たのしいお酒.jp

我らお酒にひと言あり 六酒仙、かく語りき

正直なところ、旨いお酒は、ただそれだけでいいものだ。
その上そこに、気分にハマるつまみがあれば、
旨いお酒はよりいっそう旨くなる。
包丁さばきに迷い無し。芸能界イチの料理人ことキム兄が、
今宵のお酒を楽しむための、満点つまみを振る舞います。

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Vol.8 体と心にやさしくしみる。一手間もたのしい、魚のつまみ。

2017年、明けましておめでとうございます。正月休みで飲むお酒は一年で一番のんびり楽しめますな。そのままお屠蘇気分が抜けずに普段通りの生活に戻っている人も多いと思うけど、まあこの時期くらいはええやないですか。そんな酒飲みの皆さんにおすすめする今月のつまみは魚料理。底冷えする日もおいしい魚で日本酒をキュっと一杯。体も心も温まりまっせ~。

では今月も3品、行ってみましょ!

【1品目】
鮭のムニエル 香りと旨みのバターソース

  • 材料:

  • 鮭の切り身 1枚

  • 薄力粉 適量

  • サラダ油 大さじ1

  • 有塩バター 15g

  • 醤油 小さじ1/2

  • しば漬け 2つまみ分

  • みかんの皮

  • 塩、コショウ 適量

  1. 作り方:

    ①しば漬けを細かく刻む。

  2. ②みかんの皮の表面を包丁で親指大に5〜6枚薄く取る。皮裏の白い筋がついてしまった場合はきれいに取り、みじん切りする。

  3. ③鮭に軽く塩コショウを振り、薄力粉を全体にまぶす。

  4. ④フライパンにサラダ油を敷き、鮭の皮の方を下にして焼き色がしっかりつくまで焼く。やや弱火にするのがベター。

  5. ⑤鮭を焼いた後のフライパンは洗わず、そのままバターを熱する。バターが溶けたら刻んだしば漬けと醤油を加える。

  6. ⑥溶かしバターを鮭にかける。最後にみかんの皮を散らして完成!

昔ホテルで働き始めたばかりの頃、レストランのメニューに〈鮭のムニエル アンチョビバターソース〉ってのがあって、当時18歳ですから先輩に「アンチョビって何ですか?」って聞いたんです。そしたら「鰯の塩漬けや!」って言われて。ほいで食べてみたらこれが美味くてね。それから鮭のムニエルをよく作るようになったんやけど、アンチョビ以外にもバターと合う物はないかなと試していたら、意外としば漬けも合うんです。いわば京風のムニエルですな。最後に刻んだみかんの皮を散らしたのは、この部分にみかんの旨味がギュッと詰まっているから。レモンや柚子、スダチもいいけど、今の時期は家にみかんがたくさんあるでしょ? 捨ててしまう皮をこうして使えば、ムニエルにほどよく酸味のアクセントをつけられますよ。

▲みかんがええ感じに香ってるわ~。

【2品目】
メカジキのステーキ シャリアピンソース

  • 材料:

  • メカジキの切り身 1枚

  • 玉ねぎ 1/2個

  • 塩、コショウ 適量

  • 薄力粉 適量

  • サラダ油 小さじ1

  • 料理酒 大さじ2

  • 醤油 大さじ2

  • 砂糖 大さじ1

  1. 作り方:

    ①玉ねぎを粗みじん切りする。

  2. ②メカジキに塩コショウを多めに振り、薄力粉を全体にまぶす。

  3. ③フライパンにサラダ油を敷き、メカジキを弱火~中火で調節しながら焼き色がつくまでじっくり焼く。

  4. ④メカジキを焼く間に料理酒と醤油、砂糖を混ぜておく。

  5. ⑤メカジキを焼いた後のフライパンは洗わず、そのまま刻み玉ねぎをあめ色になるまで炒める。

  6. ⑥⑤に④の合わせ調味料を加え、再び加熱して酒分を飛ばす。

  7. ⑦⑥をメカジキにかけて完成!

