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我らお酒にひと言あり 六酒仙、かく語りき

正直なところ、旨いお酒は、ただそれだけでいいものだ。
その上そこに、気分にハマるつまみがあれば、
旨いお酒はよりいっそう旨くなる。
包丁さばきに迷い無し。芸能界イチの料理人ことキム兄が、
今宵のお酒を楽しむための、満点つまみを振る舞います。

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梅雨のジメジメ気分を吹き飛ばす。さっぱり野菜のうまいやつ。

 僕はおつまみを作る機会も多いんですけど、つまみって普通の料理と違ってお酒を飲みながらちょっとずつ、何口かだけ口に運ぶ性質のものじゃないですか。口に運ぶ回数が少ないという事は、その分ひと口ひと口を美味しく感じたいですよね。だから、なるべく丁寧に作りたいんです。手のこんだことをする、というわけじゃなくてね。考え方としては、そのおつまみの延長がおかずになるような素材選びと味付けでちょうどいいのかなと。とはいえ濃い、辛いばかりの味付けだと美味しいのは最初のひと口、ふた口だけ。
ゆっくりお酒を楽しむのであれば、少し薄目の味付けの方がお酒の味をしっかり感じられるし、つまみ自体もおいしく味わえると思います。つまみ作りは、下味にも舌味にもなる味付けを。このあたりはいつも意識していますね。

 さて、東京も梅雨入りしたし、ジメジメして湿っぽい6月。家で酒を飲む時のつまみくらいは、野菜でさっぱりいきたいもんやね。という事で今月はシュワシュワ泡酒に合う、野菜がメインのサッと作れる3品をご紹介します。ホンマに簡単ですよ!(※レシピはすべて1人分です)

【1品目】
千切りキャベツのジャポネソース和え

  • 材料:

  • キャベツ 1/4玉

  • マッシュルーム(白)2~3個

  • オレンジジュース 小さじ2

  • マヨネーズ 大さじ3

  • 薄口醤油 小さじ1/2

  • ブラックペッパー(粗挽き)適宜

  1. 作り方:

    ①水洗いしたキャベツを千切りに、マッシュルームを薄くスライスする。

  2. ②千切りにしたキャベツを熱湯で30秒ほど茹でる。

  3. ③②をザルにあけて流水で冷ます。軽く絞って水気を切り、ボウルに移しておく。

  4. ④ジャポネソースを作る。マヨネーズ、薄口醤油、オレンジジュースをボウルでしっかり混ぜ合わせる。

  5. ⑤③のキャベツに④のジャポネソースをかけ、軽く和える。⑥⑤にマッシュルームを生のまま投入し、手で混ぜる。

  6. ⑦お皿に盛り付け、お好みでブラックペッパーを振りかけて完成。

 野菜、っていうことでまずキャベツなんですけども、もちろん適当に剥いてタレでもかけてそのまま食べたっていい。でもソースやドレッシングで和えて味のしみこんだ千切りのキャベツも美味そうじゃないですか。
そこでサッと湯にくぐらせて、ソースをかければ、それだけで千切りのキャベツが立派なつまみに生まれ変わるんです。でもキャベツだけだと少し寂しい。だったらマッシュルームを乗せたら豪華になるやん、と。マッシュルームって、生でもすごく美味しいですからね。
次にソースをどうするか。オイリーなのは嫌だけど、少しは油分が欲しいからマヨネーズがちょうどいい。で、あとはどうするかと考えた時に、10代の頃修行していたホテルの厨房で習った、あっさりしつつもコクのある、醤油を使ったジャポネソースを思い出したんです。普通は野菜から作るんだけど、オレンジジュースを使えば簡単に酸味が出せるので今回はそうしました。醤油は薄口の方がいいですね。特に旬の野菜は素材自体に旨みがたっぷり詰まっているので、味付けはなるべく薄目、薄目でいった方がいいと思いますよ。

▲んー、うまい!さっぱりだけどコクがあって、シュワシュワの日本酒との相性も抜群やね。

【2品目】
焼きトマトのイタリアン

  • 材料:

  • トマト 1個

  • 玉ねぎ 1/4個

  • オリーブ油 小さじ2

  • 青のり(瓶入りタイプ)適宜

  • コンソメ(顆粒タイプ)2つまみ

  • 粉チーズ 適宜

  1. 作り方:

    ①トマトを1cmほどの厚さに輪切りにする。

  2. ②玉ねぎを粗みじん切りにする。

  3. ③フライパンで、オリーブ油大さじ1(分量外)を熱し、①のトマトを焼いていく。
    トマトはひっくり返さず、片面じっくり焼く。

  4. ④トマトの片面に軽く焼き色がついたら、大きめの皿に盛り付ける。

  5. ⑤トマトの上にオリーブ油、顆粒コンソメ2つまみ、お好みで粉チーズを振りかけ、②の玉ねぎを乗せる。

  6. ⑥⑤に青のりを振りかけたら完成!

