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我らお酒にひと言あり 六酒仙、かく語りき

正直なところ、旨いお酒は、ただそれだけでいいものだ。
その上そこに、気分にハマるつまみがあれば、
旨いお酒はよりいっそう旨くなる。
包丁さばきに迷い無し。芸能界イチの料理人ことキム兄が、
今宵のお酒を楽しむための、満点つまみを振る舞います。

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Vol.7 冬だからこそ味わえる美味と美酒。おうちであったか、あんかけのつまみ。

年の瀬の12月。何かとせわしない日が続きますな。疲れた体に寒風が染みる夜は、さっさと家に帰ってのんびり過ごしたいもの。冷えた体と心を温めてくれるのはやっぱりおいしいお酒と料理。と、いう訳で今月のテーマは冬にぴったりのあんかけつまみ。熱々をハフハフと頬張りながらグイッと一杯。この時期だけの醍醐味ですよ。

では今月も3品、行ってみましょ!

【1品目】
里芋のあんかけしば漬け風味

  • 材料:

  • 里芋 5、6個

  • 鶏挽肉 50g

  • しば漬け 小皿1枚分

  • おろし生姜 適量

  • だしの素(顆粒) 小さじ1

  • 片栗粉 小さじ1

  • 薄力粉 適量

  • 塩 ひとつまみ分

  • 砂糖 大さじ1

  • 薄口醤油 大さじ5

  • 水 適量

  • サラダ油 少々

  • ごま油 少々

  • 一味唐辛子 適量

  1. 作り方:

    ①里芋をよく洗って皮を厚めに剥き、ひとつまみ分の塩をまぶした後に再び水洗いする。

  2. ②里芋をキッチンペーパーで乾かし、薄力粉をまぶしておく。

  3. ③小鍋にサラダ油を敷き、中火で里芋を焼き色がつく程度に焼く。この間にしば漬けをみじん切りにする。

  4. ④③の小鍋に水300mlとだしの素、砂糖、薄口醤油大さじ4を加え、落とし蓋をして10分間煮る。最初はやや強火で、煮立ったら中火で。

  5. ⑤水溶き片栗粉(片栗粉小さじ1に水小さじ2)を作る。

  6. ⑥フライパンにごま油を敷き、鶏挽肉を菜箸でほぐしながら炒める。

  7. ⑦挽肉に火が通ったら水100mlを加え、再び加熱して軽く水気を飛ばす。さらに薄口醤油大さじ1、しば漬け、水溶き片栗粉を加えてあんを作る。

  8. ⑧皿にあげた里芋にあんをかけ、おろし生姜を添えて一味唐辛子をふりかけて完成。

しば漬けを使うと言うと驚かれる人も多いと思うけど、僕の地元、京都ではしば漬けはすぐきや千枚漬けと並んでごく当たり前に食べる漬物。特にしば漬けは発酵でいい風味が出ていますからね。料理の味つけにも最適なんです。しば漬けを使う場合は他に余計な味つけをしない方がいいくらいですわ。

秋から冬にかけて旬の里芋ですが、中までしっかり熱を通さないと芯が残ってしまうのでそこだけは気を付けましょう。パパッと作りたい人は先にレンジで加熱するのもあり。ホクホクの里芋に温かいあんの組み合わせは日本人に生まれて良かったと思わせられる味わい。しば漬けの風味もいい具合に効いています。日本酒との相性もバッチリやね。

▲ほくほく、あつあつをたのしんでや。

【2品目】
炒め黒酢酢豚

  • 材料:

  • 豚バラ肉 厚切りスライス100g

  • うまみ調味料 適量

  • 生姜の搾り汁 適量

  • 料理酒 適量

  • 片栗粉 適量

  • 水 100ml

  • 黒酢 大さじ5

  • 砂糖(蜂蜜でも可) 大さじ2

  • 醤油 大さじ3

  • オイスターソース 大さじ1

  • サラダ油 大さじ1

  • ごま油 適量

  1. 作り方:

    ①豚バラ肉を一口大に切りにうまみ調味料1ふり、生姜の搾り汁、料理酒小さじ1/3、片栗粉小さじ山盛り1をまぶして少し置いておく。

  2. ②ボウルに水100ml、黒酢、砂糖、料理酒大さじ2、醤油、オイスターソースをよく混ぜ、タレを作る。

  3. ③中華鍋でサラダ油を熱し、豚バラ肉を何度もひっくり返さないように両面焼く。油が出過ぎた場合はペーパーで吸おう。

  4. ④②のタレに片栗粉小さじ1を加えてよく混ぜ、③に加えて加熱。具と絡めながら中火でじっくり煮詰める。

  5. ⑤最後にごま油をひと回し振りかけて完成。

これは木村家の名物料理のひとつ。酢豚と言うと豚肉を揚げてからあんと絡めるから少し面倒なイメージがあるけど、揚げるんじゃなく、下味と片栗粉をつけて焼いてしまえば簡単でしょ? おつまみで作るんならやっぱり楽ちんじゃないといけません。

