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熱い人と、冷たいビールの物語 クラフトビール物語

Vol.3 ヤッホーブルーイング「よなよなエール」 軽井沢から日本全国へ。たくさんのファンに愛され20年目、「よなよなエール」の原点とは。

今や全国で作られるようになったクラフトビール。マイクロブルワリーと呼ばれる小さな醸造所から、コンビニ商品が並ぶ大手まで、その一つ一つにビール造りの哲学があり、ビールに込めた愛がある。一杯のビールの味わいに詰めこまれた、造り手たちの熱い、熱い情熱の物語を追いかけて、日本各地のブルワリーをめぐります。

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1997年に長野県軽井沢で創業したヤッホーブルーイング。「よなよなエール」「水曜日のネコ」「僕ビール、君ビール。」など、一度飲んだら忘れられない個性的なビールを多く生み出し、今や全国的なクラフトビールブームの立役者となったブルワリーだ。

ヤッホーブルーイングを設立したのは、同地で100年以上にわたって旅館業を営み、現在は全国のリゾート施設の運営を手がける星野リゾートの星野佳路代表だ。アメリカ留学中に出会ったエールビールのおいしさに感動したことから、日本にも新しいビール文化を根付かせようと会社を立ち上げた。

2004年からはオンライン通販などに注力することでファンを増やし、2008年には現在の井手直行社長が就任、近年はコンビニへも進出するなど、クラフトビール界の旗手として成長を続けている。

▲写真左上・ローソン軽井沢東店。写真右上・地元ということもあり、「軽井沢高原ビール」シリーズも含め、ヤッホーブルーイングのビールがずらり。写真下・「僕ビール、君ビール。」「僕ビール、君ビール。よりみち」は、ローソン限定販売商品。

ビール伝道師の藤原ヒロユキさんも、ヤッホーブルーイングとの関係は深い。

「よなよなエールが初めて賞を取ったビア・フェスティバルで審査員をしていました。審査は味だけで行うので、どれがよなよなエールか知らなかったんですよ。しかしフェスティバル会場で『これがよなよなエールか』と聞いたうえで飲んだとき、そのうまさに驚くと同時に、心配になりました。もし、こんな素晴らしいビールが金賞を取らなかったら、自分は責任を取って審査員を辞めなければならない……と思ったんです」

もちろん、受賞結果は金賞。「ほっと胸をなでおろした」と振り返る。以来、藤原さんはヤッホーブルーイングを応援し続けてきた。
そんな藤原さんの期待を裏切ることなく、今年も、アメリカのフィラデルフィアで行われたワールド・ビア・カップ2016で「アメリカンスタイル・ストロングペールエール部門」で、見事に銀賞を獲得している。

そんなヤッホーブルーイングに、今回、藤原さんが訪れた理由は、7月7日に19歳を迎えた「よなよなエール」の誕生日を祝うためだという。

地元だけあり、軽井沢の街を歩けば至る場所でヤッホーブルーイングのビールを目にする。しかし、せっかく味わうならば、やはり星野リゾートの施設で飲みたいところ。軽井沢星野エリアに立ち寄った藤原さんは、敷地内のカフェで、同社第一号の銘柄である「軽井沢高原ビールワイルドフォレスト」を注文。その豊かな味わいに舌鼓を打った。

旅の目的地である醸造所へは、星のや軽井沢星野エリアから車で15分ほど。現地に到着すると、醸造ユニットディレクターの森田正文さんが出迎えてくれた。

「よなよなエール、19歳の誕生日おめでとう!」

そう言いながら、藤原さんはよなよなエールの直筆イラストをプレゼント。吉祥寺の公式ビアバル「YONA YONA BEER WORKS」に飾られているものと同じ絵柄だ。「ありがとうございます。今日はぜひ、醸造所だけでなく、本社オフィスも見ていってください」と森田さんが笑顔で案内してくれた。

醸造所のすぐ隣、ヤッホーブルーイングのオフィスへ入ると、その活気に驚く。地方のブルワリーでありながらも、若い社員が多いのだ。会社が大きくなるごとに平均年齢は若返っているという。

「みなさん元気が良くて、ビールの仕事を本当に楽しんでいる。この若々しさが、ヤッホーブルーイングの社風であり、商品にも反映されていますよね」(藤原さん)

社員が自ら仕事を楽しむことで、顧客にも楽しいビールをお届けすることをモットーとする同社。

ここでは醸造タンクの中を確認する小窓にライトを付け、見学者にも酵母が発酵する様子を直接見てもらえるようにしている。ほとんどの人が初めて見る光景だけあり、好評だという。