これは魚を肉に見立てた料理。メカジキは白身で淡白な味なので、玉ねぎを使ったシャリアピンソースの濃厚な味付けがいいんじゃないかと。あと淡白とはいえ、今の時期のメカジキはしっかり脂がのっているのでステーキ風にすると絶品なんです。普通、シャリアピンソースは玉ねぎを細かく刻むんだけど、少しシャキッとした感じを残したくて粗みじん切りにしています。玉ねぎをあめ色になるまでしっかり炒めたら甘味がどんどん出てくるし、合わせ調味料によくなじむ。日本酒はもちろん、ワインもいけまっせ!

▲脂のりのよさはこの時期だからこそやね。

【3品目】
サバのフリット
めんたいマスカルポーネソース

  • 材料:

  • サバの切り身 2~3枚

  • 塩、コショウ 適量

  • 小麦粉 適量

  • 天ぷら粉 適量

  • 冷水 適量

  • サラダ油 適量

  • 明太子 中身を小さじ1

  • マスカルポーネチーズ 小さじ1

  • マヨネーズ 少々

  1. 作り方:

  2. ①サバは短い骨をしっかり取っておき、2cm幅でカット。

  3. ②サバに塩コショウを振り、小麦粉をまぶす。

  4. ③ボウルに適量の天ぷら粉を入れ、説明書通りに冷水を加えて混ぜる。

  5. ④フライパンにサラダ油を多めに入れて熱しておく。

  6. ⑤サバを③にまぶし、フライパンでじっくり焼き揚げる。

  7. ⑥その間に明太子、マスカルポーネチーズ、マヨネーズを混ぜて小皿に。もう一枚の小皿には塩を盛っておく。

  8. ⑦2種類の味でめし上がれ!

フリットといったら白身魚の印象がありますけど、サバもかなりイケるんです。サバの竜田揚げはポピュラーじゃないですか。あれをもう少しカリカリっとさせるイメージで作りましょう。もちろんムツでもスズキでもいいんですけど、サバが一番お手軽だと思います。普通はフライヤーや揚げ物用の鍋を使うけど、片づけも面倒なのでフライパンに油を多めに入れて焼き揚げました。ひっくり返しながらじっくり焼き揚げればちゃんとフリッターになりますよ。あっさりした食感のサバには、明太子とマスカルポーネのこってりしたテイストが絶妙です。シンプルな塩味も用意しましょう。

▲食感も楽しんでや。

今回の魚のつまみ、どうでしたか? 魚料理というと刺身や鍋、煮魚塩焼きって感じですが、つまみとして料理するならこうやって少しアレンジしてみると楽しいですよ。ここで紹介したレシピを、スーパーに並ぶ色とりどりの魚の中から選んで試してみるのも料理の幅が広がるはず。やっぱり日本は魚が豊富ですからね。魚のつまみの作り方はたくさん覚えておいて損はないです。

ほな、今月はこの辺で。また来月!

▲ほかほかの魚と冷酒の組み合わせ。とまらんわなー。

  • あさ開

    南部流寒造り純米吟醸

    720ml

    詳細はこちら

4品目
キム兄から、笑いのおつまみ ―写術― もう一品。

写術とは…自ら撮影した写真をお題に、巧みな話術でそこに写し出された“面白さ”を引き出す芸のスタイル。20年以上続けている、キム兄のライフワーク。

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木村祐一

きむら・ゆういち 1963年、京都府生まれ。ホテルマン、職人などを経て23歳でデビュー。お笑い芸人としてTVや劇場を中心に多方面で活躍中。人とは異なる視点で様々な事象を読み解く吉本唯一の随想家と呼ばれ、ライフワークとしている「写術」はその独特の世界観に引き込まれる人多数。ホテルマン時代から磨き続けた料理の腕前は芸能界イチとの呼び声も高く、「キム兄&クックパッド つまみ越え」(主婦と生活社)ほか料理に関する著書も多数。