たのしいお酒.jp

我らお酒にひと言あり 六酒仙、かく語りき

正直なところ、旨いお酒は、ただそれだけでいいものだ。
その上そこに、気分にハマるつまみがあれば、
旨いお酒はよりいっそう旨くなる。
包丁さばきに迷い無し。芸能界イチの料理人ことキム兄が、
今宵のお酒を楽しむための、満点つまみを振る舞います。

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Vol.5 味覚の秋、食欲の秋。スタミナ満点、肉のつまみ。

いやあ、味覚の秋真っ盛りですな。日が暮れ始める夕方4時、5時あたりになると、早くおいしいつまみをアテにお酒を飲みたくなって気が急いてくるのが今の時期。皆さんもそうでしょう? 秋は食欲も旺盛になりますから、今月のテーマはお肉。夜はちょっと冷え込んでくるし、スタミナ満点でカラダにパワーをくれるガツッとした肉のつまみを作ってみようと思います。

では今月も3品、行ってみましょ!

【1品目】
蒸し鶏のネギ塩ダレ

  • 材料:

  • 鶏肉(胸肉かモモ肉) 300g

  • おろし生姜 小さじ1/2

  • スライス生姜 3枚

  • おろしニンニク 小さじ1/2

  • 搾菜 2枚

  • 長ネギ 1/3本

  • 水 大さじ1

  • 料理酒 小さじ1

  • レモン汁 小さじ1

  • 胡椒 適量

  • 塩 小さじ1

  • 砂糖 小さじ1/2

  1. 作り方:

    ①長ネギは縦に切り込みを入れて粗みじん切りにする。

  2. ②搾菜も粗みじん切りにし、ボウルでネギと合わせて塩をまぶす。

  3. ③②におろし生姜、おろしニンニク、レモン汁小さじ1、胡椒、砂糖、水を加えて混ぜる。

  4. ④鶏肉の両面にまんべんなくフォークで穴をあけ、耐熱皿に皮を上にして置く。そこにスライス生姜を乗せ、料理酒とレモン汁大さじ1/2を振りかける。

  5. ⑤皿にラップをふわっとかけ、レンジで2分半(600Wの場合。500Wの場合は3~3分半)加熱する。次に裏返して1分間加熱する。

  6. ⑥加熱した鶏肉を幅約1cmでカットしお皿に盛る。③をかけて完成。

1品目は鶏の一枚肉を豪快に使ってみました。鶏肉って、蒸すのも焼くのも意外と手間がかかるんですけど、レンジなら放っておけば加熱できますからね。先に酒を振りかけてから温めれば酒蒸し風にもできるし、ちょっとしたつまみ作りに最適なんです。今回のポイントは搾菜。ネギ塩風味だけでも十分うまいんですけど、薬味に搾菜が加わることで、淡泊な鶏肉の味が複雑になってお酒がどんどん進むんですわ。あとは砂糖も意外な隠し味になるのでお忘れなく。冷めてもおいしい鶏のおつまみ、簡単ですよ!

▲これならいくらでも飲めるわ。お酒はビールはもちろん洋酒でも合いそうやね。

【2品目】
3種のつけ塩で食べるポークソテー

  • 材料:

  • 豚ロース ソテー用150~250g

  • 薄力粉 適量

  • 胡椒 適量

  • 塩 適量

  • 梅昆布茶 2~3つまみ

  • 塩昆布 2つまみ

  • 砂糖 小さじ1/2

  • 一味唐辛子 少々

  • サラダ油 大さじ1

  1. 作り方:

    ①梅昆布茶に塩小さじ1/2を混ぜて小皿に盛る。

  2. ②塩昆布をみじん切りにし、塩小さじ1を混ぜて小皿に盛る。

  3. ③塩小さじ1/2と砂糖、一味唐辛子を混ぜて小皿に盛る。これで3種類のつけ塩完成。

  4. ④豚肉を肉叩きで叩き、軽く切り込みを入れる。ついでにスジもカットしておく。

  5. ⑤肉に薄力粉をまんべんなくまぶし、油をひいたフライパンで焼く。火は中火やや強めに。

  6. ⑥片面3~4分、裏返して弱~中火で2分焼く。食べやすい大きさにカットして盛り付けたら完成。

豚肉はいろんな料理方法があるけど、厚めの肉をソテーにするのってなんだか気分が高まりますよね。とはいえ、定番のオニオンソースや生姜焼きの味付けにするのはお酒のおつまみっぽくないし、タレ作りも面倒。そこで「そうや、塩なら簡単だし少し工夫すれば色んな味を楽しめるやないか」となったんです。
梅昆布茶と塩の組み合わせは豚しゃぶがヒントになっています。ほら、豚シャブは昆布出汁入りのポン酢で食べるじゃないですか。僕はそのポン酢に梅肉を加えたりするんですけど、梅と豚肉の相性って結構いいんです。塩昆布もそうですよね。

