ブランデーの様なワインって?! シェリー、ポート、マディラについて知ろう

ブランデーの様なワインって?! シェリー、ポート、マディラについて知ろう

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高いコスパで人気のスペイン&ポルトガルワイン

使われるブドウ品種は異なるものの、シャンパンと同じ製法で造られているにも関わらずとってもリーズナブルなカヴァや固有品種であるテンプラリーニョを主体に、カベルネ・ソーヴィニヨンをブレンドしたスーパー・スパニッシュワインを造りだすスペイン。同様に「緑のワイン」として有名なヴィーニョ・ヴェルデや、重すぎず軽すぎず、カジュアルに楽しめるワインを生産するポルトガル。

この二つの国で生産されるワインは、同じヨーロッパでもフランスや他のヨーロッパの産地と比べて高いコストパフォーマンスと評価され注目されています。

もちろん辛口のワインもとってもおいしいのですが、今回はスペインとポルトガルで生産される特徴的な「酒精強化ワイン」についてお話をしていきたいと思います。

ワインにブランデーを加える?! シェリー酒の製造方法とは

酒精強化ワインは、フォーティファイドワインと呼ばれ、その名の通りワインの醸造過程でアルコールを添加し、ワインのアルコール度数を強化して保存性を高めたものです。一度開けても冷蔵庫に入れておけば長期の保存が可能なので、少しずつたのしむ事が出来るのも魅力の一つです。

最も有名なのが世界三大酒精強化ワインの一つ、シェリー。甘口から辛口のものまで多彩なタイプが揃います。主にパロミノ種から造られる辛口の白ワインを酒精強化し、フロールと呼ばれる酵母と一緒に発酵させて独特の風味を持たせるのが特徴です。古い順に樽を積み重ね、一番下の樽から一部を抜き出して出荷し、上の樽から若いワインを順に継ぎ足すソレラ・システムで熟成させます。

辛口のものにはフィノやマンサリーニャ、アモンティリャードがあり、甘口のものにはペドロ・ヒメネスやモスカテル、クリームと呼ばれるタイプがあります。オロロソと呼ばれるタイプは、辛口と甘口と両方が造られます。

意外と思われるかもしれませんが、辛口のものはエスニック料理との相性も抜群なんです。

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ポルトガルを代表するポートワイン

一方ポルトガルではシェリーと同様、世界三大酒精強化ワインのうち、ポート(ポルト)ワインが生産されます。

ポートワインはその名の由来となったポルトの町周辺で造られ、ポルト港から出荷されている酒精強化ワインです。その造り方は独特で、ラガーと呼ばれる樽の中で足踏みによりブドウを潰し、2~3日後に77%のブランデーを加えて発酵を止め、大樽で熟成させます。より現代的な製法で造る生産者もいますが、基本的にはこの伝統的な手法にこだわって造られており、ブドウ畑や熟成年数によって等級が決められます。

黒ぶどう品種を原料に3年の樽熟成後出荷されるのはルビー・ポート、ルビー・ポートをさらに長い年月樽熟成させたものはトゥニー・ポート、さらにレイト・ボトルド・ヴィンテージ・ポート、ヴィンテージ・ポートという高級品があり、白ぶどう品種を原料にしたものはホワイト・ポートと呼ばれます。

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個性的な味わいのとりこになるマディラ

そしてもうひとつの世界三大酒精強化ワインであるマディラワインは、ポルトガル南西部にあるマディラ島で造られる酒精強化ワインです。マディラは船積みされたワインが赤道を横切るときに、灼熱の太陽にさらされて独特の風味を呈することから生まれたワインで、カンテイロという昔ながらの熟成方法と、現在はその様な手間のかかる方法に代わって、エストゥファと呼ばれるスチームサウナの様な貯蔵庫で造られるものが主流になっています。

その味わいは「セルシアル」と呼ばれる辛口のタイプからマルムジィの名で親しまれる甘口の「マルヴァジア」、秀逸な単一年度、単一の高貴品種から作られ20年とさらに瓶熟成2年が必要な「ヴィンテージ」と様々です。

酒精強化ワインは気温が高く温度管理が難しいブドウ栽培地域において、酸化や腐敗防止など保存性を高めると同様に、味わいに個性を持たせるために工夫されたワイン。

なかなか飲む機会がないと思われがちですが、酒精強化ワインの魅力は食前酒から食後種まで実は無限大です。辛口、もしくは白はよく冷やして食前酒に、甘口もしくは赤は食後酒に常温で飲むのがおすすめです。

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