「吟醸王国」山形でゆっくり日本酒と向き合う
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「吟醸王国」山形でゆっくり日本酒と向き合う

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吟醸酒の比率が多いのはなぜ?

創業400年以上の酒蔵も多く、古くから日本酒造りが盛んな山形。酒造生産量における吟醸酒の比率が高く、そのクオリティは高く評価されています。また米作りにも力を入れており、官民合わせて高品質な酒造好適米が開発されているのも特徴です。

平成に入り、通年でお酒を管理する蔵元杜氏や社員杜氏が増えてくると、酒蔵同士の連携がスムーズになり、山形の酒の酒質は著しく向上しました。それに伴って付加価値の高い吟醸酒を多く手掛けるようになり、「吟醸王国山形」と呼ばれるようになりました。

「亀の尾」をはじめ、熱心な米作りに支えられる伝統

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山形の熱心な米作りの成果のひとつは、「亀の尾」の復活です。「亀の尾」は明治後期から昭和初期まで全国で広く作付けされていた品種で、ササニシキやコシヒカリの先祖にあたり、酒米としてだけではなく、飯米(食用米)としても高い人気を誇っていました。

しかし、昭和に入り、育てやすい優良品種が相次いで出現したことで、「亀の尾」の作付けは減らされ、廃れてしまいました。しかし近年、「粒が大きく、食べてよし、酒に醸してよし」という稀有な米である「亀の尾」をよみがえらせようと官民で協力し、近代農法になじまない種々の困難を克服し、ついに復活に成功しました。

また、大粒で心白発現率が高く、たんぱく質の含有量も少ない、吟醸酒造りに適した酒米である「出羽燦々」なども県の研究機関によって開発されています。このように熱心な米作りが山形の日本酒を支えています。

山形を代表する日本酒

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吟醸酒が多く、柔らかくて透明感のある酒質に加え、しっかりとした米の味わいを感じる山形の日本酒を紹介します。

◆楯野川/純米大吟醸 美山錦
米の柔らかい旨味と甘味と柑橘系のようなシャープな酸味が魅力。食事と合わせることでより味わいが引き立つタイプです。冷やしても燗でもどちらもおいしい。楯の川酒造は、全国でも珍しい純米吟醸酒以上のスペックだけを造る蔵元で、すべての酒で精米歩合50%以下の酒米を使用しています。

◆くどき上手/純米吟醸
創業明治8年の亀の井酒造が手掛ける、その名の通り艶やかで色気のある独特の香味のお酒です。地元羽黒町産酒米「美山錦」「出羽燦燦」をはじめ、数多くの酒造好適米を用いた、酸味は少なく、柔らかく上品な味と香りが多くの吟醸ファンを魅了。

◆上喜元/純米吟醸 米ラベル
酒田酒造は30年ほど前、当時あまり市販されていなかった吟醸酒をいち早く手掛け、その名を知られるようになった蔵元。控えめな香りでなめらかな喉ごしの「上喜元」は、販売当初から大人気の看板の日本酒です。

◆雪の舞踏曲(ゆきのロンド)/特別純米生酒(限定品) 
フレッシュで爽やかな味わいと香り、米の旨味と甘味がまろやかに広がる酒。中央出羽三山の月山麓に位置する月山酒造は、日本名水百選に選ばれる月山の伏流水を仕込みに、蔵人自らが地域農家と協力して酒米作りに取り組み、全国で初めて「GI山形の地酒」に認定されています。

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