ビールはこうして作られる。製造工程を知る

ビールはこうして作られる。製造工程を知る

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麦から麦芽へ。独特な香りや色は製麦工程から始まる

本格ビールの代表的な原料は、「麦芽」「水」「ホップ」の3つ。シンプルなこの3つの原料で作られた飲料は、世界で数えきれないほどの種類が販売されています。ビール作りは、まず大麦を発芽させて麦芽を作る製麦工程から始まります。

水を十分に吸収させて大麦を発芽させる浸麦(しんばく)、乾燥させて発芽を留める焙燥(ばいそう)を行います。低温(85~100度)だと淡色麦芽、高温(160~220度)だと濃色麦芽になります。できたものを「麦芽=モルト」と呼びます。この工程は、ビールの香りや色を決めるベースとなります。

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特有の苦味や香りは仕込みが重要

酵母が発酵するために必要な糖やアミノ酸が豊富に含まれた麦汁をつくる工程が仕込みです。まず、できた麦芽を粉砕し、仕込み釜で副原料と温水と混ぜ、粥状にします。麦芽の酵素を働かせることによって、デンプンやタンパク質を糖やアミノ酸に分解します。このあと、粥状のものをろ過、固形分を除きます。できたジュース状のものを麦汁と呼びます。これに、ビール特有の苦味と香りを与えるホップを加えて煮沸したあと、冷却して発酵タンクへ入れます。ビールの素が出来上がってきました。

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味の決め手は発酵と熟成

発酵は、麦汁がビールへと変化していく大切な工程です。ここで、ビールの味が決まってきます。麦汁中の糖から酵母の働きによる発酵によって、アルコールと二酸化炭素(炭酸ガス)が作り出されます。発酵が終わった麦汁は「若ビール」と呼ばれます。発酵が終わったばかりの「若ビール」は、味が粗く、未熟な香り。そのため、「若ビール」を低温で熟成します。熟成することで、気になる香りがなくなり、味もマイルドになります。また、熟成期間中も残った糖分などの発酵が進むことで炭酸ガスが発生します。この炭酸ガスがビールの中に溶け込むことで、喉ごしや泡立ちを作り出す役割をします。

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品質を保つろ過と熱処理

熟成後のビールは、一般的に品質の変化を防ぐために、酵母を取り除くろ過をするか、熱処理で酵母の活動を止めます。ちなみに、日本ではこの工程で熱処理をしないものを「生ビール」と呼んでいます。この後に、缶や瓶、樽に充填され出荷されます。ビールは酸素に触れると劣化しやすいため、充填は酸素との接触を少なくし、酸化による品質の低下を防ぐように注意を払います。

このように、さまざまな工程を経てビールは、私たちの手元に届くのです。
最近では酵母を生きたままの状態でたのしむために、ろ過や熱処理をせず、低温配送、低温管理を徹底した「チルドビール」も注目されています。

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