ウイスキーの味わいと香りを決める基本中の基本

ウイスキーの味わいと香りを決める基本中の基本

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原料は味わいの決め手のひとつ

まろやかで深い味わいのウイスキーをつくる数ある要素のひとつが原料。ウイスキーの原料はおもに3つ。穀物、酵母、水が基本です。どの原料をとっても、ウイスキーの味わいにはかかせないものですが、使う穀物によって味わいが大きく変わります。

ウイスキーは原料や蒸留の違いで2種類あります。そのうちのひとつ、モルトウイスキーは大麦麦芽が原料。大麦麦芽は香ばしい穀物香を持ち、個性の強い味わいのウイスキーになります。

もうひとつがグレーンウイスキー。大麦麦芽のほかに、小麦やトウモロコシなどの穀物を原料としています。どちらかというと、マイルドでブレンドしたときにモルトウイスキーの味をより味わい深くします。

ピートと酵母が香りの要

ウイスキーには、様々な香りがあります。そのひとつがスモーキーな香り。スコッチ独特のスモーキーな香りを「ピーティ」と表現しますが、これはピートに由来します。ピートとは、シダやコケ類が枯れて推積し、長い年月を経て炭化した泥炭状のもの。

モルトの乾燥を行うときに、発芽させた大麦を広げ、下から無煙炭などの燃料で焚いて乾燥させます。この工程でウイスキー特有のスモーキーな香りがつくのですが、この燃料のひとつがピートです。ピートの炭化の進み具合、含まれる植物の種類などによっても香りが変わります。もちろん、ピートをまったく使わないウイスキーもあります。

もうひとつ、香りに影響を与えるのが酵母。麦汁に酵母を入れて発酵させると、アルコールと炭酸ガスが生成されます。酵母はこのとき、エステル類や酸といった香気成分も造り出します。また、麦汁の中には乳酸菌などの微生物が生存していて、それらが酵母と共存するとさらに複雑な香気成分を生み出します。ピートと同じく、使用する酵母によってウイスキーの特徴が大きく変わります。

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味わいと色を深める樽熟成

ウイスキーの場合味わいはもちろん、その美しい琥珀色も魅力のひとつ。ウイスキーを美しい色とまろやかな味わいに仕上げるのが、樽熟成です。

蒸留したての蒸留液のことをニューポットといいます。ニューポットは、無色透明で刺激の強い荒々しい味。一般的にアルコール度数も65~70度と高いので、加水して63度前後に調整してから樽に詰めます。その後、ウエアハウスと呼ばれる貯蔵庫で貯蔵します。

長期間寝かせることで、ニューポットの荒々しい香味成分が取り除かれ、まろやかな上品な味わいへと変化していきます。

また、樽の木材から香りの成分であるバニリンやタンニンなどのポリフェノール、色素成分などが溶出し、複雑な風味や美しい色に変わっていきます。

熟成期間は蒸留所や場所によって異なりますが、スコッチの場合は10数年、場合によっては20年、30年という長期に渡ります。これは、ウイスキー製造期間の9割ほどが熟成期間にあてられることになります。

様々な要因を経てボトリングされたウイスキーは、蒸留所の個性が銘柄に表れてウイスキー好きをうならせているのです。

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