「実は、僕も発酵の様子を見るのが好きなんですよ。この仕事に就いたとき、当時の先輩から『これを飽きずに見ていられるなら、ブルワーに向いているよ』と言われたことを覚えています」(森田さん)

▲写真左上・本社オフィスに藤原さんが入ると、みなさん仕事の手を止めて、拍手で歓迎してくれた。写真右上・森田さんに促され、醸造タンクを覗き込む藤原さん。写真左下・タンク内の様子が見られるブルワリーは確かに珍しい。写真右下・夏は、工場見学も最盛期。全ての社員が案内役を出来るよう、案内役とお客さん役に分かれて工場見学研修が行われていた。

森田さんはよなよなエールの特徴である「華やかな香り」を保つための工夫についても教えてくれた。

「ヤッホーブルーイングにはホップにこだわりがあって、収穫後すぐに乾燥し、真空パックにしたものを使用しています。さらに、タンクに入れる前に手で揉みほぐすことで、ホップの香り成分がちゃんとビールに溶け込むようにしているんです」(森田さん)

▲ペレットホップとホールホップを使い分ける。ホールホップを手でもみほぐすと、さわやかな香りが広がった。

同社の生産量を考えると、非常に手間がかかる作業だ。しかし、ビール造りに手を抜かないからこそ、クラフトビールを代表するブルワリーでいられる。

「それと、僕がヤッホーブルーイングですごいなと思うのが、最初から缶で商品を造っていたことです。クラフトビールのブルワリーは、比較的手軽な瓶を主流にするところが多いんですよ。缶ビールを生産するには、かなりのコストがかかるからです。しかし全国に流通させるためには、品質が安定する缶ビールのほうがいい。スーパーやコンビニでも扱いが大きいですしね」(藤原さん)

つまり、同社は創業間もない「地ビール」と呼ばれていた頃から、全国展開することを視野に入れて設備投資を行ってきたのだ。

▲次々とビールを詰められた缶が流れていく光景はまさに圧巻。あっという間にケースに詰められていく。

日本のクラフトビール業界を牽引するヤッホーブルーイング。その成功を支えてきたのは、何よりもビール造りが大好きな社員たちの情熱と、本気で全国展開を見据えてきた高い志だった。「だからこそ、よなよなエールは誕生から19年が経った今もロングセラーであり続けているのでしょうね」と藤原さんも感心しきりだった。

ヤッホーブルーイング訪問記の後編では、井手社長も交え、同社の次なる目標、さらにはクラフトビール業界の未来について、よなよなエールを傾けながら熱いトークを行う。ぜひ、お見逃しなく。

   

ヤッホーブルーイング

僕ビール、君ビール。

350ml ローソン限定商品

麦芽とホップだけなのに、若い果実のようにフレッシュでジューシーなアロマが、ふわっと立ちのぼる。それでいて、キリッとしたホップの苦みが、フルーティなフレーバーを引き立てる。ホップと酵母がつくりだす重層的な味と香りに、ハッとさせられるビールです。

詳細はこちら

ヤッホーブルーイング

僕ビール、君ビール。よりみち

350ml ローソン数量限定商品

ふんだんに使用した小麦麦芽により、口当たりは柔らかでさわやか。
それでいて、ハッとするような個性的な香りをさらに追求しました。
新種のアロマホップを大量に使用することで、マンゴーやパッションフルーツを思わせる香りが驚くほど立ちのぼり、さらに柑橘系ホップ「カスケード」の香りが重なります。

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ヤッホーブルーイング

よなよなエール

350ml

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ヤッホーブルーイング

水曜日のネコ

350ml

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藤原ヒロユキ

今回の旅人 藤原ヒロユキ

ふじわら・ひろゆき ビアジャーナリスト、ビール評論家、イラストレーター。1958年生まれ。大阪教育大学卒業後、中学教員を経てフリーのイラストレーターに。ビールを中心とした食文化に造詣が深く、一般社団法人 日本ビアジャーナリスト協会代表として各種メディアで活躍中。季刊「ビール王国」編集主幹。ビールに関する各種資格を取得、ワールドビアカップをはじめ欧米の国際ビアコンテストの審査員を務める。日本外国特派員協会会員。ビールにまつわる著書多数。主な著書に「知識ゼロからのビール入門」(幻冬舎)、「BEER HAND BOOK」(ステレオサウンド)など。