ウイスキーの味わいと美しい琥珀色は樽熟成が命!

ウイスキーの味わいと美しい琥珀色は樽熟成が命!

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風味を左右する樽熟成

お酒の味や香りは飲む人の心を引き付ける要素ですが、ウイスキーの場合、その美しい琥珀色も魅力的な要素のひとつ。ウイスキーを美しい色とまろやかな味わいに仕上げるのが、樽熟成です。

蒸留したての蒸留液のことをニューポットといいます。ニューポットは、無色透明で刺激の強い荒々しい味。一般的にアルコール度数も65~70度と高いので、加水して63度前後に調整してから樽に詰めます。その後、ウエアハウスと呼ばれる貯蔵庫で貯蔵します。

熟成期間は蒸留所や場所によって異なりますが、スコッチの場合は10数年、場合によっては20年、30年という長期に渡ります。ウイスキー製造期間の9割ほどが熟成期間にあてられることになり、樽熟成が、味や香りに影響を与える高さは計り知れません。

樽熟成とはどんなことか?

それにしても、10年以上の間、樽の中ではどんなことが起こっているのでしょうか?

まずは、長期間寝かせることで、ニューポットの荒々しい香味成分が取り除かれ、まろやかで上品な酒質に変化していきます。次に、樽の木材から香りの成分であるバニリンやタンニンなどのポリフェノール、色素成分などが溶出し、複雑な風味や美しい色に変わっていきます。

また、アルコールと水の分子が結合し、円熟味や旨味が増加。ときに「樽が呼吸する」と表現されるように、木材でできた樽はウイスキーを蒸散させると同時に周囲の空気も取り込んでいきます。

樽の中で長い間眠っているようにみえるニューポットは、静かに熟成し、魅惑的なウイスキーへと変わっていくのです。

KikoStock/ Shutterstock.com

熟成に関わる3つの要素

前述したように、様々な要因がウイスキーの味わいや香り、色に影響を及ぼします。中でも重要な要素が3つあります。

一つめは、樽の種類。樽はカスクと呼ばれ、オーク材が使われます。ウイスキーが樽から受ける影響は材質はもちろん、その樽が何に使われていたか、樽のサイズでも変わります。

二つめは、その土地の風土と環境です。金属容器と違って木製の樽は、外界の影響を受けやすいもの。気候はもちろん、熟成庫の立地でも変わります。たとえば、熟成庫が海沿いに建つ蒸留所の場合、潮や海の香りが生まれるといわれます。また、同じ熟成庫の中でも置く場所によって仕上がりが違います。

三つ目は、年月です。熟成期間が長いほど酒色が濃く味わいも複雑になります。長ければよい、というわけではなく、一般的に10~20年がピーク、25~30年を過ぎると劣化が始まるといわれています。

熟成期間のバランスを見極めることも、味わい深いウイスキーを造る上では重要なことなのです。

Tommy Lee Walker/ Shutterstock.com

エンジェルズシェアってなに?

エンジェルズシェアという言葉を聞いたことはありませんか? 樽熟成中にウイスキーが蒸散して量が少なくなることをいいます。「天使の分け前」なんて、夢のある言葉です。

夏涼しく冬は寒いスコットランドでは、年平均2~3%、寒暖差の激しいアメリカ、ケンタッキー州では初年度が10~18%、2年目以降も4~5%も少なくなります。

ただ、「天使が飲んだ分だけ、おいしいウイスキーになる」といわれているそう。天使もこっそり飲みたくなるおいしいウイスキー。ゆっくり、たのしみたいですね。

Shaiith/ Shutterstock.com

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