焼酎サーバーでいつもの焼酎をもっとおいしく! 前割りがさらにおいしくなる!

焼酎サーバーでいつもの焼酎をもっとおいしく! 前割りがさらにおいしくなる!
出典 : 写真/PhotoAC

焼酎サーバーとは、焼酎を酒器に注ぐ器具のこと。多くは甕(かめ)や壺の形をした信楽焼などの陶器製で、焼酎の保存や前割りに適していることから注目を集めています。今回は、焼酎サーバーの特徴や選び方、手入れ方法、おいしい前割り焼酎の作り方などを紹介します。

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焼酎サーバーとは?

焼酎サーバーとは?

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焼酎サーバーとは、焼酎を酒器に注ぐアイテムのこと。「泡盛」の古酒(クース)作りに使われる甕(かめ)や壺のような形をした陶器で、下部に焼酎を注ぐための蛇口(コック)がついています。その多くは伝統工芸品。瓶(ボトル)や紙パックから直接酒器に注ぐよりも趣があり、焼酎ライフを一段と盛り上げるアイテムとして重宝されています。

瓶や紙パックから焼酎サーバーへ焼酎を移すことで、どのような効果をもたらされるのか、以下で詳しくみていきます。

焼酎サーバーのメリット

焼酎サーバーのメリット

jazz3311/ Shutterstock.com

焼酎サーバーの魅力は、味わい深い見た目だけにとどまりません。焼酎を長くおいしく味わううえでも重要な役割を発揮します。

焼酎サーバーで熟成

焼酎サーバーの最大の利点は焼酎の味わいをまろやかにすること。焼酎サーバーに焼酎を注いで3日間程度待つだけ。焼酎サーバー内で焼酎は自然に対流し、さらに陶器の内部にある微細な孔を通じてごく微量の空気がサーバー内に入り熟成が促進。焼酎のアルコール分と割り水がよりなじむことでアルコールが持つとげとげしさがなくなり、瓶や紙パックから注いだ状態とは異なる、じつにマイルドな味わいに変化するといわれています。

焼酎サーバーで保存

焼酎を保管・保存するうえ大敵となるのが「日光(紫外線)」と「温度変化」。焼酎などの蒸溜酒に賞味期限はありませんが、直射日光の当たる場所や高温多湿な環境に置いてしまうと、香味が劣化する可能性があります。

本格焼酎の多くは「遮光瓶」と呼ばれる茶色のガラス容器で販売されていますが、こうした瓶は光を通しにくいというだけであって、万全の対策にはなりません。
一方、陶器製の焼酎サーバーは、焼酎の保管・保存上の大敵となる光をシャットアウト。温度変化の小さい涼しい場所に置くことで、焼酎を長くおいしく味わうことができます。

焼酎サーバーの選び方

焼酎サーバーの選び方

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焼酎サーバーの選び方のポイントを素材、容量、機能性に分けて紹介します。

素材

焼酎サーバーの素材はおもに陶器ですが、その種類は多種多様です。人気は滋賀県甲賀市を中心に作られる信楽焼(しがらきやき)。その素朴かつ重厚な風合いで、焼酎気分を盛り上げてくれます。
ほかにも、岐阜県東濃地方で作られる美濃焼(みのやき)や佐賀県有田市を中心に作られる有田焼(ありたやき)、愛知県常滑市などで焼かれる常滑焼(とこなめやき)、長崎県に伝わる波佐見焼(はさみやき)など、さまざまな焼き物が焼酎サーバーの素材に使われています。産地はもちろん作り手によっても個性は異なるので、まずは見た目や質感で厳選してください。

陶器製の焼酎サーバーの多くは日本の伝統工芸品ですが、なかには「◯◯焼」を名乗った外国製のもの流通しています。陶器の魅力で選ぶ際は原産地を確認しておきたいものです。

陶器製以外では、木製やガラス製の焼酎サーバーも存在します。ガラス製のものは遮光性に欠けますが、清潔を保ちやすく残量の確認がしやすいというメリットがあります。圧迫感がないのもガラス製ならではの魅力です。

容量(サイズ)

焼酎サーバーの容量は、1リットル程度のものから3リットル以上の大容量タイプまでさまざま。たいていの商品は酒器を置いた状態で注げるよう木製の台座がついているため、その高さは大きいもので40センチほどになります。

