol.3 高い日本酒が何にでも合うわけじゃない?意外と知らない料理と日本酒の相性を学ぶ

日本酒は大好き。よく飲みます。だけど、実はあんまり詳しくないんです。
そんな女性を代表して、モデルの中林美和さんが<日本酒の先生>に「日本酒のイロハ」を教えていただく連載企画。

第3回目の今回は、お酒を通じてお客様の満足と幸せ感を追求し、豊かな生活に貢献する“酒類コーディネイター”としても知られる株式会社SBS代表取締役社長 吉田和司(よしだかずし)氏を先生にお招きし、実際に飲んで食べて驚く、「料理と日本酒のマリアージュ」について学びます。

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二日酔いになりにくい料理とは?

先生:今回は料理とお酒のマリアージュについてお話しましょう。マリアージュとはフランス語で「結婚」。つまり、異なるもの同士のマッチングを意味します。お酒の業界では、料理とお酒の相性の良さを表すときに使われますね。

このマリアージュについて解説をする前に、唐突なんですけど、中林さんは二日酔いをしますか?

中林:します! 気分が良くなって、いろんなタイプのお酒を飲んじゃうと、翌朝ツラいことになります。

先生:二日酔いはシンドいですよね。実は二日酔いを軽くするためにも、マリアージュは重要なんです。

中林:料理の選び方を変えると、二日酔いをしにくくなるってことですか?

先生:ええ。そのためには、二日酔いの仕組みを説明しましょう。体の中に入ったアルコールを分解するのは肝臓です。しかしアルコールを大量に摂取すると、肝臓が疲れて、二日酔いになってしまいます。これを防ぐためには、肝臓にもっと頑張ってもらうために、栄養を与えてあげればいい。それが「タンパク質」と「ビタミン」です。これを多く摂取すると、肝臓の分解力を長持ちさせることができます。

中林:例えばどんな食べ物ですか?

先生:たくさんありますが、タンパク質であれば、よく言われるのがお肉、それから卵やチーズですね。ビタミンだとアセロラやレモン。両方を兼ねそなえている食べ物であれば、今の時期はウナギもいいですね。これは私が実践していることですが、料理の付け合せのレモンをがぶっとかじったり、家に帰ったあとにグレープフルーツジュースを飲むようにするだけでも、翌朝はだいぶ変わりますね。

先生:このように、お酒を楽しむうえで、料理とのマリアージュはとっても重要なんですよ。

中林:ということは、お酒をもっとおいしくするマリアージュもあるんですよね?

先生:もちろん! 「ビールに枝豆」のような簡単なものから、もっと複雑なものまで、いろんなマリアージュがあります。ここでは料理によって日本酒がぐっとおいしくなるマリアージュを紹介しましょう。

吟醸酒が合う料理とは?

先生:日本酒と料理のマリアージュを知るためのキーワードは「同調」です。つまり、日本酒と料理の両方に共通する点を探す。温度、香り、雰囲気……、何でもいいので「似ているところ」を見つけてください。その中でも今回は、一番わかりやすい「味の濃さ」のマリアージュについて説明します。

ここに味付けのまったく違う4品の料理を用意しました。「イワシのカルパッチョ」「タイのお刺身」「サバの味噌煮」「サバの塩焼き」です。

中林:どうしてすべて魚料理なんですか?

先生:それは味付けによるマリアージュの違いをわかりやすくするためですね。では、まずこれを2つに分類しましょう。さっぱりした料理(カルパッチョ、お刺身)としょっぱい料理(味噌煮、塩焼き)です。日本酒は本醸造から純米大吟醸まで幅広く用意しました。それでは、カルパッチョに合うのは、どれだと思いますか?

中林:(飲み比べてみて)……この「日光戦場ヶ原鬼ころし 吟醸」が一番合う気がします。

先生:素晴らしいですね。その通りです。吟醸酒は香りと辛口のバランスがいいので、カルパッチョの酸味を洗い流してくれるんですよ。ワインで言う「ウォッシュ効果」です。では倍くらい値段が高い「純米大吟醸 神月」はどうでしょう?

中林:ちょっとカルパッチョには香りが強すぎる?

