焼酎は東京でも造られている!幻の銘柄を紹介!

焼酎は東京でも造られている!幻の銘柄を紹介!

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伊豆諸島の地元民の酒

東京で焼酎造り?と半信半疑な人もいるでしょう。じつは東京にも焼酎の蔵元が存在します。ですがそれは東京都の島でのこと。蔵元は八丈島や大島などにあります。一部では、蒸留所見学もできるので旅行に行った際には立ち寄ってみるとよいでしょう。

そもそも、九州が発祥の焼酎がなぜ東京で造られるようになったのでしょう?1853年、ペリー提督が浦賀に来た年に鹿児島は阿久根の商人、丹宗庄右ェ門が琉球との密貿易の罪で八丈島に流罪となりました。その当時の八丈島では、ドブロクが飲まれていたそうです。庄右ェ門は八丈島のサツマイモを見て、九州ではサツマイモで酒を造っていることを島民に伝えました。この歴史があり、焼酎の本などには芋焼酎の産地として鹿児島、宮崎に加えて伊豆諸島も入っているのです。

以前は農家がサツマイモを造り、蔵元がそのサツマイモを買い焼酎を造り、出来上がった焼酎を農家が買うという循環ができていました。島の芋焼酎は「島酒」と呼ばれ、島民にたいへん好評でした。

それが昭和初期になると、観葉植物を栽培する農家が増え、蔵元は原料のサツマイモの確保が難しくなったのです。その頃から、島の各蔵元は麦を使って焼酎を造るようになります。伊豆諸島に芋焼酎や麦焼酎はもちろん、八丈島特有の芋麦ブレンド焼酎の3種類があるのはこのためです。

見つけたら手に入れたい幻の東京の焼酎

見つけたら手に入れたい幻の東京の焼酎

successo images/ Shutterstock.com

伊豆諸島の焼酎は九州の流れを汲んではいますが、芋と麦の二毛作ができる地域なため、両方の素材をうまく使いわけているのが特徴です。また、伊豆諸島の場合、芋焼酎の麹は「麦」を使います。通常だと米麹を使いまろみのある甘い風味になりますが、麦麹ベースの芋焼酎は華やかな香りになり、味わいはスッキリとシャープでドライになります。芋麦ブレンド焼酎は、さらに癖がなく軽やかで飲みやすくなります。

ここでは、八丈島の代表的な銘柄となかなか手に入りにくい伊豆諸島の焼酎を紹介します。

◆八丈鬼ころし(八丈興発)/
八丈島で自家栽培したベニアズマを原料の一部に使用、麦麹を使った芋焼酎と麦焼酎をブレンドしています。芋の甘い香りが苦手な人でも気にならない、まろやかな口当たりです。

◆青酎池の沢(青ヶ島酒造)/
青島の島民のためだけに造られているといわれる芋麦ブレンド焼酎。そのため、生産量が少なく「幻の焼酎」と呼ばれています。芋と麦の香りのバランスがよく、味わいもややスッキリ。芋、麦、麦麹のすべてが青ヶ島産の「あおちゅう」もなかなか口にできない銘柄です。

◆御神火(谷口酒造)/
責任者がたったひとりで焼酎造りをしている谷口酒造。大島では唯一の酒蔵です。御神火は芋麦ブレンド焼酎です。非常に生産量が少なく、基本的に大島以外で手に入れるのは難しいかもしれません。

焼酎は地元に根付いた酒。ぜひ、現場に行って飲んでみたいですね。

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