アメリカ、オーストラリア、チリ、南アフリカ…。ニューワールドのワインをたのしむ

アメリカ、オーストラリア、チリ、南アフリカ…。ニューワールドのワインをたのしむ

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ニューワールドの先駆的存在のアメリカ

ワインの産地というとどこを思い浮かべますか? まずは、フランス。そして、ドイツやイタリア、スペイン…。ワイン発祥の地ヨーロッパを思い浮かべる人が多いのではないでしょうか? 次に思い浮かべるのはアメリカ、オーストラリア、ニュージーランド、チリ。ヨーロッパ以外の国をワインの世界では「ニューワールド(新世界)」といいます。

このニューワールドの中でも、高品質なワインを造るのがアメリカです。もともとアメリカには、ワイン造りに適したヨーロッパ品種のブドウが存在しませんでしたが、19世紀後半にはヨーロッパからワイン用のブドウが入り、また「カリフォルニアワインの父」と呼ばれた故ロバート・モンダヴィ氏などの先駆者たちの努力、後継者たちの自由な発想と探究心も相まって、ヨーロッパに匹敵する高品質のワインが造られています。

とくに、カリフォルニアのカベルネ・ソーヴィニヨンやメルローなどのボルドー品種、北西部オレゴンではピノ・ノワールが人気の的です。

アメリカのワインの品質を世界に知らしめた出来事が、1976年にフランス・パリで行われた「パリスの審判」と呼ばれるテイスティング。フランスの超一流ワインとアメリカのワインをプロ中のプロたちが目隠ししてテイスティングし、おいしいほうから順位をつけた結果、アメリカが勝利しました。それ以来、アメリカのワインの評判はグッと上がったそうです。

アメリカのワインは、一般的にはっきりした果実味のある味が特徴です。

多彩なブドウ品種が特徴のオーストラリアと辛口白のニュージーランド

オーストラリアのワインの歴史はまだ200年ほどですが、品質とコストパフォーマンスのよさで注目を集めています。

オーストラリアにはブドウが存在していませんでした。ブドウは、1788年に入植した英国人によってもたらされます。しかし、本格的なワイン造りが始まったのはそこから約50年後のことです。

熱帯から亜熱帯の気候に属するオーストラリア北部は暑いため、南部のメルボルンやアデレード、西部のパース近郊などでワイン造りが行われています。

フランス品種のブドウを中心に様々なブドウ品種が栽培されていますが、とくに有名なのがシラーズの赤ワインです。オーストラリアのシラーズのワインは、フランスのローヌ地方のワインに比べ、果実味が豊かでストレート、スパイシーな味わいです。

オーストラリアのワインが高品質で低価格である理由としては、土地代が安いこと、また生産効率の高い大手ワイナリーが多いことが上げられます。オーストラリア大陸にはブドウの天敵である害虫やウイルスがほとんどいません。世界中のブドウを壊滅状態にしたフィロキセラの被害もほとんどないため、ブドウ品種もバラエティ豊か。樹齢100年を優に超える長寿のブドウの木も存在しています。

ニュージーランドにブドウが入ってきたのは、オーストラリアより後の19世紀初頭。ニュージーランドワインが世界に知られるようになったきっかけのブドウ品種は「クラウディ・ベイ」などの優良生産者たちのソーヴィニョン・ブランです。ニュージーランドのソーヴィニョン・ブランの白は、豊かな果実味とハーブのような爽やかさが特徴。

南北に長いニュージーランドは、1日に四季があるといれれるほど昼夜の気温差があります。そのため、ゆっくりと熟し、香り豊かで凝縮した味わいのブドウができます。南島最南端にある地区では、ピノ・ノワールのワインが秀逸! 品質の高さは、ブルゴーニュに次ぐとまで評価されています。

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リーズナブルでおいしいと評判! チリとアルゼンチン

本格的なワイン造りが19世紀後半というチリは、ニューワールドの中でも比較的新しいワインの産地です。チリのワイン産地は、東のアンデス山脈と西の海岸山脈にはさまれた渓谷に集中しています。標高が高いため、昼夜の気温差が大きく、質のよいブドウが収穫されます。

また、高品質なのにリーズナブルなのは、ブドウの病害が少なく労働コストも低いためです。海外資本の影響も大きいでしょう。カベルネ・ソーヴィニヨンのほか、メルローの赤も人気です。

同じ南アメリカ大陸のアルゼンチンも、重要なワイン生産国です。標高300~2400メートルと高い位置にブドウ畑があり、温暖で乾燥しているため灌漑(かんがい)が欠かせません。

アルゼンチンならではのワインというと、果実味豊かなマルベックの赤でしょう。フランス・マルベックは、個性の強いシャープな味わいが特徴ですが、アルゼンチンでは印象が異なります。アルゼンチンのマルベックは濃厚でフルーティな味わいで、世界中にファンが多いのです。

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固有品種のブドウもあるデイリーワインの代表南アフリカ

実は世界のベスト10に入るほどの生産量を誇る南アフリカ。その大半が、リーズナブルでおいしいデイリーに飲めるワインです。

中でも有名なのが、南アフリカ独自の交配品種のピノ・タージュのワイン。ピノ・タージュとは、ピノ・ノワールとサンソーの交配品種。病害に強く、濃厚な果実味と力強い味わいが特徴です。しかも、お値段が手頃なのもうれしいかぎりです。

最近は、固有種よりもシャルドネやシラーズなどの国際的な品種の栽培も活発に。ワインが身近に感じられる南アフリカのワインは、今後ますます注目です。

自由な発想で造られる親しみやすいニューワールド・ワインをいろいろと試してみましょう。

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