 さっぱり野菜の代表格と言えば、トマトですよね。季節のもんやしね。今回は片面だけ焼き色をつけたけど、これは熱を通して野菜の旨みを引き出すのが目的。イメージとしては旬の野菜のグリルですね。理想を言えば、家に鉄板を置いて野菜を好きに焼きながら食べたい。でもさすがに夜のつまみ作りでそこまで出来ないから、フライパンでサッと焼いたんです。
焼くって、料理の楽しみの基本な気がしません?素材を焼いていると、この後何を乗せようかなって色んな発想が出てくるんですよ。焼いたトマトに生の玉ねぎを乗せたのも、そんなところから思い付きました。

▲最後にふりかけた青のりの香りがまたイイですね。夏らしい一品、泡は日本酒でも、シャンパンでも合うんちゃうかな。

【3品目】
キュウリナムル

  • 材料:

  • キュウリ 1本

  • 砂糖 小さじ1/3

  • 酢 大さじ1/2/4個

  • 醤油 大さじ1/2

  • 胡麻油 小さじ1

  • 白ごま 1つまみ

  • コチュジャン 小さじ1/2

  1. 作り方:

    ①キュウリを2~3mm幅で斜め切りにし、さらに千切りにする。

  2. ②①のキュウリをボウルに入れ、砂糖、酢、醤油をかけて味が全体にいきわたるまで混ぜる。

  3. ③胡麻油、白ごまを振りかけて軽く和え、皿に盛る。

  4. ④コチュジャン小さじ1/2をのせて完成。

    コチュジャンを混ぜてから食べよう。

あと、夏野菜といえばキュウリも欠かせませんね。こちらは生の瑞々しさを残したいからナムルにしてみたんやけど、しっかり調味料の味を沁みこませるなら縦の千切りが一番。斜めの輪切りでもいいんやけど、そこからもうひと手間かけられるかどうかが肝心なんです。早く飲みたいからって手を抜かずに、せっかくならうまいつまみと飲みたいしね。

どうです、簡単でしょ?僕がいつも考えているのは、洋風のつまみでもどこかに和風のテイストを加えたいって事。やっぱり日本人やし、和風のテイストは日本酒はもちろんワインやウイスキーなど、どんなお酒にも合いますから。
今回のレシピでいうと、【千切りキャベツのジャポネソース和え】に薄口醤油を使ったり、【焼きトマトのイタリアン】の仕上げに青のりを振りかけるのがまさにそれ。特にトマトなんて、セオリー通りだとかけるのはパセリだけど、そこでちょっと立ち止まって「青のりも意外とイケるんちゃう?」って試してみるとこれがパセリ以上にいい風味を出してくれるんです。
特に関西の人からすると、青のりは家に必ず常備されていてすごく身近な食材ですからね。そうやって少し発想を変えてみるだけで、つまみの世界が一気に広がるわけです。

自分で料理するのはもちろん好きだけど、外で食べるのもつまみ作りのいいヒントになりますよ。やっぱり料理人ひとりひとりにポリシーがありますからね。そこにはしっかり敬意を表しつつ、何か参考に出来ればといつも考えています。料理もつまみも同じですけど、素材に対して何を足せばちょうどいい塩梅になるか。それがわかってくると、自分なりの味付けが楽しくなってくるんじゃないかな。

ほな、今月はこの辺りで。

▲雨で出歩くのおっくうやったら、明るいうちから家で飲むのもありやね。

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4品目
キム兄から、笑いのおつまみ ―写術― もう一品。

写術とは…自ら撮影した写真をお題に、巧みな話術でそこに写し出された“面白さ”を引き出す芸のスタイル。20年以上続けている、キム兄のライフワーク。

一番手前のタオル、もひとつ左のハサミにして。

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木村祐一

きむら・ゆういち 1963年、京都府生まれ。ホテルマン、職人などを経て23歳でデビュー。お笑い芸人としてTVや劇場を中心に多方面で活躍中。人とは異なる視点で様々な事象を読み解く吉本唯一の随想家と呼ばれ、ライフワークとしている「写術」はその独特の世界観に引き込まれる人多数。ホテルマン時代から磨き続けた料理の腕前は芸能界イチとの呼び声も高く、「キム兄&クックパッド つまみ越え」(主婦と生活社)ほか料理に関する著書も多数。