たのしいお酒.jp

我らお酒にひと言あり 六酒仙、かく語りき

正直なところ、旨いお酒は、ただそれだけでいいものだ。
その上そこに、気分にハマるつまみがあれば、
旨いお酒はよりいっそう旨くなる。
包丁さばきに迷い無し。芸能界イチの料理人ことキム兄が、
今宵のお酒を楽しむための、満点つまみを振る舞います。

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Vol.3 夏の疲れとバテには、栄養満点のネバネバつまみを。

ここ数日で大分暑さも和らいできたように思うけど、夏の疲れが溜まっている頃でもありますね。今回は胃腸の消化を助けてくれて栄養満点、夏に欠かせない3つのネバネバ食材でちゃちゃっとおつまみを作ります。お酒もおいしく飲めて、スタミナチャージもばっちり。こりゃたまりませんな!

では、行ってみましょ!

【1品目】
オクラの煮びたし

  • 材料:

  • オクラ 3~4本

  • 昆布だし 顆粒または粉末小さじ1

  • カツオだし 顆粒または粉末小さじ1

  • とろろ昆布 適量

  • めんつゆ 100ml

  1. 作り方:

    ①めんつゆはあらかじめ冷蔵庫で冷やしておく。

  2. ②鍋に500mlのお湯を沸かし、昆布だしとカツオだしを入れる。

  3. ③火を中火にしてオクラを入れ、1分間茹でる。

  4. ④茹でたオクラをザルにあけ、ボウルに用意した氷水で冷ます。

  5. ⑤冷ましたオクラを半分にカットする。

  6. ⑥①のめんつゆを器に移し、オクラを加えて煮びたしにする。

まず1品目。オクラやアスパラガスは、出汁との相性がいいんです。家にある手っ取り早く使える出汁といえばめんつゆ。今の季節は冷や汁にすると食欲が落ちている時でもパクパク食べられますからね。ただし、あまりつゆをドバドバ入れると味が濃くなりすぎるので気をつけましょう。あくまで「煮びたし」にするのがカギです。ここではネバネバのオクラにさらにとろろ昆布を乗せてネバネバ度を増してみました。

▲ 和の味付けにも白ワイン、いいと思います。

【2品目】
山芋の鬼おろし 焦がしバター醤油がけ

  • 材料:

  • 山芋 100g

  • 醤油 小さじ1/2

  • バター 10g

  • 粉山椒 適量

  1. 作り方:

    ①山芋の皮を剥き、鬼おろしで山芋を捻りながら摺り、器にあける。

  2. ②フライパンにバターを熱し、溶けた段階(バチバチ言う前)で醤油を入れて再加熱する。

  3. ③器の中の山芋にバター醤油をふりかける。

  4. ④粉山椒を振りかけて完成。

ネバネバ2品目は山芋。作っている時の匂いからして食欲をそそりますね!最初は切った山芋をフライパンで焼いてバター醤油がけにしようかなと思ってたんですが、それも普通すぎるし、火にかけるのも何だしなあと。そこで鬼おろしを使うたろ、となったんです。
 鬼おろしだと粗めになった部分も細かくなった部分も両方残しつつおろせるし、普通のおろしのように水っぽくならない。しかも山芋のまろやかな食感がしっかり残って、味付けしたときにカットするよりも断然絡みやすいんです。鬼おろしは今まで使った事がない人にもおすすめしたい調理器具です。山芋、おろしにくかったら布なんかで包んで握っておろすといいですよ。

バター醤油の香ばしさが際立つから濃い印象を受ける人がいるかもしれんけど、口にすると意外とあっさりしているのがポイント。これくらいが夜中のおつまみとしてはすごくいいと思うんです。あと、仕上げの粉山椒でもうひと風味加えるとつまみとしての風格も出てきます。京都の人間なんで、何かと粉山椒を使いたくなるんですよ。東京とかだと鰻くらいだと思うけど、京都は丼物などいろんな料理に粉山椒をかけるんです。

▲ これこれ、この粘り気ですよ。日本酒、もしくはこれも白ワインでも。

【3品目】
納豆のおやき わさびマヨネーズ添え

  • 材料:

  • 納豆 大粒1パック

  • 卵 中1個

  • 青ネギ 適量

  • 刻み海苔 適量

  • マヨネーズ 大さじ1

  • わさび 小さじ1/2 チューブタイプでも可。

  1. 作り方:

    ①納豆をまな板の上で包丁で軽く叩き、ボウルにあける。

  2. ②納豆の上から卵を割り入れ、刻み海苔を加えて菜箸でかき混ぜる。

  3. ③納豆パックに付くタレと練り辛子を半袋ずつと、青ネギを加える。これでタネ完成。

  4. ④別のボウルでマヨネーズ、わさびを混ぜて小皿にとっておく。

  5. ⑤フライパンにサラダ油を熱し、①~③で作ったタネを少しずつ注ぎ入れる。

  6. ⑥タネを中火でじっくりと焼き、焼き目がついたらひっくり返す。

  7. ⑦さらに中火で焼き、両面とも焼き目がついたら完成。わさびマヨネーズを塗って召し上がれ。

3品目は納豆+わさびの組み合わせが最初に頭に浮かびました。やっぱり夏はわさびの爽やかな風味とちょっとツーンとくる刺激がほしいじゃないですか。でも、そこで醤油まで使ってしまうと味がくどくなってしまうし、ベースとなる味付けは納豆に付くタレで十分。で、最後にソース替わりに塗るためにわさびとマヨネーズを合わせたという訳です。これは言うなれば納豆のスパニッシュ風ですね。

▲ 納豆は、酒のつまみとしても優秀やね。

今回は3品とも和のテイストに見えて、どこかに洋の要素も入った和洋折衷感が出せたんちゃうかな。だから白ワインとの相性もバッチリ。あとは発泡系のお酒。ビールはもちろんだけど、シャンパンのつまみにしてもいいと思いますよ。

素材と調味料の組み合わせって、おかずでもつまみでも料理をする上ではすごく重要だけど、僕の場合はそのセオリーを頭の中で一度分解して再構築するんです。たとえばグラタンひとつ作るのでも、マカロニじゃなくて残りご飯にチーズをかけてオーブンで焼いてもうまいんちゃうか?と。あとは人が遊びに来た時とか、最初に前菜出して、次に何を焼くか…って感じで考えるのも楽しいしね。そういう時は決まりきった料理じゃなく、目の前にいろんな材料や調味料を用意して「さあ、どれをどう使おうか」って頭の中で組み立てたり。自由にあれこれ考えるのが好きなんですわ。せやから粉山椒にしてもそうだけど、調味料はもっと幅広い使い方をした方が料理が面白くなりますよ。

ほな、今月はこの辺で。

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4品目
キム兄から、笑いのおつまみ ―写術― もう一品。

写術とは…自ら撮影した写真をお題に、巧みな話術でそこに写し出された“面白さ”を引き出す芸のスタイル。20年以上続けている、キム兄のライフワーク。

作業してる人でも危ないという呼び掛けでございます。

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木村祐一

きむら・ゆういち 1963年、京都府生まれ。ホテルマン、職人などを経て23歳でデビュー。お笑い芸人としてTVや劇場を中心に多方面で活躍中。人とは異なる視点で様々な事象を読み解く吉本唯一の随想家と呼ばれ、ライフワークとしている「写術」はその独特の世界観に引き込まれる人多数。ホテルマン時代から磨き続けた料理の腕前は芸能界イチとの呼び声も高く、「キム兄&クックパッド つまみ越え」(主婦と生活社)ほか料理に関する著書も多数。