ワインのボトル形状で産地がわかるってホント?ワイン選びをもっとたのしく

ワインのボトル形状で産地がわかるってホント?ワイン選びをもっとたのしく

たくさんのワインの中から1本を選ぶとき、店頭の説明やラベルを見て大いに悩みますよね!実はひとめで産地を見分ける目印があります! それは、ボトルの形状(カタチ)です。 「いかり肩はボルドー」「なで肩はブルゴーニュ」は有名ですが、他にもいろいろな産地とボトル形状の関係があります。

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同じフランスでも産地でボトルの形状が異なる

新しいワインに出会いたくて、店頭でワインを選ぶとき、どんなことを見ながら選びますか? 店頭ポップの説明、産地やブドウ品種、パッと見たときのラベルの印象などワインは様々な観点から選ぶことができます。

でも、もっと簡単にどこの産地かわかる目印があることを知っていますか? それは、ボトルの形です。実は、ワインのボトルは産地によって異なるため、ボトルを見ただけでどの産地かわかるものがあるのです。

まずはフランスのボトルを4つ紹介しましょう。

一つめは、よく見かける、肩の部分が出っ張ったいかり肩の「ボルドー型」といわれるボトルです。グラスに注ぐとき、澱が肩の部分に貯まるようにボトルがデザインされています。

二つめは、なで肩の「ブルゴーニュ型」。こちらはオリの出にくいワインに使用されます。

三つめは、スマートな「フルート」です。フランスのアルザスでよくみられる背が高く細身で濃い緑色をしたボトル。「アルザス型」とも呼ばれています。

最後は「プロヴァンス型」です。コーラの瓶のようになで肩で、胴体がくびれていて女性的なデザインが特徴です。

味もボトルも独特なドイツワイン

爽やかな甘味の白ワインが日本でも人気のドイツワイン。ドイツワインには、独特の形のボトルがあります。

一番ポピュラーなのは、アルザス型に似た形の「フリュート」と呼ばれるボトル。背の高い細身のボトルです。アルザス型と似ていますが、ボトルの色が異なります。ライン地方ではブラウン、モーゼル地方になると薄い緑色です。

また、フランケン地方では、「ボックス・ボイテル」という下の部分が丸い袋状の形で平らなボトルがあります。皮製のワイン袋をまねて造られたといわれます。

味もボトルも独特なドイツワイン

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そのほかの産地はどんなボトルを使っている?

このほかに特徴的なのは、イタリアのワインボトル。「フィアスコ」といわれ丸みを帯びたフラスコのような部分に藁を編んだ「藁づと」を巻いているボトル。トスカーナのキャンティに使用されてきた伝統的なボトルです。

魚の形が特徴のボトル「ペッシェ」を店頭で見たことはありませんか? イタリアの海に面したマルケ州のワインに使用されます。口を上に向けた魚(ペッシェ)の形がユーモラスです。

また産地別ではありませんが、発泡性のあるワインのシャンパンやスパークリングワインは、内圧に耐えるために厚めのガラスで造られていますね。

そのほかの産地はどんなボトルを使っている?

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コルクの材料も様々

ワインボトルにいろいろな種類があるのと同様に、コルクにも様々な素材があります。

コルクはコルク樫という木の皮で造られています。コルク樫の木の樹脂を年輪約10年分剥がし、円筒に型抜きします。弾力性がありボトルの栓として使いやすく、また、完全に密閉された状態ではなく、ごくわずかに空気を通すことでワインの熟成に適しています。しかし、天然素材であるため保存環境によっては、長い熟成の間に劣化することがあります。

ほかには、コルクくずを集めて円筒状にした圧縮コルク、アメリカ、オーストラリア、チリといったニューワールドの産地を中心にコルクの代用として使われる合成樹脂コルクもあります。

また、その開けやすさでニューワールドの産地を中心に増えているのがスクリューキャップです。気密性や安全性など栓の機能は優れていてリーズナブルなワインだけでなく、1万円以上のワインにも使われることがあるそうです。次回ワインを飲むときは、コルクもチェックしてみてください。

コルクの材料も様々

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