古代から続くワインの歴史を知ろう

古代から続くワインの歴史を知ろう

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ワインはギリシャ神話にも登場していた!

ヨーロッパからアメリカ、オーストラリアなど世界各国に生産地があるワイン。最近は、日本のみならず中国などアジアでもワイン人気は高まっているようです。ワインが認識され始めたのは紀元前5000年ごろ。現存する最古のワインの記述は、紀元前5000~4000年ごろの出来事が書かれたものといわれている「ギルガメッシュ叙事詩」にある一節です。古代バビロニアの王ギルガメッシュが洪水に備えて船を造らせた際に、船大工にワインを振る舞ったという記述があるそうです。

紀元前5000年頃、古代オリエントで始まったワイン造りは、メソポタミアからエジプト、フェニキア、ギリシャに伝わったとされています。ギリシャ神話にもブドウ栽培やワインの神であるデュオニソスが登場しています。ギリシャには、紀元前16世紀のものではないかと伝えられる最古の足踏み式破砕機も残されています。

キリスト教にとって重要な飲み物

紀元前58年ごろ、ギリシャからローマに伝わったワイン造りは、ローマ帝国の領土拡大とともにヨーロッパ全土に広がります。フランスでワイン造りが盛んになったきっかけは、ジュリアスシーザーによるガリア(現在のマルセイユ)征服でした。

また、もうひとつワインが普及するポイントは、キリスト教の存在です。イエス・キリストが「パンは我が肉、ワインは我が血」という言葉を残しているように、キリスト教にとってワインはとても重要なのです。キリスト教の布教とともに、ミサ用のワイン需要が増え、修道士、修道院によってワインはさらに広まります。12世紀には、フランスからイギリスや北欧、ドイツへ輸出されるようになりました。

キリスト教にとって重要な飲み物

Vaclav Mach/shutterstock.com

ヨーロッパから世界へ

15世紀に入ると、アメリカ大陸や南アフリカ、オーストラリアなどにヨーロッパから多くの人が移住していきます。大航海時代の始まりです。このとき、ワインの産地もヨーロッパから各地へと広がっていきました。

新しい土地でのワイン造りの広がりにおいても、キリスト教布教は大きな役割を果たします。また、ブドウが痩せた土地でも栽培しやすかったことも、新天地でワイン造りが広まる要因となりました。

アメリカ大陸には、スペインによってブドウが持ち込まれ、その後、チリやアルゼンチンに広がります。1776年にはカリフォルニアで修道士がワイン造りを始めます。南アフリカにはオランダからブドウが持ち込まれ、1659年にワイン造りが始まりました。オーストラリアには1788年に英国人の手によってブドウが持ち込まれ、その後1819年にはニュージーランドに伝わったとされています。こうして、世界各国にワイン造りが広まっていきました。今日では、ヨーロッパのみならず、世界のさまざまな国のおいしいワインが手に入るようになりました。

ヨーロッパから世界へ

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