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熱い人と、冷たいビールの物語 クラフトビール物語

Vol.5 女性醸造家の美しき挑戦を味わう やさしい伏流水と品質への厳しい視線。富士の裾野で生まれるビールから伝わる自然と人の素晴らしきコラボレーション。

今や全国で作られるようになったクラフトビール。マイクロブルワリーと呼ばれる小さな醸造所から、コンビニにも商品が並ぶ大手まで、その一つ一つにビール造りの哲学があり、ビールに込めた愛がある。一杯のビールの味わいに詰めこまれた、造り手たちの熱い、熱い情熱の物語を追いかけて、日本各地のブルワリーをめぐります。

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▲ ビールの伝道師、藤原ヒロユキさんが「DHCビール」のうまさの秘密、その哲学に迫ります。

「ビールは90%が水。富士山の伏流水を使ってどのようなビール造りをしているのか。興味ありますね。楽しみです」

という、藤原ヒロユキさん。そう、水はビールのうまさの鍵を握る大切なもの。この水の力を確かめるために訪れたいと藤原さんが常々思っていたのが「DHCビール」だ。工場は、富士山の麓、御殿場にある。沸き出るのは富士山の伏流水。富士の雪解け水が、溶岩層を長年かけて染み抜け、地下水脈に蓄えられ、絶え間なくこの地を潤す。

▲ 絶え間なく湧き出す伏流水。ビール造りはもちろん、この地の幸せな暮らしも支える大切な水だ。

もちろんビール造りは、水だけに頼るものではない。この尊い恵みに甘えず、活かし、新しいビール造りに挑戦する女性醸造家の存在。これもまた、藤原さんが「DHCビール」を訪問する動機のひとつだった。さて、どんな出会いとなったのだろうか?

▲ この日の御殿場は、藤原さんの言葉を借りれば「ビール日和」。爽やかな緑の中でまずは1杯。富士山麓の空気と水がグラスの中で一体に。

笑顔で藤原さんを迎え入れてくれたのは、醸造を担当する有賀祐弥子さん。ビール造りに関わってから16年目。大学では微生物や発酵を研究。食品関連に進むことも考えたが、お酒好きということもあり、この世界に入った。お酒好きとしての感覚、女性としての感覚。そして「微生物や酵素が自分の想像を超えた働きをする。それを見るのは喜びですね」(有賀さん)という好奇心と探究心も彼女のビール造りを支えているものだ。

▲ 清潔感ある工場を案内いただく。柔和な笑顔での会話の中でも、途中で行われた作業では真剣なまなざしも。

「水の話の前に見ていただきたいところがあって…」という一言で案内されたのが検査室。一般的に見ればどうしてここを有賀さんが見て欲しいのかわからないかもしれないが、藤原さんは入室した瞬間に感嘆の声を上げた。

「これは…すごいですよ。クラフトビールの世界でここまで広く、立派な検査室はなかなか、ない。検査機器もかなり高額なものがあります。これだけのスペースと投資を見て、品質に対する誇りを感じます」(藤原さん)

▲ 4名の女性が働く検査室。最新機器と経験豊かな人の眼。その両面で厳しくチェックを行う。

安心・安全な品質管理を徹底する。そのために生産部門とは別に独立した存在として検査部門を設置。他社から検体検査も依頼されるというからその実力がわかる。「当社の特徴のひとつかと思います。お客様にきちんとしたビールをお届けしたいので、ここまでするのは当然のことだと考えています」という有賀さん。「前身である食品会社としてのDNAが息づいているのかもしれません」とも。藤原さんはこの姿勢を高く評価する。

「食というものに真面目に取り組んでいらっしゃる。ビール自体にも、こうしたとてもよい企業体質が表れているように感じます。クラフトビールだからといって、狙ってもいない味になったり、品質がぶれてもいい、なんてことはないんですから」

▲ 食品づくりのDNA、職人魂。70℃を超える温度で熱気がこもる麦汁煮沸、香り付けのホップの投入作業も、黙々と。

造り手の飲む人への想い、品質をぶれさせない技術力の追求は、健康食品やサプリメントを扱うDHCとしての、哲学の体現ともいえるものだろう。

人の力、そしてもう一方は、自然の恵み。「それでは、実際に、水を感じてみたいですね」という藤原さんのリクエストで、有賀さんにご案内いただいたのは、市内にある「新橋 浅間神社」からの湧き水処。

▲ きらきらと流れ出る富士の水。「ミネラルもちゃんと感じられます」と分析も忘れない藤原さん。

「ほぉ、すーっと、喉の奥に入っていく感じですね…」(藤原さん)

水に触れ、飲んで癒されていく藤原さんを見て、有賀さんは「夏は冷たく、冬はやわらか。1年中、ほとんど水温が変わらないんです」と笑顔で答える。この伏流水は、市民が自由に汲むこともできて、日常の暮らしにも使われている。こうしている間にも人が途切れることなく水を汲んでいく。

「徹底した品質管理と、その土地の自然の恵み。それが有賀さんたちの手によっていいビールになる。素敵な関係じゃないですか」

クラフトビールを創るのは、人の力、自然の恵み。当たり前のようで、でも、その地でこそ実感できることがある。「DHCビール」から伝わるのは、厳しい検査から見える人の力と、富士の伏流水から伝わる自然の恵み。後編では、有賀さんのビールに込めた思い、そこから生まれたJ-CRAFTという新たなクラフトビールの楽しみ方について紹介していく。見えてくるのは、人の力と自然の恵みを統べる、ビール造りへの情熱だ。

 

DHCビール

J-CRAFT 香爽のフルーティホワイト GOTEMBA

330ml

動画内で藤原ヒロユキさんも感嘆。ゆずと山椒の香りが、爽やかに、豊かに香る。
富士山の伏流水を100%使用し、徹底した品質管理のもとで生まれる。
苦味をほどよく抑えることによって、女性やビール初心者も心地良く楽しめる。
和のテイストが感じられるので、和食にも幅広く合わせられる。

詳細はこちら

DHCビール

J-CRAFT 華ほの香 香爽のフルーティホワイト GOTEMBA

330ml

小麦由来の爽やかな酸味とフルーティーな香りが特徴です。

詳細はこちら

(>後編へつづく)

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藤原ヒロユキ

今回の旅人 藤原ヒロユキ

ふじわら・ひろゆき ビアジャーナリスト、ビール評論家、イラストレーター。1958年生まれ。大阪教育大学卒業後、中学教員を経てフリーのイラストレーターに。ビールを中心とした食文化に造詣が深く、一般社団法人 日本ビアジャーナリスト協会代表として各種メディアで活躍中。季刊「ビール王国」編集主幹。ビールに関する各種資格を取得、ワールドビアカップをはじめ欧米の国際ビアコンテストの審査員を務める。日本外国特派員協会会員。ビールにまつわる著書多数。主な著書に「知識ゼロからのビール入門」(幻冬舎)、「BEER HAND BOOK」(ステレオサウンド)など。