自宅で使う場合は、一升瓶をまるごと移せる1.8〜2リットルほどのサイズか、900ミリリットルの焼酎を保存できる1リットル前後のものがおすすめです。年末年始やイベントなどで人が集まる機会が多い場合は、大容量タイプが活躍します。

機能性

焼酎サーバーの不具合のなかでもっとも深刻なのが蛇口(コック)の問題。しっかり栓をしたつもりでも焼酎が漏れてしまったり、固すぎて開きにくかったりすると、せっかくの焼酎気分も台なしです。
購入時は蛇口のデザインや口コミを確認し、パッキンでしっかり取りつけられているものを選びましょう。

焼酎サーバー上部の注ぎ口にはフタがありますが、この口径も重要なポイントです。
四合瓶(720ミリリットル)や五合瓶(900ミリリットル)ならフタの口径が小さくても問題なく焼酎を注げそうですが、一升瓶や紙パックから注ぐ場合は、口径の大きいもののほうが扱いやすいかもしれません。

フタは本体と同じ陶器製のほか、コルクやステンレス製のものを採用した商品も存在します。迷ったときは機密性やメンテナンスのしやすさも考慮に入れて、とっておきの焼酎サーバーを探してみてください。

焼酎サーバー使用時の注意点

焼酎サーバー使用時の注意点

kathayut kongmanee/ Shutterstock.com

焼酎サーバーを初めて使うときの注意点や設置のポイント、メンテナンス方法などをみていきましょう。

焼酎サーバーを購入したらまずすること

調理器具やポットなどのキッチン用品を購入したときは、使用前に中性洗剤などで洗うものですが、陶器製の焼酎サーバーの場合はぬるま湯を満たしてしばらく置きます。そうすることで、陶器の原料である粘土の汚れや独特のニオイを落とすことができるのです。さらに水ですすいだら、水気を拭き取ってしっかり乾かしましょう。

ガラス製の焼酎サーバーは、中性洗剤でゴシゴシ洗っても問題ありません。ただし、内側に水分が残っていると酒質劣化の原因になるので、焼酎を注ぐ前に水気を完全に取り除いてください。

焼酎サーバーの設置とお手入れ

焼酎を満たしたときの焼酎サーバーの重量は、大容量のもので10キロを超えることもあります。できるだけ温度変化の小さい平らな場所を選び、設置後は必ずグラつかないことを確認してください。土台がついたタイプはとくに安定感が重要です。

設置場所さえ決めてしまえば、あとはしっかり乾かした焼酎サーバーに焼酎を入れるだけ。3日間寝かせて、おいしさを堪能してください。同じ銘柄の焼酎なら適宜注ぎ足すことで、3日待たずにまろやかな味わいがたのしめます。

焼酎を入れ替えたくなったら、水やぬるま湯で洗って、よく乾燥させてから新しい焼酎を注ぎましょう。洗浄時は中性洗剤の使用も可能です。

焼酎サーバーで前割りを飲む

焼酎サーバーで前割りを飲む

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焼酎サーバーがあれば、「前割り(まえわり)」焼酎もよりおいしく仕上がります。

前割りとは、前もって焼酎を水で割り、しばらく寝かせてから飲む方法です。芋焼酎の本場である宮崎、鹿児島では、焼酎をよりおいしくたのしむ技法として古くから親しまれています。前割りした焼酎でお客様をもてなすのも一般的です。

前割りにすることで焼酎と水が分子レベルでよくなじみ、まろやかな味わいに仕上がるといわれていますが、陶器製の焼酎サーバーを使うことで短い間にも熟成が促され、一層マイルドに。ツンと鼻につくアルコール特有の刺激臭もほどよく和らいで、格段に飲みやすくなります。


焼酎サーバーに焼酎と水を同量ずつ入れて、1~3日寝かせるだけと作り方もかんたん。焼酎と水の比率はお好みで調整可能です。
できあがった前割り焼酎は、氷や水を加えて好みの濃度に調整してたのしみます。お湯割り派の人は、少し温めてぬる燗で味わってみてはいかがでしょう。前割り焼酎を温めるには、鹿児島生まれのお燗専用酒器「黒千代香(くろぢょか)」が重宝します。


焼酎サーバーは、焼酎を長くおいしくたのしむためのお役立ちアイテム。揃いの酒器がついたセット商品や名入れサービスなども人気です。とっておきを厳選して、毎日の焼酎ライフに、大切な人のギフトに役立ててください。

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