簡単ついでで言えばとろみ付けの片栗粉。これも普通は味つけした後に水溶き片栗粉を入れるけど、最初からタレに混ぜてしまえば面倒な工程がひとつ減らせます。味付けも同じで、あまり色々と調味料を使うのではなく、シンプルに黒酢の酸味で豚バラ肉の旨味を生かす。黒酢は火を入れると香りが引き立って食欲がそそられるんです。この香りだけでもお酒が進みますな!

▲黒酢の酸味と豚肉の甘みのタッグがたまらん。お酒はどこや!

【3品目】
ネギ入り出汁巻き青のりあんかけ

  • 材料:

  • 卵 3個

  • 塩 ひとつまみ

  • 長ネギ 5cm

  • 片栗粉 小さじ1

  • 水 適量

  • だしの素(顆粒) 適量

  • 薄口醤油 小さじ2

  • 青のり 小さじ1

  • サラダ油 大さじ1

  • ごま油 少々

  1. 作り方:

  2. ①ボウルに卵を割り入れ、塩とみじん切りにした長ネギを加えてかきまぜる。

  3. ②さらに水大さじ1、だしの素ひとつまみと薄口醤油小さじ1を①に加える。

  4. ③卵焼き器でサラダ油を熱し、②を焼く。最初は2/3程度を一気に流して大きく混ぜ、半熟状態で片方に寄せて一度ひっくり返す。

  5. ④②の残りを流して薄焼き卵を作り、③をくるくると巻いていく。これで出汁巻きの完成。

  6. ⑤小鍋に水100mlを沸かし、だしの素小さじ1/2、薄口醤油小さじ1、青のりを加える。最後に片栗粉小さじ1と水小さじ2で作った水溶き片栗粉を加えてとろみをつける。

  7. ⑥食べやすい大きさに切った出汁巻きを皿に盛り、⑤のあんをかけて完成。

出汁巻きも京都ではポピュラーな料理。そこにネギと青のりを混ぜてみました。青のりは前も使ったと思うけど、関西では焼きそばやお好み焼きに欠かせないからどこの家にでもある。けど何回か使った後余ったりするでしょ?そういう時は卵料理に混ぜると味の点でも、色味の点でも相性抜群。おすすめですよ。
出汁巻きの味はそんなにしっかりつけなくても構いません。その分青のりがしっかりカバーしてくれますからね。口に頬張った瞬間、あんの中の青のりの風味がバーッと広がってしみじみと美味さを感じます。年配の方にも食べてもらいたいなあ。

▲このあんの中の青のりの風味まで味わっていただきたいな

今回のあんかけつまみ、どうでしたか? 意外と手間いらずだし、簡単な料理でもあんがかかっているだけですごく豊かに見えますよね。京都にはうどんやそば、丼などあんかけを使った料理が多いけど、きっと冬が底冷えするくらい寒いからやろね。皆さんもあんかけつまみを食べて、日本酒で身体を温めて、厳しい冬を乗り切りましょう!

ほな、今月はこの辺で。よいお年を!

▲ほぉ、この日本酒とあんかけ… あったまるわぁ…。

  • 奥の松酒造

    純米大吟醸
    スパークリング

    290ml

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4品目
キム兄から、笑いのおつまみ ―写術― もう一品。

写術とは…自ら撮影した写真をお題に、巧みな話術でそこに写し出された“面白さ”を引き出す芸のスタイル。20年以上続けている、キム兄のライフワーク。

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木村祐一

きむら・ゆういち 1963年、京都府生まれ。ホテルマン、職人などを経て23歳でデビュー。お笑い芸人としてTVや劇場を中心に多方面で活躍中。人とは異なる視点で様々な事象を読み解く吉本唯一の随想家と呼ばれ、ライフワークとしている「写術」はその独特の世界観に引き込まれる人多数。ホテルマン時代から磨き続けた料理の腕前は芸能界イチとの呼び声も高く、「キム兄&クックパッド つまみ越え」(主婦と生活社)ほか料理に関する著書も多数。