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旨い酒処に、旨い肴あり 日本まるごと 地酒×地肴

第9回 新潟県・今代司酒造 後編
第9回 新潟県・今代司酒造 後編 特別対談!日本酒造りとビール造り、「うまい」だけでは終わらない!物語まで一緒に飲んでいただくための「奮闘」。
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「宮崎ひでじビール」の永野社長(写真左)と「今代司酒造」の田中社長(写真右)。お互いの酒を酌み交わしながら話は深く、熱く。

全国の酒蔵を巡り、その哲学、情熱に触れながら、その地のうまいものに舌鼓。『日本まるごと地酒×地肴』、今回は特別編の後編。新潟『今代司酒造』の田中洋介社長が地元に『宮崎ひでじビール』の永野時彦社長を招いての夜。ものづくりの哲学や想いなどについて、お互いのビールとお酒を酌み交わしながらの話は、その土地ならではの酒造りの話に。酒造りの裏側にある情熱と物語。さらに熱く続きます。

永野さん:それではぜひ田中社長に飲んでいただきたいビールを。『YAHAZU』というビールです。
田中さん:『クラフトビール物語』の記事を拝見して『宮崎ひでじビール』さんの取組みで印象に残ったのが、この『YAHAZU』でした。「オール宮崎」で生まれたビールですよね。改めて経緯などを教えていただけますか?
永野さん:はい。このビールは、原料である麦芽、高い技術を必要とする自家培養酵母、さらに醸造タンクなども含めて、すべて地元の延岡、宮崎産で開発しました。実はこのプロジェクトのきっかけのひとつが、口蹄疫や鳥インフルエンザ、さらに新燃岳(しんもえだけ)の噴火などで宮崎県の産業、特に農業、観光業が本当に酷い状況になったこと。地元への恩返しと、ビールを造る者としてこの土地にこだわったビールを造りたいという思いで動き出しました。

うまい酒とその裏にある地域への思い。『YAHAZU』を飲みながら、共通の志が見えてくる。

宮崎は延岡にある「ひでじビール」の醸造所から行縢山(むかばきやま)を望む。クラフトビールファンたちから日本で一番行きにくい醸造所のひとつと愛を持って語られる醸造所だ。写真左奥にこのビールの名前のもとになった矢筈の滝がある。

延岡の高い工業技術を生かしたビールタンク。地元企業の誇りとなった仕事。

田中さん:地元の製造業まで一緒に取り組まれたというのはすごいですね。ビール造りの裏側に、地元の産業という面がある。深いですね。
永野さん:田中社長がおっしゃっていた、発酵の街、花街としての輝き。目指すものは一緒かと思います。
田中さん:私たちも『おむすび』という新潟の原料にこだわった限定流通のお酒に取り組んでいます。新潟市は生産地、加工地、消費地が近いという特徴がありますから、農家、酒蔵、飲食店が手を結べば新しいものを提供できるのではないかと思いました。
永野さん:いいネーミングですよねぇ。デザインもさすが米どころ。飲むおむすびですね(笑)。

この日お二人が空けたお酒の一部。写真右が『おむすび』。まさにおむすびを連想させる印象的なデザイン。

新潟限定流通のお酒で地元の肴を食べるという贅沢。写真左は日本海の魚を多彩に食せる「魚串」。魚魯こ(うろこ)自慢のメニューだ。きれいに脂がのったブリはしゃぶしゃぶでいただく。

田中さん:酒造りだけではなく、飲食店さんとともに地元を盛り上げるという考え方も『YAHAZU』、『おむすび』とも共通ですが、賛否両論あったのではないですか?
永野さん:そうなんです。『YAHAZU』は、宮崎県内の飲食店でしか飲めません。小売を一切していないので、小売店のみなさん、全国のみなさんからはお叱りもいただきました。ただ、私たちとしては、このビールを飲みたいということで宮崎に来てくれる方が少しでも増えることを目的としています。それが「ビールで地域貢献」という恩返しになれば。
田中さん:私も新潟の米農家へのリスペクトがあります。そこに地元の水、人、雪という素晴らしいものが加わる。その人たちに誇りを持っていただければというのが思いです。

新潟ならではの真摯な酒造りを目指す今代司。その伝統と進取の取組みに永野さんは真剣に耳を傾ける。

永野さん:田中社長は『にいがた酒の陣』という県内の酒蔵が集まる大きなイベントの実行委員としても奮闘していらっしゃる。おそらく、外から来た人間だからこそわかる新潟の魅力を感じて、現状、もったいないなと思う部分もあるんでしょうね。よく、「よそ者、若者、ばか者」が必要といわれます、私はそんなに若くはないですが(笑)、よそ者、ばか者の感覚は持っていたいと思います。
田中さん:だからこそ持てるリスペクトがありますから。いい場所なんですよ、新潟は。そして
宮崎にもぜひ行きたい。そこで飲む『YAHAZU』は最高でしょうねえ…。
永野さん:弊社では直営のバーを持っていまして、そこでは延岡の酒を置いているのですが、今度、新潟の特集をしたい。飲んで美味しい、それだけじゃない向こう側の物語で話を広げたいです。常にテーマを投げて世界を広げていけたら楽しいですね!
田中さん:ビールと日本酒の造り方は近い。去年2月、シアトル、サンフランシスコ、ロサンゼルスをまわったのですが、マイクロブリュワリーとして日本酒を造っている人たちがいました。ホームセンターで売っているビール製造キットで日本酒を造っているんですね。クラフトビールのおかげで日本酒に興味をもってくれたり、その逆もある。日本酒だ、ビールだ、そんなシェアの話ではなくて、酒造りの物語を感じて飲んでくれる人が増えてくれることが重要だと思います。ぜひ、一緒に取り組んで行きましょう。

取材協力

海鮮居酒屋 魚魯こ(うろこ)

新潟市中央区弁天2-1-27

050-5877-8261

旬の新潟の海の幸、山の幸が楽しめるお店。和モダンな空間の1階はテーブル席。2階は座敷。今代司の『天然水仕込み 純米酒』は常にオンリスト。日本海の魚から名物の鳥から揚げまで幅広く相性よし

宮崎ひでじビール

YAHAZU ピルスナー
330ml

宮崎県内の飲食店限定アイテム。矢筈の滝から流れる地下水、自家培養酵母、
宮崎県産大麦、モルトまで宮崎県産のもを100%使用。「ひでじビール」が
掲げる「オール宮崎」に徹底してこだわった、香り高く、味わい深い、
ジャーマンピルスナースタイルのビールです。

詳細はこちら

今代司酒造

新潟清酒 おむすび 黒
300ml

新潟市内の飲食店限定アイテム。新潟市の契約農家で栽培された新潟市産の酒造好適米「五百万石」を使用。花街があり、豊かな食文化が息づく新潟市。そんな新潟市を”飲みに行きたい街“として発信しようと農家・酒蔵・飲食店が手を「むすび」生み出したオール新潟の純米酒。淡麗で飲み飽きず、食を引き立てる
このお酒はお客様も「むすび」笑顔を生み出します。

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