3つ目の塩、砂糖、一味の組み合わせもかなりイケる味だと思います。塩味と甘味のコンビは豚肉の旨味を引き出してくれるし、そこに辛味が加わるともうたまりません。箸もビールも止まらなくなりますよ。豚肉以外では、シンプルに旬の野菜を焼いてつけ塩で食べるのもおすすめ。これは日本酒あたりをキュッといきたいですな!

▲どのつけ塩でいこかな、と悩むのもまたええやろ。

【3品目】
牛肉の山椒風味コチュジャン炒め

  • 材料:

  • 牛肉切り落とし 100g

  • 大根 5cm

  • 茄子 1個

  • ズッキーニ 1/2本

  • 実山椒 小さじ1

  • 粉山椒 小さじ1

  • みりん 小さじ1/2

  • 醤油 醤油小さじ1

  • コチュジャン 大さじ1

  • 水 大さじ1

  • サラダ油 大さじ1

  • 塩 少々

  • 胡椒 少々

  1. 作り方:

  2. ①みりん、醤油、コチュジャン、水をボウルで混ぜ合わせておく。

  3. ②大根を5mm幅で輪切りする。それをさらに5mm幅で短冊切りにする。

  4. ③ナスを半分にカットして乱切りに。ズッキーニは5mm幅の輪切りにする。

  5. ④大きめのフライパンで油を熱し、大根を炒めて軽くしんなりさせる。

  6. ⑤続けて牛肉、ナス、ズッキーニの順に加え、加熱しながら塩コショウで味付けする。

  7. ⑥具材にある程度火が通ったら①を加えて混ぜ合わせ、さらに実山椒を加える。

  8. ⑦水分をサッと飛ばしたら最後に粉山椒を振って完成。

最後は牛肉。韓国に骨付きカルビや分厚く切った大根なんかを甘辛いタレで蒸し煮にする「カルビチム」って料理があるんですけど、それを日本風にアレンジしました。あくまでお酒のつまみなのでササッと作りたい。そこで塊ではなく切り落とし肉を使い、大根は短冊切りにして火が早く通るようにしています。切り落としは牛肉の中でも安く買えるしアレンジも効く。よく使っていますよ。
京都生まれの僕には定番の粉山椒もいい隠し味になっているし、実山椒は噛んだときの風味がたまらない。山椒はコチュジャンのコッテリ感を少しさっぱりさせる役割もあるんです。これもついつい杯が進む料理やね。最後にもう一杯飲もうかな。

▲思った通り、ダブルの山椒がええ仕事してるわ。

今月は肉料理ってことで、肉は大体どうやっても旨いし酒にも合うんですけど、レンジで作る、つけ塩で楽しむ、肉を引き立て役に野菜もモリモリ食べられる、といろんなバリエーションを提案してみました。

調理法もそうやけど、合わせるお酒も既成概念に囚われんでもいいのかもしれませんね。牛肉やから赤ワイン、とか、中華風の味付けだから紹興酒、とか、決め付けないほうが、意外な組み合わせに気づけるかもしれませんよ。

ほな、今月はこの辺で。

▲どっしりした赤は、もちろん合うんですけどね。

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4品目
キム兄から、笑いのおつまみ ―写術― もう一品。

写術とは…自ら撮影した写真をお題に、巧みな話術でそこに写し出された“面白さ”を引き出す芸のスタイル。20年以上続けている、キム兄のライフワーク。

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木村祐一

きむら・ゆういち 1963年、京都府生まれ。ホテルマン、職人などを経て23歳でデビュー。お笑い芸人としてTVや劇場を中心に多方面で活躍中。人とは異なる視点で様々な事象を読み解く吉本唯一の随想家と呼ばれ、ライフワークとしている「写術」はその独特の世界観に引き込まれる人多数。ホテルマン時代から磨き続けた料理の腕前は芸能界イチとの呼び声も高く、「キム兄&クックパッド つまみ越え」(主婦と生活社)ほか料理に関する著書も多数。