先生:そうなんです。値段が高い純米大吟醸だからといって、どんな料理にも合うわけではないんです。では、どんな料理に合うかというと、白身魚のお刺身です。

中林:確かに、さっきと比べてお酒の味まで変わったように感じます。

先生:日本酒の主張が強いので、それとぶつからない淡白な素材を活かした料理が合うんですね。反対にカルパッチョやお刺身といったさっぱりした料理に辛口の純米酒や本醸造酒を合わせようとすると、決して悪くはないんですが、お酒の良さを引き立てるほどではないんです。

熱燗の魅力を再発見!

中林:では、しょっぱい料理にはどんな日本酒が合うんですか?

先生:まず最初に言えることは、香りが豊かな吟醸酒は合いません。お酒の特徴である香りの豊かさが、味付けの濃さに負けてしまうんです。だから、辛口の純米酒や本醸造酒で飲み比べてみましょう。サバの塩焼きで合わせてみてください。

中林:お刺身やカルパッチョと一緒に食べたときは「うーん」って感じでしたけど、今度は自然にすっと入ってきました。

先生:好みとしてはどちらが合いました?

中林:私は「おもてなし 生酛造り 辛口純米酒」のほうが合うかなって思いました。

先生:なるほど。今度は熱燗と一緒に食べてみてください。

中林:あ、さらにおいしく感じます。

先生:これは「温度」を似せて料理とお酒を合わせたんです。そこでもっとマリアージュを極めるために、「あさ開 本醸造 昭和旭蔵」も熱燗にしてみました。

中林:これ、まったく別のお酒みたいです。すっごく飲みやすい。

先生:本醸造酒というのは醸造用アルコールを加えた辛口の日本酒ですが、このアルコールはもともと無味無臭なんです。しかし不思議なことに、温めると旨味成分が増して、華やかな味と香りがします。本醸造酒が冷たいままだと女性は飲みづらいかもしれませんが、温かい料理に合わせるときには熱燗にすることで、がらっとイメージが変わると思います。

グラスにもマリアージュがあります

先生:それをもっとわかりやすくするために、今度はサバの味噌煮と合わせてみてください。

中林:これは合いますね。同じお酒なのに、カルパッチョやお刺身に合わせたときとはまったく違います。

先生:料理と合わせるときに、お酒の種類だけじゃなくて温度も合わせると、一気に日本酒が引き立ちます。それだけ料理とのマリアージュは大切なんですよ。たくさん日本酒が置いてある居酒屋に行ったら、ついつい有名な銘柄に手が伸びてしまうと思います。でも、マリアージュという意味では、「料理と似ている」お酒を頼んだほうが、よりおいしく料理も日本酒も楽しめるんです。

本醸造酒は熱燗で、純米酒は味が濃い料理、吟醸酒は酸味がある料理、そして大吟醸は淡白な料理というようなマリアージュを覚えておいてください。

中林:それがお店で自然とできたらかっこいいですね。

先生:あと、お家で飲むときはグラスとのマリアージュもあります。薄いグラスには冷たい日本酒、厚いグラスには温かいものを合わせると、ぐっと飲みやすくなりますよ。

中林:同じお酒で比べてみると、本当に違いますね! 今までグラスはデザインで選んでいましたけど、これからは用途に合わせて選ぶようにします。

<中林さん、いかがでした?>
今まで何となく日本酒を選んでいました。ちょっといいお店だったらいい日本酒みたいに。でも、高いお酒だからって何にでも合うわけじゃない。しっかり料理とのマリアージュを考えたうえで選べば、日本酒の味がこんなに変わるって、すごい発見でした。楽しく日本酒を飲んで、もっと料理をおいしく食べるためにも、今回学んだことを活かしていきたいです。

秋田県醗酵工業 おもてなし 生酛造り 辛口純米酒

秋田県醗酵工業

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720ml

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北関酒造 日光戦場ヶ原鬼ころし 吟醸

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小玉醸造 太平山 純米大吟醸 神月

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あさ開 あさ開 本醸造 昭和旭蔵

あさ開

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中林美和

中林美和

なかばやし・みわ 東京都出身、モデル。雑誌「CanCam」(小学館)の専属モデルを経て、様々な雑誌やTV、イベントなどで活躍。結婚、出産を経て現在は、雑誌「VERY」(光文社)やTVのナビゲーターなど多方面で活躍中。料理上手としても知られる。著書に、『おんぶにだっこでフライパン〜4人育児の奮闘記〜』(KADOKAWA)、『Mama Hawaii』(KKベストセラーズ)、『美和ママごはん♡』(セブン&アイ出版)などがある。